Prologue
あなたはアンケートに興味ある?………誰のことって?今これを読んでくれてるあなたよ。このアンケートに答えてくれると何でも欲しいものをあげるわ。さぁ、興味が出たら部屋の中に入ってちょうだい。筆記用具も紙も、すべて用意してるから心配要らないわ。
………私は誰かって?それはアンケートを始めてからのお楽しみ♪待ってるわね
今年サラリーマンになった汲田哲夫は駅から少し離れた夜の街を歩く。残業もなく帰れたのでよかった。普段なら大好きなミステリー小説を読むために近くのカフェに寄るのだが上司に叱られてしまい、そんな気分ではないのだ。溜息をつきながら歩く。
少し歩くとある女性を見かけた。自分と同じくらいの年齢のいかにも『お嬢様』な人。
じっと見つめていると彼女と目があった。
「……あら、そこの貴方。ちょっとアンケートに答えてくれない?」
アンケート?これは、後でいろんなことを強要されてしまう、面倒くさいパターンではないだろうか。
そう思い立ち去ろうとする。が、女性はまた俺に声をかける。
「答えてくれたら欲しいものは何でもあげるわ。家でも車でもお金でも。」
なんでも?ならば……
「はい。答えます。」
「ありがとう。ではあちらの部屋に入っていただける?紙や筆記用具を用意してるから。」
そう言って女性は少し古ぼけた建物を指さした。扉が少し開いていて明かりが差し込んでいる。少し開いているということは前に誰かが入ったのだろう。
不気味な気もするが俺は扉を開けて建物内に足を踏み入れた。




