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その日まで  作者: 美玲
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第8話

「集合!…はい、みんな今日から教育実習生の高橋先生が一緒に教えてくれます。それでは、高橋先生から一言どうぞ。」



体育の中島先生は2組に配属になった体育担当の高橋先生を紹介した。私たちは隣のクラスだったので、高橋先生を何度か見かけていた。高橋先生は笑顔が可愛い元気な男の先生でそれなりに生徒たちも騒いでいたのだ。…まぁ、川口先生ほどではないが。



「はい、高橋俊と言います。今日から3週間お世話になるのでみんなよろしく!気軽に声かけてくださいね。」



にこにこと人好きするような笑顔で明るく自己紹介をする高橋先生を見て私は、少し馬鹿そうだなと思ってしまった。犬のようだというか、なんにも考えてなさそうなのだ。そんな失礼なことを考えていると川口先生がグラウンドに向かっているのが見えた。



黒のジャージを着た川口先生は思ったよりジャージが似合っていてかっこよかった。背が高いからなんでも着こなしてしまうんだろうな…。



「あ、川口先生が来ましたね。今日は川口先生も一緒に体育してくれるそうですよ。」



「はい、俺が誘ったんですよ。みんなもそうした方が早く仲良くなれるかなと思って。」



「では、川口先生からも一言どうぞ。」



「えーっと…。今日は高橋先生が誘ってくれたので、参加することにしました。最初は見学のつもりだったんですが、一緒に体を動かしたいなと思ってジャージ着て気合い入れました。」



少し恥ずかしそうに話す川口先生を見て、思わず笑ってしまった。…だって、すごく可愛いから。気合い入れて、って言っているのに、気合い入れた話し方じゃないし。



「なに沙良ってばにやにやしているのよ?」



「だって…。可愛いじゃない?インテリ風なのに、気合い。って…。」



「まぁ、たしかにね。…あ、ペアになってキャッチボールしろだってよ。…私とじゃなくて、川口先生と沙良はする?私より仲良さそうだったし。」



「ちょっとー!!紫苑てばすねないでよー!!私は紫苑としたいんだって!!」



たまにこうやって紫苑は私を突き放して面白がる。紫苑は真のSだと思うんだけど、本人は否定してくる…。嘘ばっかりだ…。



「っぷ。…沙良はいじりがいがあるなぁ~!沙良の方が川口先生よりずっと可愛いよ?」



「…ん゛。知らん!!ほらーーー!!」



適当なことを言う紫苑を無視して、私は思いっきりボールを投げた。

このもやもやを吹き飛ばすように。







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