表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乙女達よ、エデンを壊せ  作者: 結城らい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/3

第3話 カーリー海賊団

 風が出てきた。追い風だ。

 これで正面から会敵出来れば理想的だ、とラクシュミーが考えていたところで、物見台から鐘を鳴らす音が聞こえてきた。


「見えました! 三隻! カーリー海賊団です!」


 先ほどから船影は見えていたが、旗印まではわからなかった。肉眼で確認できる距離まで近付いたことで、相手がカーリー海賊団であるとわかった。


 いよいよだ、とラクシュミーは剣の束を握り締めた。

 決戦の時が来た。


「全速前進! あいつらの船の間に入り込むよ!」

「姉様、でも、それでは、挟み撃ちにされてしまいます」

「いいんだって、カイラ。うちに任せな」


 ラクシュミーはニッと笑った。自信に満ちた笑顔だ。


 やがて、ラクシュミー海賊団の船は、カーリー海賊団の船と船の間に滑り込んでいった。

 たちまち、左右から矢が雨のように飛んでくる。ラクシュミー海賊団の船員達は、盾を構えて、ひたすら防御に徹している。

 矢による攻撃が尽きたところで、ラクシュミーは指示を出した。


「マヒ! ネハ! 頼んだよ!」


 マヒとネハの双子の姉妹は、すでに水着姿になって待機していた。その両手には、ハンマーや木挽き鋸、ノミ等の木を削るための工具が握られている。


「りょーかいです!」

「です!」


 二人は揃って返事をし、海の中へと飛びこんだ。


 それと同時に、ラクシュミーは三隻ある敵船の内、真ん中の一隻へと飛び移った。恐るべき跳躍力だ。まさか板もかけずに乗り込んでくるとは思っていなかったか、カーリー海賊団の船員達は、一瞬怯んでしまった。


「姉様⁉」

「もう一隻のほうは頼んだよ、カイラ!」

「え? あ! は、はい! わかりました!」


 指示を受けたカイラは、もう一方の船に対抗すべく、ラクシュミーに代わって指揮を執り始めた。


「さーて、久々に大暴れしちゃおっかな」


 剣を構えたラクシュミーは、嬉しそうな声を発する。

 カーリー海賊団の船員達が雄叫びを上げて襲いかかってきた。やはりこちらの船も、構成員は若い女子ばかりだ。


 ラクシュミーは豪快に剣を一薙ぎした。風を切り裂く音が聞こえるほどの勢いだ。敵の船員達は、ある者は驚いて後退し、ある者は持っていた剣をはたき落とされてしまった。


「あっははは! たーのしーい!」


 無双の時間が始まった。ラクシュミーは敵船の中を縦横無尽に駆け回り、次々と、敵船員を無力化していく。全員、斬って捨てるまでもない。剣をはたき落とすか、急所に蹴りを入れて昏倒させるかで、生かしたまま倒してゆく。


「あんた、いつから、そんな生ぬるい戦い方するようになったんだい」


 貫禄のある女の声が、頭上から降ってきた。

 ラクシュミーが見上げると、物見台に、一人の女が立っている。

 いつでも海に入れるよう常に水着姿の軽装なラクシュミーとは対極的に、相手の女は、金銀赤白の刺繍をちりばめた豪奢な衣に身を包み、全身に高価な宝飾品をまとっている。

 あれこそが、派手好きで有名なカーリー海賊団の頭領、カーリーである。


「そんなところにいないで、降りてきなよー!」

「言われなくてもそうするさ」


 物見台から飛び降りたカーリーは、ラクシュミーの目の前に着地した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