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第9話 弔来村と氣

 この世界に来てから5日が経った。


 ─拠点1階の居間。


「デバっゲフンゲフン。ええっと師匠のスマホはなんで俺の世界の電波を拾えているんですか?」


「これはねぇ、僕の友人の能力によるものだよ。名前は聞いてないかな?」


 崇城は今までの会話の中で出てきた人の名前を順番に思い出す。


「福田先生でしたっけ?千瞳君が言ってた人。」


 福田先生、本名福田 霜句(ふくだ しもく)。様々なモノの認識を歪めたりする能力を持つ。


「崇城君!記憶良い方だね。」


「崇城君、表の世界の事を知ることは大切だ、この世界には無い情報は武器になんだよ。」


 崇城を先に見つけたのも、事前に事故の事を知り行動していたからと崇城は直感的に理解する。


「今日は、千瞳君と共に弔来村へ行くよ!」


 弔来村(とむらいむら)、パイプの森南方面から出て5km程進んだ場所に位置する村。


「弔来村?そこに何しに行くんですか?」


「そりゃ依頼だよ、僕の知人が依頼をしたいから村まで来いって言うからね。せっかくだし君にはこの辺りの事を知って貰えたらと思ってね。」


 千瞳がトレーニングから帰ってくる。


「師匠。いつ出発するんですか?」


「今日の夜、0時から行くよ。」


「遅くないですか?」


「どんな時まで動く時は暗くなった時が一番良いんだよ。」


「まぁ、それまで時間たっぷりだし、千瞳君!崇城君に氣について教えてあげてくれ。」


「僕は少し準備するから。」


 デバーノはそう言うと、すぐさま姿を消す。


「氣か・・・俺は教えるのが得意ではないからな。」


「氣。生命エネルギー的な?」


 ”()”とは生命エネルギーまたはオーラと同じ意味を持つ。氣とは能力との関係性もある重要な概念である。


「崇城君、氣っていうのは戦いにおいて重要な要素だ。」


 千瞳がそう言うと構えをとる。崇城はその姿になんとも言えない圧を感じる。


「なんか!?圧がエグい!」


「分かるか?これは氣を出し体に纏わせてる状態だ、基本的にこれが基礎中の基礎となる状態だ。」


「俺はあまり氣を見たりするのは苦手だが、師匠が言うには氣とはオーラで蒸気のようなモノらしい。」


「俺も使えたりするかな?」


「能力は大体訓練すれば使えると思う。」


「感覚は能力を使う時と一緒だ、氣も体の一部だ。」


 能力覚醒の条件として一般的なものとしては、逼迫した状態での一時的な氣の異常発生による極限状態によって肉体精神共に刺激されることで、能力が覚醒する。


「氣は精神と肉体に深く関わる、生命エネルギーだから消耗すれば通常よりも疲れる。」


「崇城君はもう少し経ってから訓練した方がいいかもな。」


「デバッ・・・師匠はやっぱ氣の扱い凄いのかな?」


「師匠は相当だ、丹練会の師範代とも渡り合えるはずさ。」


 丹練会(たんれんかい)とは裏世界の氣を鍛え、極める事を目的とした集団である。


「氣の訓練のする時は是非俺を呼んでくれ。」


「わかった!ありがと千瞳君。」


「はぁ、千瞳でいいって言ったろ。」


「じゃあ俺の事も崇城か優人好きな方で呼んでくれよ!千瞳!」


「わかったよ崇城。」


 二人の中が深まる出来事となりましたとさ。



To Be Continued

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