第15話 少年と猿
─弔来村。9時45分
「お婆さん、ここは家じゃないですよ!」
「へぇ?なんだってぇ?」
「こっちですよ!!」
第二の頼まれごと、認知症のお婆さんを探してきて。
─11時5分。
「どこだ~い?猫ちゃーん、マオちゃーん?」
「ん?家と家の隙間になんかいるな?」
「あ!いたマオちゃん!!」
第三の頼まれごと、影を伝うことができる飼い猫マオちゃんの捜索。
─11時30分。
「はぁはぁ・・・、普通に依頼をこなすより大変だぁ!」
「もう疲れた・・・。」
「やっと見つけた、妖〇メダル・・・。」
第四の頼まれごと、ボクの友達が居なくなったから探してきて!
崇城はデバーノに言われた通り、村内の様々な困った人達の手伝いをしていた。
─12時05分
「流石に疲れたな・・・、ん?公園か。この公園も自然に生成されたのか?」
「いや、ここは村のみんなで、作った正真正銘本物の公園だ。」
崇城の言葉に答える謎の声は若々しく、少し小生意気な雰囲気を感じる。
「君の名前は?」
「名乗る程の者じゃないよ。」
「お兄さんさ、最近来た人でしょ。能力とか教えてよ。」
謎の少年の頼みには少し裏がありそうだった。だが、崇城はそれに気づく程のキレた頭は持っていない。
「フッフッフ!我が能力の名は『強増力』!大地を揺るがす程のパワーを生み出す力だ!」
「へぇー、なんか地味だね。名前もなんか単純だし。」
・・・
崇城の顔は誇りに満ちた顔から真顔へとなり、名前を貶された影響か、崇城の周りの空気が沈む。
「ここまで、単純な人はそう居ないよ。聞かれたからって能力名と内容を正直に話しちゃう時点でもうダメだね。」
謎の少年は次々と畳み掛ける。
「その感じだと、氣とかも使えないだろうし、村での感じ。能力の応用もできてない。」
(へぇ?言い過ぎじゃない・・・?流石に泣きそう。でも落ち着け俺、ここは冷静に。)
「あのなぁ少年。そうやって初対面の人を貶すような事を言うのは辞めた方が将来の為だぞ。」
崇城の言葉はごもっともだ、しかし謎の少年には響かない。
「はぁ、お兄さんさ。言わせてもらうけど、お兄さん程バカな人初めて見たよ。」
「この世界はお兄さんがいた表の世界とは違う、価値観が違うんだよ。」
「僕が教えてあげる、この世界に居る人は全て能力者。」
「例外は無いよ。」
少年の周りが歪み出す、徐々に形をなすは三体の猿。
「行くよ『見聞言猿』。僕が叩き込んであげる。」
「バカとか単純とか、人が傷つく言葉は言っちゃ行けませんでしょ!!」
既に色々ボロボロな崇城と謎の少年が出す三体の猿の戦いが始まる。
To Be Continued




