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鳥籠の天使  作者: ヤック・ヤッグ (話数溜め中)
第1章 魔王の目覚め
8/10

第8話 筋肉、凡人、画皮、探求、悪魔

兎崙が天灯について行き、

特にやることがなくなった僕は、

まともに話せる人が彼女しかいないことを憂いながらも、

昼休みの終了を告げるチャイムの鳴り響く中、

自席に座りながらボーと、

グラウンドを走り続ける二年生達を見て暇を潰していた。

こうして1人ボーとしていると好奇の視線がチクチクと肌に刺さる、

入学してしばらく経つが未だにEランクの人間が、

ここにいることに色々と思うところがあるものがあるようだ。

彼女と話してるとさほど気にならないが1人になると分かりやすい。

多分経験則上もし僕が誰も仲間がおらず一人ぼっちだったのなら、

そのうちいじめに発展するのだろう。

そう考えるとなんだか背後がガラ空きなのが怖くなってきて、

居心地も悪くなってくる。


「よっ!」


自分の世界に浸っている僕そんなアニメみたいな甲高い声と共に、

いきなり背中を押され危うく金属製の窓の縁に顔をぶつけそうになる。

声を聞かなくてもこんなことしてくるのなんて1人しかいない。


「たっく、いきなり押すなよ。

天灯とはもういいのか?」

「うん、もお終わったよー」

「そうかい……」

「…?、どしたん元気ないね…さては妬いてるなぁ…!」

「まさか。

そういうお前こそ、

そんなこと聞くなんて珍しいな。

なんだ、僕が引き止めなかったのがいやだったか?」

「そんなわけないじゃん!」

「だろうな」

「…次の授業なにぃ?」

「古文」

「ゲェ、古文マジかぁ」

「お前本当に苦手だよな古文。

あの教師厳しから早く準備したほうがいいぞー」

「はぁーい…」


そう言い兎崙は少し項垂れながらも授業用の道具を取り出し席に着く。


本当に不思議なものだ先ほどまであんなに居心地が悪かったのに、

彼女が近くにきただけでどうでもよくなってしまう、

…たまに自分でも自分のことがわからなくなる時がある。

僕は僕を知らない。


ーーーしばらくしてからチャイムと共に真っ白な髪をした、

渋い顔ほ初老の男が教室に入ってくる、

初老の男が教卓につき背後にある電子黒板をいじり、

古文に関する画面に切り替わるのを見計らった、

日直がの号令と共に授業が始まるのだった。


⬛︎⬜︎⬛︎⬜︎⬛︎⬜︎⬛︎⬜︎⬛︎⬜︎


数日後の、

高層ビルの立ち並ぶ都心部の一室。

獣の巣のような薄気暗い部屋の中()()()は居座っていた。

1人は前髪の右横あたりが一部青色で染められた黒髪の青年で、

カフェにあるような背もたれのないクルクルと椅子に座り、

1人は白い髪に白い髭を生やし時代遅れの紳士服を着た老人で、

一度座ったら再び起き上がれないようなクッションの上いる、

1人は丸メガネに黄色いジャンパー着込んだ20代後半ほどの男性で、

薄気味悪い部屋の中パソコンから一際目立つ青白い光を放ち、

手慣れた手つきでキーボードを打って何かの作業をしている、

1人はパッとした特徴のない黒髪ショートヘアーの少年で、

壁に寄りかかり腕を組んで目を瞑り、

ただ沈黙をして影に埋もれている。

1人は鍛え上げられた肉体が薄暗い部屋の中でもよく目立ち、

他の男達とは違う暑苦しい雰囲気を放っていた。

そんな異様な空気の中に飲まれそうになる男達が2人、

兎崙や桐幸を付け狙っていたチンピラ達であった。

そんなチンピラ達から届いた()()()を、

背もたれのない椅子に座った男はじっと眺め、

その内容を噛み砕いて口に出す。


「ふーん、何度も挑戦するが逃げられ、

やっとこさ追い詰めたとおもったら、

()()()()()()奴に介入されて取り逃す。

なんとかそいつについてを調べ上げ、

彼女を捕まえるのに使えると思いつき、

付け狙うが訳のわからん攻撃により気絶し、

()()取り逃すと…」


威圧感を与えるためか所々を強調した喋り方をする青年だったが、

その声は穏やかで落ち着いており、

それが逆にチンピラ達に不気味な感覚を与えていた。


「申し訳ございません()()()

