Epsode.0 砂漠の中で歩き続ける少女
苦しい。体も重い。
「でも、まだ歩かないと…」
もう王国を出て何日だろう…。最初は覚えていたけれど、そんな気力も今はない。
広大な砂漠の中を私は歩く。ある一つの夢を胸に抱いて。
この夢を達成するためにジュリラント王国から逃げてきたんだ。
「みんな、なかよく、しない、、と。」
自分に言い聞かせる。こんなところで立ち止まってしまったら私の夢は達成されない。
「でも…」
食料が尽きている。水もない。
城にある食料をできるだけ持ち出してきたけれど、まだ少なかったみたいだ。
もう三日は何も食べていない気がする。いや、それ以上かもしれない。
周りを見渡しても砂ばっかり。空を見ても雲一つない晴れ切った空が彼方まで続いている。
「わたしは…」
達成するんだ。
「みんなが…」
仲良くしてほしい。
「そのために…」
歩き続けないといけない。
「だから……………あっ」
私は砂の大地に膝をついてしまった。
足が止まってしまったんだ。動かなくなってしまったんだ。
小さいころにお父様から聞いたことがある。人間は本当の限界を迎えると何もできなくなる。
「さすが、おと、う・・さま・・・。」
自分の声も小さくなっていくのがわかる。
「…ぁれ?」
目の前の視界が暗くなっていく。まだ太陽は上っているのに。意識も消えていく。
(もうここでげんかいかぁ…)
私はなんのためにここまできたんだろう。
次の人生ではみんなを笑顔にしたいなぁ。
「笑顔な、世界を、、、」
その直後に誰かの手が見えた。しかし体と精神はもう限界だった。
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