05
(司祭を目指して)
神に祈りを捧げましょう。毎日の祈りがあなたを導くのです。
そうです、物語は始まったばかりなのです。
報酬 200P
おかしいな、このクエストはクリアしたはずだ。
ガチャ1回分の200Pっていう報酬といい、あれか。1日1回無料的なデイリークエストってヤツか。ログインボーナス的な何かか。
何はともあれありがたい、忘れないうちに祈っておこう。
「おはようございます。お茶はいかがですか?」
「おはようございます、イーリス神父。ありがとうございます。」
部屋を出るとじーちゃん神父はもう起きていて、お茶を勧めてくる。
あ!今、じーちゃん神父の手が赤く光ったと思ったら竈に火がついた。
これって魔法だよな?派手な呪文も何も無かったが手慣れた手つきでパっと火をつけてしまった。
魔法って誰でも使える手軽なものなのか?
じーちゃん神父のジョブに魔法が使えるようなものは無かったはずだ。
「イーリス神父、その竃の火は?」
「この村では魔石があまりありませんので、街のように魔石竃が普及していないのです。となりの森から薪を採って来て、小魔法で火をつけるのですよ。」
途中いろいろ気になる言葉もあったが、小魔法?魔法じゃないのか?
そうか、俺が思っている火の玉を飛ばしたり光の矢を打ち出したりは俺の回復魔法のように、火魔法とか攻撃魔法などのスキルになるんじゃないのか?
それ以外のちょっとした魔法がこの小魔法となる。うん、ありえるな。
お茶を飲みながらゆっくり考える。
となるとジョブ「魔法使い(仮)」の習得条件は小魔法1000回+αとかそんな感じの可能性が高いな。
「今日はどうなされますか?この村にしばらくいらっしゃるなら魔法薬の材料となる薬草の採取などで路銀を稼いだりもできます。
もちろんその間は奥の部屋を使っていただいてかまいませんよ。」
「ありがとうございます。すこし村を見て回ります。森の薬草などは誰が採ってもよいものなのですか?」
「森は誰のものでもありませんが、森の深いところはゴブリンや森オオカミも出ると聞きます。お気をつけください。」
「薬草はどこかで買い取っていただけるのですか?」
「この村には薬師がおりまして、その者が加工をいたして街に卸しております。3軒隣で店先に薬草などを日干ししております、すぐにお分かりになるでしょう。」
「では森をすこし見てまわりたいと思います。」
朝飯に固いパンとうすいスープをもらって俺は表にまわる。
祈りをささげよう。まぢこの教会での出会いに感謝を。ここの神父、ネ申すぐる。この性格でなんでヒロイン的ななにかじゃないのか、そろそろテンプレ的なヤツはこないんだろうか?
教会のちょい先に薬師の店っぽいのを確認する。
腰の剣を確認して、森に行って…あ、教会の裏で戦闘訓練の回数が増えるまで素振りしていこっと。