しかし俺たちもただでやられていたわけではなくーーー」

「凄いよねぇー、

最近の医療技術って」

「?」


椅子に座った青年はチンピラ達の弁明をかき消すように喋り出す。


「だってさぁ、

部位の損傷の修復は未だ完全なものではないにしても、

早ければただの骨折で1日足らず、

全身複雑骨折でも1日ちょっと、

内臓損傷でも3日もあれば退院できちゃう」


「君たちだって3日で退院できたじゃないか」と、

氷の中にいるような錯覚を覚えるような冷めきった声で、

しかし喋り方だけは優しく明るく取り繕って青年話す。

一見すればただの世間話でしかないその話の裏には、

ヘマして入院をしたせいで重要事項の報告にすら3日も遅れてしまったことを責める意図が隠されていた。

その意図を理解したチンピラ達は南極の海に漬け込まれたみたいにブルブルと震え出す。


「た、確かに報告が3日も遅れでしまいましたが、

ですが協力者などの有益な情報を入手しましたし…」

「その情報、

ちゃんと()()を捕まえてたらいらなかったよ」

「え、えぇそれは…」


青年は声の波長を一切崩さず機械のように淡々と言葉を並べ追い詰める。

会話をしていたチンピラ達もさらに顔から色が消えてゆき、

悪手と分かっていても遂に黙り込んでしまう。


「…それで、どうすますイタ…ボス?」


椅子に座った青年は後ろを振り向き、

クッションでくつろいでいる老人に話しかける。

老人はクッションでくつろぎ誰とも目を合わせず上を向き、

白く伸びた髭をさすりながら薄暗い天井を眺める。


「うぅーむ、

とりあいずは色々と考えないとだな。

だから君たちはもう帰っていいよ」


男は声チンピラ達の顔も見ようとせず、

ただ上を向いて淡々と告げる。

その言葉を聞いたチンピラ達は一瞬でもどうするべきか迷いながらも、

これ以上は何をやっても無駄だと悟り少し会釈をし逃げるように部屋を出ていく。

チンピラ達が部屋を出る際に開かれた扉から光が差し込む、

ただのLEDライトの光でしかないはずのそれも、

影を照らす光ではなく、

影を生む光のように輝かしさのないようなものに見えた。

すぐに扉が閉まり再び部屋に薄気味悪い暗闇が訪れる。


「…さて、どうしたものかね」

「はっ!、そこらへんのやつに仕事丸投げするからツケが回ってきたんだろ」


少しの間部屋に沈黙が訪れたあと、

クッションに座った男が資料を眺め思考する男を冷やかすようにガタイの良い男が話しかける。


「全くだ、本当にダメだね。

少しめんどくさがって任せたらすぐこれだ、

前は全部自分で作戦立ててたのに、

最近は何かと面倒くさがってしまう、

歳かねぇ」

「はははやめてよね、

イタチくんが歳とか言っちゃっと同い年の僕も道連れ食らうじゃん。」

「ふふふ、なんとも奇天烈な会話だ」


ずっとパソコンをいじっていた男はその視線を変えぬまま、

パソコンをいじりながらもイタチ呼ばれた老人と青年の会話に入り込む。


「にしてもどうするんだい?

