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第10話 出発

 ─夜中の0時


「よっと。二人とも準備はできたかな?」


「はい!」

「はい」


「今回の弔来村へ行く手段は、なんと!僕が特別に能力で連れて行きたいと思います!」


 おお!デバーノ師匠の能力を知れるチャンスが来るとは!


「さぁ二人とも僕の手を握って!」


 崇城と千瞳がデバーノの指示通りに手を繋ぐ。


「行くよ、〈旅人の仮面(トラベラーアクター)〉。」


 デバーノが謎の仮面をつけると。一瞬視界が歪み、天と地が混ざり合う感覚に襲われる。空中水中、様々な感覚と共に視界が元に戻る。


「オッゲェ!気持ち悪いです・・・」


「慣れだよ慣れ。よし、着いたことだしさっさと行こうか。」


「崇城、立てるか?」


「一応・・・」


 千瞳は慣れた様子だが、初めての崇城はこの奇怪な感覚に相当のダメージを負った。


 弔来村。村というより、街の住宅街のような建物が多い。


「ええっとねぇ、ここかな。相変わらずよく分からない立て看板だ。」


 そう言うデバーノの指す立て看板には「戯言言う奴深爪の呪いにかける」と書かれた看板が置いてある。


「なんすかこれ?」


「依頼主は結構キツイ性格だから、気をつけてね。」


 デバーノが入っていったお店はまるで、骨董品店のような雰囲気を醸し出している。


「皆も早く入って入って。」


 二人が入ると小柄なおじいさんが凄まじい剣幕で叫ぶ。


「デバーノ!遅いぞ!2分遅れているぞ!」


「たかが2分だろ、おじいさん。」


「今回は急用なんじゃ!あん?お前が言っておった二人とはそいつらのことか?」


「あぁ、大丈夫だよ。なかなかレベルが高いから。」


 二人の話が一旦終わる。


「崇城君、紹介するよ。このおじいさんが今回の依頼主。通称呪い文おじさん。」


「なんで呪い文って言われているんですか?」


「能力がねぇ、これまた趣味が悪いのよ~。」


「なんじゃと?」


「簡単に言うとね、おじいさんが書いた文字には呪いが宿り、その呪いが宿った文字を読むと呪われる。ただしかし、その呪いが厄介なんだ。」


 デバーノが千瞳をニヤリと見つめる。


「はぁ、昔に師匠宛の手紙を間違って見てしまったことがあってな。その手紙が呪いの手紙で、1ヶ月間オナラが止まらなくなる呪いをかけられたことがあるんだ。」


 千瞳が少し恥ずかしそうに言う。


「たちが悪い呪いばっかかけてくるから

ね、しかも簡単には呪いを解くことはできないし。」


「ふん!若造には遅れは取らんさ!」


 ─話が本題に移る。


「デバーノ、依頼内容じゃがな。最近わしの孫の小学校に不審者が現れるのじゃ。」


「不審者?不審者程度なら別の連中の方が頼りがいがあるだろうに。」


 この世界に小学校ってあったのか。じゃぁ中学とか高校もあるのかな?


 ─おじいさんの激しさが増す。


「他の奴らは対応が遅すぎる!」


「わしの大切な孫が!危険な目に会うかもしれんというのに黙って見てられる程わしゃ!ボケてないわ!」


「わかった。んで、情報は?」


「そいつは小学校付近ので目撃されている、時間帯は夜中の0時から2時の間にと聞いておる。」


 なるほど!だからこんなに遅い時間なのか。


「よし、大体わかった事だし。行くとしよう。」


 ─デバーノが二人に向い話し始める。


「二人とも作戦を伝える。簡単だからよく聞きなさい。」


「まず、千瞳君は上空から偵察すること不審者がいれば必ず僕か崇城君に報告すること。」


「続いて崇城君は不審者が出るまで待機、もし不審者が現れたら即制圧できるようにすること。」


「師匠は今回も不干渉ですか?」


「え?師匠はなんもしないんですか?」


「そうだよ、こういう機会に君達を鍛えることにしてるからね。僕が出るとすぐ終わっちゃうから。」


 話が終わり、店の外に出る。


「よし行くよ二人とも!Let's go GO!!」


 掛け声と同時に千瞳は能力を使う。


「模技-梟・夜目飛翔!」


 千瞳は上空から梟の目を活用することで広範囲の視野と暗闇を見ることができる。


(俺は役割は制圧、初の戦闘実践かもな。)


「よし!いつでも出てこい!」



to be continued

千瞳は呪いの影響で少しの間に笑い者にされていました。

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