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グロ耐性無い殺人鬼ちゃん!  作者: らゐをふ


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3/4

ターゲット3、「エメ」

下品な言葉が飛び交いますが、そういう話なのだと思います

「お姉ちゃんおかえり!」

 吐き気が治らない様子を見て肩を貸しながらゲロ女を案内されるがまま家に送った。出迎えてくれたのは俺の「あの」料理を食べたであろう妹だった。

「また私の為にグロッキーになっちゃって…いつもありがとうねお姉ちゃん それとマネージャー…」

 妹と目が合い、無理矢理に笑顔を作る。妹は勘違いに気づき、焦るのと知らない男が居た事に対して驚きと悲鳴の混ざった中途半端な声を上げた。

「だだっ誰ですかあなた!?お姉ちゃんの介抱ありがとうございます!?」

 慌てながらも感謝する出来た妹だ。その点、俺を白い目で何かを訴える姉は一体…。

「もう吐き気も治った 感謝する 帰れ」

「それがお世話になった人に言う態度か!?」

「これからもっとお世話することになるのは私の方だ!今日は一先ず帰れ!」

 お世話される事に…なるな、そうだった。俺はこいつに雇われている料理人という扱いで、この関係がなければ金欠無職になってしまう。複雑ながらも納得し、玄関から出ようとする。

「まぁ…悪かったよ 後で説明はするから 今日はありがとな」

 予想外の感謝に胸がまたときめいた。こんな暴力サイコパスゲロ女に恋の感情を抱いているのか。考え直せ俺!


 長かった初仕事を終えて、枕を抱きながら今日を振り返る。変な肉、人殺し、そいつが変に可愛く見えてしまう。挙げるとキリが無い。最後に関しては自分の問題だけど。俺の好きなタイプってああいうのだったのか勘弁してくれ…。

 そういえば流れとはいえ、俺の料理を食べてくれた妹には会えた。姉よりもしっかりしてそうだけど、万人受けしそうな可愛らしい子だった。姉よりも身長が高くて、髪が…赤かった。

(あれは返り血とかか!?姉妹揃ってヤバい奴!?)

 一瞬そう考えたが、返り血であんなに綺麗に染まるわけがない。でも髪が赤いなんて中々のインパクト、相当やんちゃか訳アリか。

 考える事が多すぎる、明日も会えるんだし今は休もう。寝るまでに賑やかしとしてテレビをつけた。音楽番組か、寝るまでに丁度いいなと眺めていると予想外の人物が登場し、飲んでいた牛乳を吹いた。

 髪の赤い、先ほど見た顔の人物がアイドルとして歌っていたのだ。


(俺の料理をアイドルが食べている なら体力がつく様に必要な栄養を…この肉邪魔だな!)

 例の臭い肉を切りながら料理に奮闘する。俺の性分として食べる人が喜ぶ料理を作ること、相手の輝いている姿を見てそれを応援したい。その為の料理と考えるとやりがいが湧いてきていた。

「頑張ってるみたいだね」

 あっ暴力サイコパスゲロ女。

「今変な名称で呼んだだろ!」

 痛くない拳が飛んでくる。人の心を読んで暴力とか本当に何者なんだよ。

「昨日はその…ありがとな 私昔っからグロ耐性だけは無くてね」

 暴力サイコパスゲロ女は落ち着いた口調で自己紹介を始める。

「ただ料理を作ってもらって上手いこと距離を縮めず奴隷の様に使いたかったんだけど」

「あんな事に巻き込まれて奴隷で居られっかよ」

「だから説明しないといけなくなっちゃった とってもめんどくさい」

 そう言うとボウルに入っていた玉ねぎを手に取り、慣れない手つきで切り始めた。

「どこから説明するかな まず私は耐性無いのに人を殺す仕事をしていてね」

 どストレートな説明に危うく指を切りそうになる。

「殺人鬼だ…グロ耐性無い殺人鬼…」

「殺人『鬼』じゃない!皮肉めいた名前つけるな!私には『エメ』って言うどうせ似合わない可愛らしい名前があるの!」

 この暴力サイコパスゲロ女の名前は「エメ」だった。可愛らしいかは置いといて本名なのかが気になった。ここは日本だし漢字が想像出来ない。キラキラネームとかいうやつか。

「この名前はマネージャーから貰ったんだ 本名なんて忘れちゃった」

 どうやらかなり深めの理由がありそうだ。あまり深入りせずに聞ける話だけ聞いておこう。

「マネージャーが居るって事はお前もアイドルの一員って事か?」

「私にあんなキラキラ似合わないよ どうしてもって時のピンチヒッターみたいな?」

 エメが歌って踊る姿、ちょっと気になってきた。あの暴力か吐いてるかの女が客を夢中にさせている所は非常に興味がある。

「今はアイドルとして活動してる訳じゃないの」

「妹にはアイドルとしてのパートナーが既に居るからね 私は姉としてあの子を支えたいんだ」

 意外にもちゃんと姉妹愛がある、人間味溢れる良い奴だった。尚更殺人をしている理由がわからない。

「玉ねぎ切り終わっちゃった みじん切りで良かった?」

 良くなかった。話に夢中になってくし切り予定の玉ねぎはまるですりおろされた様なみじん切りになっていた。

「にしても玉ねぎ切ってたのに涙あんま出ないや 何かしたの?」

「玉ねぎって冷やしてから切ると涙が出にくいらしくてな 結構効果あるから自然と冷やしちゃってる」

 「へー…」と俺の料理に関心しているのを横目にこのおろし玉ねぎの使い道を考える。肉に漬ければ柔らかくなるし臭みもマシになるだろうか。

「そういえばこの肉って結局なに?」

「それ?君の店長だった人だよ」

「へー… ん?えっ!?」

 なんということだ。今玉ねぎに漬け込んだ肉は『人肉』らしい。

猟奇的な物語になってますね。下品ってそういう方向です。

予定しているこれからも結構下品かもです。楽しんでいって下さい。

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