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その日まで  作者: 美玲
11/43

第11話

先生が来てから1週間がたち、休日をはさんだ今日は月曜日だ。



先週は新しいことだらけで気持ちがふわふわしていたせいか、土日はほとんど寝てすごしてしまった。だらだらして過ごすと時間がたつのが早いと思う。―――もう、3時?今日もほとんど終わりだなぁ。なんもしてないよ…。なんて気持ちになってしまう。



でも今日からまた先生に会えるので気分は上昇だ。

嬉しくて、大好きな歌を口ずさみながら校内に入って階段を上がっていると下から声をかけられた。



「おはよう、藤木さん。朝からご機嫌だね?なにかいいことでもあったのかな?」



振り向く前に誰かなんて声でわかる。

というか、歌ってたの聞こえちゃった…?歌ってるのを聞かれるのって結構恥ずかしいんだよね。…やめられないけど。



「おはようございます先生。なにもないんですけど、学校に来たらなんか楽しくなっちゃいました。」



「歌まで歌っていたから、なにかあったんだなぁ~と思ったんだ。気になってね?」



「…?!やっぱり聞こえてましたか…。はぁぁぁ。………というか、聞こえても普通知らないふりしません?先生って結構いじわるですよね。」



―――えぇ?!そんなことないよ?優しいと思うんだけどな?素直って言われるし。



先生はいたずらっこのような顔をして言うけど、そんな顔で言ったって説得力ないでしょ…。それでも様になってるのが少しむかっとするけど。



先週は結局毎日先生と話をしていた気がする。それはお昼であったり放課後であったり様々だったけど。その間に先生は他の子とも仲良くなり、クラスの子に「悠理」と下の名前で呼ばれるようにまでなった。下の名前を呼び捨てで呼んでいるのを聞いた担任は怒ったが、川口先生が「気にしてないので大丈夫ですよ。それに私は教育実習生ですしね。」と言ったこともあり、女の子の川口先生に対する呼び方は変わっていない。



―「悠理」という声が聞こえるたびに、もやっとしたものが心の中にうまれてしまう…。他の子が名前で呼ぶのをうらやましく思う反面、一度呼んでしまったら距離感がわからなくなりそうで怖いから名前では呼びたくないんだ…。だって名前ってやっぱり特別なものだと思うから…。



先生と過ごす時間はすごく楽しくてドキドキする。

年上の人の包容力があって、うんうん。って笑顔で私の話を先生は聞いてくれる。先生の話してくれることも新鮮で私を飽きさせないでくれるから、自分本位の同じ年の男の子との違いを感じてしまうほど…。



先生と目が合うたびに変な感じになって、いつもの私ではいられなくなる。

話すときは自然体でいられるんだけど、見つめられてるって思ったら心が騒ぎだす。
















先生はずるいと思う。

こんな風に女の子を惹きつけてしまうんだから…。















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