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最弱であり最強な庶民のお話  作者: 菊の花の様に
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痛すぎる20話

「それはまた、なぜです?」


僕は少し疲れた口調になっていたことに気づく。

これではまるで僕がうんざりしているように聞こえるではないのか?と思い、気を取り直す。


「あ、いや、それは……」


そして、僕の質問に対して、セスさんは少し答えにくそうにしている。


「な、なんか変な理由でもあるんですか?」


その様子に僕は並々ならぬ内容なのか、と構えてしまうが、


「いや、実をいうとね、君との模擬戦が、なんというか、その戦い終わった後が…………」


口ごもるセスさん。


「気持ちよかったんだ!」


そして、覚悟を決めたかのように大声で叫ぶ。

みなさんの視線がこちらに向く。

いまは貴重な昼の時間帯だ。

そして、その時間にはほとんどの騎士がこの食事はに来る。

それに給仕のおばちゃんたちもいる。

つまり、こちらに予想外の視線がチクチク、いや、ザクザクと刺さってくる、ということになる。


「君とやっていた時が1番高揚感がすごかったし、終わったあとの達成感も、高揚感すごかったんだ……」


そこからなにやら語り出すセスさん。

それに対して僕は話を聞いているふりをしている。


いや、これは語弊である。


正確に言うと話なんて聞いていられないほどの状況なのだ。

周りの視線が痛すぎる。

それに加えてセスさんの話がうまい具合に勘違いを引き起こすような感じに聞こえるのだ。

これをもし天然でやっているのだったらある意味転生だな、と現実逃避をしながら思う。


「それで、いろんな方面から考えても、模擬戦には君が一番適任だと思うんだ!」


そして、その言葉で僕とセスさん以外の人が凍りついた。


それは決してまずい意味ではない。

自分たちの思い違いに気づき、恥じているからだ。


「ん?あ?あれ?皆さんどうしたんですか?」


そこでセスさんが周りの視線が集まっていることに気づき、見回す。

すると、みんなは自分に聞かないでくれ、と言わんばかりに

目をそらし始め、自分のことに集中する。


「?」


一方でセスさんはわからないと言ったような感じで、僕の方をもう一度見る。


「それで、どうかな?」


「あ、あぁ、模擬戦の相手の話ですよね」


僕は、セスさんが天然だと確定しつつ、模擬戦の相手、という言葉を強調して受け答えをする。

使い方は違うが、気配察知で、周りにまだ聞き耳を立てている人たちがいることを確認していたからだ。


「願うなら君に頼まれて欲しいんだが、いいか?」


おぉ、このイケメンに頼まれたら女の人なんて頼みごとの内容さえ聞かずにうんと頷いてしまうほどのものだ。


まぁ、それが理由という訳では無いが、僕は首を縦に振った。


「あ、ありがとう!」


どうやら了承してくれると思っていなかったのか、少し予想外、というような顔をしている。


「あの、僕からもじゃあお願いをしてもいいですか?」


僕はそこで、この話を了承した理由である、一つの条件をあげる。


「え?なんだい?

 僕にできることだったらなんでも言ってくれ」


ここで給仕のおばちゃんからの視線に殺意が混じり始めた。

気配察知も危険を告げているレベルだ。


いや、そんな変なお願いするわけないですから……


「セスさんが使っていた技について教えてください」


とりあえず、これは無理だろうと思いつつも、話を切り出す。

そりゃ、自分の技を教えて欲しいなんて、それは遠まわしに自分から弱点を晒すような真似になる。

そんな真似をセスさんが了承するはずがないだろう。


「あ、いいですよ。

 じゃあ今日からお願いします」


「あ、はい、じゃあよろしくお願いします」


………………あれ?

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