このまま彼女を入手できないのなら、

僕はこの協定から抜けさせてもらうよ」

「やだなぁ、

どうせ抜けた後にDGに通報するつもりでしょう?」

「そりゃあ僕もずっと疑惑背負ったまんまじゃあ、

満足に研究ができないからね、

いざと言うときはスパイとして潜ってたって口実を使わせてもらうよ。」

「ハッ!それを堂々と目の前で言うかね」

「…それで、何度も聞くけど本当にどうするのボス?」

「うーん、そうだねぇ、にしても彼女DG育成機関を隠れ蓑にしたか」

「技楽さんねぇ、あの人怪しい奴を見つけると、

自分の目の届く範囲で監視しようとしてくるからなぁ、

お陰様て研究が随分とやりにくくなったものだよ」


男はパソコンでの作業をやめ、

悲しそうに目線を上に上げる。

そんな男の反応を聞き流しながら思考していた老人は、

何か良い作戦を思いついたのか、

すこぶる楽しそうな笑みを浮かべる。


「…そういえばあの高校、9月にいいイベントがあったな」

「9月のイベント?…あぁあれか」

添華(てんか)、君もきてもらおう」

「あぁ?俺もか?」


添華と呼ばれたガタイの良い男は少し不満げな顔をするが、

どうやら初老の老人の方が立場が上らしく、

素直にその指示に従うことにしたようで諦めたようなため息を吐き出す。


「なぁに、別に大したことじゃないさ、

ただDGの連中の撹乱、

つまり()()()()()()()()()()()()

局長クラスの連中に会ったら無理せず逃げてもらって構わない。」

「局長レベルの連中からそんなにうまく逃げ切れるかねぇ」

「さぁ?君の引き際次第さ」

「…………あまりヘマはこかないでくれよ」


影に隠れずっと沈黙をしていた少年は、

その全くなかった存在感をあえて出し、

静かな声で笑うように話しかける。


「ふん、舐めないでほしいね。

伊達に[混沌時代]を生きていないんだ、

君なんかよりもよっぽど経験豊富さ」


初老の男は声こそ親しげだがその顔は嘲笑うかのようなものだった。

しかしそんな男に対して少年は「そうか…」としか答えず、

心底興味のなさそうなものでその反応に初老の男は少しつまらなさそうだった。


「まぁいい、さて帰るよ、作戦をもっと練らないとね。

楽しみだなぁ、せっかくだよさそうな()があったら是非ともつみたいね。」


初老の男はクッションから立ち上がり、

足を動かし歩き出すがその頭は作戦を考えることでいっぱいのようだった。

その後につき椅子に座っていた男と、

添華も後へ続いていった。

楽しそうな絵を浮かべて外に出る老人達を部屋に残った2人の男たちは、

視線を合わせず無反応を貫き通してきた。


「さて、この集まりは解散ってことでいいかな?

それじゃあ僕は下で助手を待たせてるのでね、

さようなら」


そう言いパソコンを特殊性の金属でできたアタッシュケースに入れ、

部屋を後にする男に対しても、

少年は無関心だった。


そうして、

この日を境に平和の歯車は鈍い音を立て始める。

どうも特に話すことのないヤック・ヤッグです。

今回堂々と過去最高経過日数の最速記録を塗り替えたのですが、実は第7話を作った時に既にこの第8話は完成していて、ただの作り置きなんですよね、なので大して僕が覚醒したと言うわけでないです。(悲しいかな…)

と言うことで今回の話でようやく敵役と言われるもの達が登場しました、話数にして8話、文字数にして約4000文字、物語によっては1話目から敵が明確になってるものがあることを考えると、結構な時間が経ちました、リアル時間で1ヶ月と13日ですね、毎日投稿がザラのなろうで考えれば、めちゃめちゃ遅い…はず。


一言言及のコーナー(まだまだ開拓中):信念があるなが敵役で、やられるためにいるのが悪役(自論)


投稿経過日数<25時間(過去最速投稿日数経過)>

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― 新着の感想 ―
おーやっと敵役出てきたかー 喋り方が全員似てて誰がどれだかわからねぇ 更新頻度最速おめでとー()
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