第13話
「藤木さん、ちょっといい?」
「お!!噂をすれば「ちょっと紫苑!!」」
「え?もしかして俺の話してた?悪口じゃないといいんだけどなぁ。」
「いやいや、悪口じゃないですよ~。ね、沙良?」
「う、うん。…それよりどうしたんですか?」
「うわ、ごまかしたよ。佐藤さん、何言ってたのか後でこっそり教えてね?」
「はい、もちろん!!」
「いや、言わないでよ!」
紫苑てば変なこと言わないといいんだけど…。本当何言いだすかわからないから怖いんだよね…。先生も興味持たないでよね。
「藤木さんがすねちゃう前に本題にいこうか。あのね、今日の放課後時間ある?もし暇なら教育実習生の部屋に遊びに来ない?佐藤さんも。」
「時間はありますけど…。先生たちの部屋に?それって行ってもいいんですか?」
「うん、もちろんだよ。みんな個性が強くて面白い人たちだから楽しいと思うんだ。」
「じゃあ行きたいです。紫苑も行くよね?」
「あ~ごめん。今日はちょっと用事が。それに先生も私に取ってつけたような誘い方してたし?」
「そんなことないよ?!気にしてた?ごめんね!!佐藤さんにも来てもらいたいんだ。」
先生にそこまで言う?紫苑ってば意地悪いな…。それに下向いてにやにやしてるよ。下向いてたら先生勘違いしちゃうでしょ…。
「あ~はい。次の機会に遊びに行かせてもらいますから気にしないで下さい。その時はジュース買ってもらいますので。」
「うん、買うよ!!2本でも3本でも。」
先生騙されてるよ…。この小悪魔にね…。