最後なので
blではありますが、大したアレじゃないです。
そんなに嫌悪感がなければ、見てってくださいな。
高校三年、三月、卒業。
まったくもってベタなシチュエーションなのは分かってる。
既視感バリバリのn番煎じ。
だけど、この日この時を逃したら、もう一生伝えることは叶わないであろう。
そんな感じがしてる。
なにか最後にやり遂げなければ、みたいな義務感というより。
なんかもう最後なので冥土の土産にどうぞ、みたいな諦めに似た感覚。
「好きだった。もちろん性的な意味で」
絶対口に出さないと決めていたセリフが、いとも簡単に吐き出される。
が、やはり多少息苦しさを感じて、一番上まできっちり留めていたブラウスのボタンを一つだけ外した。
相手の男はというと、アホ面で突っ立っている。
あ、言い忘れてたけど、僕は男が好きだ。
お察しの通り、僕も男だ。
「……まじか」
ようやく口に出したセリフがそれかよ。
呆れつつも、それすら愛しいわボケ。
マジだよ、と僕は笑う。
「多分もう会えないだろうから」
「俺は北海道で、お前は九州だもんなぁ」
遠いよな、と呟いて、彼は目を細める。
完全に余談だが、こいつの目は綺麗だ。
これも見納めか。
「あのさ」
目が合う。
僕は、いつだってこの視線を追っていたような気がする。
「……あのさ、俺知ってたよ。お前が俺に惚れてんの」
あ、そーなん………え…?
「ぅええええ!?し、知って…!?」
「うん、知ってた」
…なんかもう死にそうだ。
ボタン外したはずなのに、呼吸が苦しい。
「ごほっ……い、いつから…?」
「結構前だと思うけど、明確には分かんないな。いつの間にかって感じ」
「そっ…か。えと、なんかゴメン」
下心に気付かないふりして一緒にいるのは大変だっただろう。
今まで変わらず接してくれたコイツは本当にいいやつだ。
「返事聞かないのかよ」
「え?…あぁ聞かないよ。だって分かってるし」
お前が僕と付き合うわけがないことぐらい、分かってるんだ。
「俺さ、ずっと念じてたわけ。絶対お前が俺に告白しませんようにって。だって、俺離れたくねぇもん。ずっと友達で、例え住む場所が北海道と九州でも、休みには何とか遊びにいってさ、大人になっても酒とか呑んで愚痴ったりとかさ、たまにイタ電してやったりしちゃったりして、俺ら何年つるむんだよって」
うん。
「お前が俺に惚れてるの気付いたときもさ、気持ち悪いなんて思わなかったよ。むしろ付き合ってもいいか、なんて。でも、付き合ったら必ず別れがくる。同性なんて特に」
うん。
「俺は永遠がいいよ。誇張とかじゃなく、そのまんまの意味で。いつまでも限りなく、だ」
うん、知ってる。
だから、伝えた。
「どうせ最後だからさ、俺も告白していい?答えはもう分かってるけど」
「いいよ、答えは変わらないけれど」
僕たちは平行線だ。
ベクトルの向きも長さも同じだというのに、決して交わらない。
「俺とずっと友達でいよう」
どうして、交わらない。
「ごめん、無理だ」
お前に彼女ができるのも。
いつか、家族ができるのも。
僕に恋してくれないことも。
耐えられる気がしないんだ。
「俺、お前のこと好きなのにな。なんなら愛してる、本当に」
「お前のは『親愛』だからなぁ。僕のとは、本質的に全く違う。字面だけみたら、凄く勘違いしてしまいそうだけど」
ここまで僕のこと好きで、なんでこうも駄目なんだよ。
あぁ、くそ。
「離れたくねぇなぁ」
泣いていた。
僕の好きな人が、その綺麗な瞳から涙を流していた。
「離れがたいなぁ」
僕に手を伸ばして。
左腕を掴む。
引き留めるように。
やっぱ友達でいいやって。
思えてしまえれば楽なのに。
「僕もだよ」
そう言って、僕は彼の手を引き剥がした。
元気でな。
閲覧ありがとうございますm(_ _)m
なんか、自分が知らないだけで、同性同士で付き合ってる人は結構多いんじゃないだろうか。
と思う今日この頃。




