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06

村と森には粗末な木の柵があったが川の方に回りこむとすぐに途切れていて、森に向かうことができた。

村を出て【鑑定】を使ってみたが、見た感じ薬草はないっぽい。

薬師の店先には大葉のような物とタンポポの葉のような物が干してあった。

【鑑定】すると大葉の方が「パルナ草」。タンポポみたいなのが「カラビア草」となっていた。

どんな効果があるのか、なにに使うのかはわからない。【鑑定】のレベルが上がればわかるのか?

まわりの草はどれも名前が違っていて、よくわからん。

雑草ではないらしい。

やはり森に入らなければならないか。神父の言っていたゴブリンや森オオカミが気になるが、深いところまで行かなければ大丈夫だろう。

日本にあった森とは違い、杉のような針葉樹はほとんど無く、広葉樹のばかりだ。下草や藪などもあり、見通しは悪い。

いきなり森に入って行くのもためらわれて、森と草原の間をうろうろしていると土が少しくぼんでいる、獣道のようなものがある。

村で薬草を街に卸しているなら、村人もちょくちょく森に入っているはず。道が出来ていてもおかしくない…よし、この小道から森に入ってみよう。


キョロキョロしながら森に入って行くが、「パルナ草」も「カラビア草」も見つからない。

村に近すぎるか、道沿いの物は村人が取ってしまうのだろう。奥に向かうか、道を外れるか…

『森の深いところはゴブリンや森オオカミも出ると…』

よし、道を外れてみるか。あまり奥に行ってもな。

道を外れてしばらく行くと小さな沢があった。

これをたどれば村の横にあった川に出るはず。これ沿いに歩けば迷わないっだろう。

遠回りになるが川まで行けば村には帰れる。

しばらく沢沿いを歩くと、倒木の側に大葉っぽい草が、【鑑定】すると「パルナ草」だ!やっと見つけたぞ。

たしか、日干ししていたのは大きな葉だけだったな。

手のひらサイズの葉をちぎって神父から借りた麻袋につめていく。

ぜんぜん少ないな、小説なんかじゃもりもり集めるのがテンプレじゃないか。

沢のまわりを探したり、少し離れた藪の中を覗いたりしてなんとか麻袋に半分ほど集めた時、ちょっと離れた所に茶色のモコモコしたヤツがいる。

見た目はウサギなんだがデカい。


【ビックラビット】Lv2

・魔獣種


こいつ、モンスターなのか?

あわてて麻袋を放り出し、腰の剣を抜く。

その音に気がついたのか、ビックラビットが振り返るのだが、その目は不気味に赤く光っていた。


剣をまっすぐ正面に構える。剣道で言うところの正眼の構えってやつだ。

これしか知らないだけなんだが、こんな構えで大丈夫か?

ビッグラビットは剣など気にした様子もなく、まっすぐに突っ込んでくる。

俺もまっすぐ踏み込み剣を振り下ろすが、ビッグラビットはひらりとかわしてしまった。

当たり前か。剣道の授業の時みたいにまっすぐ振りかぶって、まっすぐ振り下ろして当たるわけがない。

慌てて剣を構えなおす間も無く、わき腹に衝撃がくる。ビッグラビットの体当たりだ!

たたらを踏んで慌てて向き直る。ビッグラビットは少し距離を取った位置にいた。

ただのデカいウサギでLv2のどう考えても雑魚中の雑魚のハズだ。

たかがウサギで硬いウロコを持ってるわけでも、鉄で出来てるわけでもない。

引き付けて撃ち返せばいいんだ。

落ち着け俺、そうだ回復魔法だってある。落ち着いてコイツを始末すればいい。

飛び掛って来るビッグラビットに合わせて剣を振るう。

ボクッ!という手ごたえが今度はあった!

しかし、当たり所が悪い。剣の腹で叩いてしまったんだ。刃の部分を当てないと。いや、剣先もあるんだ突いてもいい。しかしまた最初のように避けられるかも。

剣を横に寝かせて、剣先を下げてビッグラビットを待つ。

どうせ走って追いかけても追いつかない。

落ち着いてヤツの狙いに合わせて剣を突き出した。

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