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Epsode1-2 第六部隊の昼

———学校内 食堂

校内は転校生の話題で持ちきりだった。

『最弱の転校生』『無駄な特例法少女』などという形で校内に広がっていた。

当然、まだ彼女は戦闘訓練やランキング戦を行っていない。ただFランクというだけでここまで言われている。


「あの転校生のことで話題が持ちきりだな」

あきれた声でため息をつきながら言ったのは同じ第六部隊に所属する源藤成吉(げんどうなりよし)である。自分の部隊に関わることしか興味がなく、このような噂話には普通、意見もしないような男である。

ちなみに筋肉質なボディとそのクールな性格から女子にモテるらしい。

でもそういうことにも全く興味がないらしく告白は全部振っているらしい。

これらはすべて実乃里の情報である。

でも、そんな彼がこんな噂話に意見するのは珍しい。


(やっぱり成吉も彼女が只者ではないことに気づいているのか…)


「成吉さんが噂話につっこむのは珍しいですね。何か彼女に対して思うところでもあるのですか?」

今のように思ったことをすぐに口にするのは副隊長の渡瀬(わたせ)しろである。

髪は白色のストレートでロングヘア。初めて見る人は、成績優秀そうな生徒会長的な人に見えるくらい、スタイルもいい。

頼れる副隊長様なのだが…

「ムフゴォ!?」

今まで聞いたことのない声と同時に成吉の口の中のお茶が、向かいに座っている僕の服にかかった。

「うわっ!汚い…」

「篤斗大丈夫??タオル持ってくるね!!」

実乃里はダッシュでどこかに行ってしまった。


「成吉さんがここまで動揺するなんて、本当に珍しいですね」

冷静そうなことを言いながらしろは笑っていた。今までにないくらいの勢いで笑っていた。足を子供のようにバタバタさせ、頭を机に伏せて、手を思いっきり机にたたき続けていた。

しろはとても子供っぽい一面を持っているのだ。


「副隊長、迷惑だからやめようよ…みんな、こっち見てるから、ね?」

「そんなこと言われても…ふふっ。面白いからしょうがないで…」

しろが顔を上げるとそこには美少年・鏡陸斗(かがみりくと)がいた。

身長はこの部隊で一番低い。髪は白色のストレートでショートカット。学校では美少年であることから、女子から視線を集めている。

上目遣いでしろはのことを見ておねだりするかのようにしていた。


「…」


「副隊長どうしたの?笑いすぎて疲れちゃったの?」

「…と…とい」

「ん?なんていったの?」

陸斗はどんどんしろの顔に近づいていく。

「ねぇ、ふくたいちょう??」


「尊いです!尊すぎます!!キャーーーーーーー!」


急に叫んだ副隊長様はどこかへ走り去ってしまった。

この五人で第六部隊なのだが、本当にこれからが大丈夫なのか心配になってくる。

特にコミュニケーション面が。


結局、しろがなぜ笑ったのかは謎のままだ。


しろが走り抜けた先を見ると第十部隊が食事をとっていた。月野宮さんは端のほうで弁当を食べている。

転校初日にも関わらず彼女の部隊は放課後にランキング戦がある。なんとかわいそうなことか。

「そういえば、転校生の戦力が分かるの早すぎないか?」

成吉はまだ彼女に興味があるようだ。

「でもしろが言っていた通り、成吉が気になるなんて、めうあいいおえ~(珍しいよね~)」

実乃里が途中からうどんを食べ始めたので、なんていったか聞き取るのが難しかった。

「第十部隊も大変ですよね。急に来た転校生を部隊に入れてすぐランキング戦なんですよ。作戦を立て直さないといけないじゃないですか。」

いつの間にか帰ってきた副隊長が真剣な口調で言った。

「まぁ、なんとかなるんじゃないの?相手が相手だし。」


相手は第十七部隊。

暫定ランキングで第十部隊は7位、第十七部隊は23位だ。普通に考えると負けることはないといってもいい。

相手が完全に不意の付く作戦を考えているか、相手の戦力が大幅に強化されたか、味方がとんでもないミスをするかでないと、負けることはない。

だって、これだけランキングが離れているのだから。


「何があるかはわからない。いつかは必ず相手になるから、午後の授業が終了したら早めに会場に向かうぞ!」

「「「「了解」」」」


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