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07

結局、あの後3回も体当たりを受けてしまった。

特に左足の膝あたりはじくじく痛んで歩くのも困難だ。

ビッグラビットは足元に倒れているんだが、ほわほわした光を放っている。

どうしたものかと思ったら、うっすらと透けて消えていった。

残ったのは1枚の毛皮と小指の先もないほどのちいさなビー玉みたいな石?

【鑑定】してみると「ビッグラビットの毛皮」と「魔核」となっている。

ちょっと安心した。

倒したはいいが、生ウサギの解体なんてゾっとする。

あとは回復魔法か。打ち身になってるであろうところに手を当てて【回復魔法】と念じるがなにも起こらない。

あ、これ不味いパターンじゃ…


かなりあせったが、なんでもいけた。「ケ○ル」だろうと「ホ○ミ」だろうと「ヒ○ル」も「キ○ア」もなんでもだ。

怪我は4ヶ所だったので他の呪文は試していない。

傷口の確認、回復させるイメージ、あとは魔力とかMPとかの不思議パワーそういうのがそろったら、魔法が発動するきっかけがあればいけそうだ。

勉強はダメだったが、保健体育は得意だったんだ。人体の構造なんかはうろ覚えだがイメージできる。

思春期の健全な男子のなせる業だな。

何はともあれ疲れた。

放り出した麻袋と毛皮を手に取り、魔核は無くさないように…あ、そうだ【アイテムボックス】があったな。

黒い裂け目に魔核を放り込んで足早に沢を下っていった。

森の道?もう戻る道なんてわかんないよ!


戻る途中にもウサギがいたので死闘(笑)の末に倒す。これで金になるんだろうか?

教会にもどる前に薬師の店に寄ろう。

「すまない、森の薬草なんだが」

「なんだい、見かけない顔だね。」

「旅の神官さ、今はそこの教会に厄介になってる。」

「まあいいさ、見せてみな。」

麻袋を渡すと中から俺の摘んできた「パルナ草」を引っ張りだす。

「なんだい、パルナ草ばっかりかい。たいした量はないね。2枚で銅貨1枚ってとこだね。

こいつは小さすぎる、こっちは潰れちまってるじゃないかい。パルナ草は傷つけないように日干しにして使うんだ、こんなふうに潰れちまうとダメになっちまうのさ。気をつけな。」

選り分けて買い取り分を数える。

「57枚かい、まあいい、こっちの小さいのをまとめて銀貨で3枚ってとこだね。」

相場もわからんし黙って受け取る。銀貨3枚ってゼル(Z)に換算するといくらなんだ?

「そっちの毛皮はもしかして大ウサギかい?そいつをヤルなんて兄さんなかなかの腕だね。そいつも売りたいんなら村長のとこだね。街みたいにギルドなんてないよ。」

そーなのかー。村長とかいうヤツに売るか。てか、やはりあったなギルド。いや、この村には無いのか。

「村長の家は村の真ん中にあるでかい家だよ。」

「ありがとな、バアさん。

そうだ、パルナ草は見つかったんだがカラビア草はどこに生えてるだい?」

「バアさんはよしな、わたしゃヴェルナだよ!

パルナ草ばっかり持ってきたんだ、川沿いか森の中の沢のそばばかり捜し歩いたんじゃないのかい?

カラビア草は水気のある所を嫌うんだ、森の中の日当たりのいい開けた所を探してみな。」

「ありがとよ、ヴェナばあさん!」

後ろでバアさんがなんだな騒いでいたけど無視して村の真ん中にある広場を目指す。

おそらくこの村では珍しい2階建てのあの家が村長の家だろう。

ファンタジーっぽいババアの薬師だったが、某アトリエみたいなかわいい娘でもいいのよ?

ここまでヒロインがいないんだ、これは村長の娘しかないな!

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