第37話
今日で最後の日
結局、あなたの気持ちは全くわからなかった
でも、もういいの
私の心は…
決まっているから
コドモとしか思われてなくても
後悔したくないから
あなたに向かって行くよ
あなたの隣にいるその日を夢見て
「じゃあ、川口先生最後のあいさつよろしくお願いします。」
「はい。」
もう放課後になったんだ…
先生の最後の授業も終わって、これから最後のあいさつか。
1か月なんてあっという間だった
私の心に入り込んでくるのも
いなくなるのも
「せんせー!!写真撮ろーーー!!真ん中来て!!」
「あぁ。花といい写真といい、ありがとうみんな。忘れないよ、この学校、このクラスに来たこと。」
「写真だって、沙良。ほら行こう?」
「…うん。そうだね。」
忘れない?
本当に?
私は…
「それじゃあ、みんなありがとう。また遊びに来るからさ、忘れないでくれよ?」
「「「当たり前だよーーー!!先生こそ、忘れないで、文化祭とか来てよ!!」」」
「もちろん。…さようなら」
「「「さよーなら!!」」」
「…あぁ。いっちゃった…。結局先生アドレス教えてくれなかったね…。」
「そうだね。やっぱ、うちらじゃ相手になんないかなぁ…」
みんな先生にアドレス聞こうとしてたんだ…
知らなかった…
………。
「あ…紫苑私…」
「わかってる。…行っておいで!!」
「…うん!」
ありがとう、紫苑。
紫苑には何もかもお見通しなんだよね。
―――はぁ…。
ここにまだいるよね。先生たちで残ってるって言ってたし…
先生…
―――すぅ…。
深呼吸して、ノックをしようとした…そのとき
「ってかさ、高校生って本当ガキだよなー!!うるせーし、言うこと聞かないし。まぁ、俺実習に来たけど教師やるつもりないし、いいんだけど。教師なんて無理だってこの1カ月で実感したわ。そう思うだろ、みんな?」
「ちょっと!!高橋何言ってんのよ?!あんたね…」
「川口だってそうなんじゃねえの?その顔じゃ言い寄られたりしただろ?」
―――先生っ…
やっぱり迷惑だった…?
私が今また言ったら困らせるだけ?
だめだ…
これ以上、聞いてられないっ
「俺は…『ガタンッ!!』………?!」
「なんだ、今の音?………って、この鞄、なんか見たことあんだけど」
「その鞄っ…?!っ…!!ちょっと俺…!」
「っおい!!川口、どこ行くんだよ!!って、行っちゃったし…なんだよ、あいつ意味分かんねえなぁ」
「というか、あんた余計なこと言いすぎなのよ!!っったく…」
「………。俺はそ…ことないと思…だけど。あい…も…になって…かなぁ…」
「ん?笹井なんか言ったか?」
「………。いや、…」
―――はぁっはぁっはぁっ
私は…私は…
結局逃げるしかないの?
ねえ、誰か教えてよ…
どうしたらいいか