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鳥籠の天使  作者: ヤック・ヤッグ (話数溜め中)
第1章 魔王の目覚め
5/10

第5話 二進一退

少女を追いかけて人がギリギリ2人通れるかどうかの狭い通路の角を、

曲がって、

曲がって、

曲がりまくって、

たまに迷いかけて、

酔いそうになりながらもやっと少女たちに追いつくことができた。

その時少女は2人の男に回り込まれたらしく挟み撃ちにされ、

今まさに少女が男たちに捕まりそうなところだった。

事態は一分一秒を争う状況で、

僕はバックから水筒を取り出してから走り出し手前の男を、

背中から思いっきり蹴飛ばす、

いきなり背後から蹴飛ばされて驚きよろめいた男を強引に突破し、

即座に女性の手を掴んで走り出す。

少女はいきなりのことに声も出さず困惑していたが、

案外適用能力が高い様ですぐに素直についてきてくれた。

この時もう一人の男の目に水筒の水をかけ、

目潰しをして僕の顔を見えなくするのも忘れずに。

そうして曲がって、

曲がって、

ひたすら曲がって、

曲がりまくって、

男たちとの距離がある程度離れたと思ったところで、

僕は少女に能力を使い女性を上昇させる。

少女は「ふぃゃ!?」と腑抜けた声を出して驚いてる。

僕も女性の手を掴み一緒に上昇し、

道の壁となっていたビルの屋上よりも、

1mほど上に上昇したところで僕は手を離し建物に着陸し上を見上げる。

そうすると女性はまだ上昇している、

説明がなかったためか怖そうにバタバタと暴れている。

流石に説明すべきだったかな?

いやでも説明してる間に男たち来られるとまずいし。

そして少女が10mほど上昇すると太陽とぴったり重なり、

なかなか神々しく見える。

しかしそんな神々しさもすぐ終わり、

僕の能力の効果が切れ落下する。

それを僕がお姫様抱っこで綺麗にキャッチする。

流石にこれで落とすわけにはいかないので結構気を張っていた。

少女は一瞬フリーズしたかのように僕の腕の中で動きが止まっていたが、

即座に僕の抱っこから抜け出しそそくさと僕に深々とお辞儀する。


「えぇーと、

まずは助けてくれてありがとうございます。

私は、

芽多 兎崙(めだ うりん)と言います。」

「いゃ別にいいですよ、

それにしてもどうしてあんなに追われてたんですか?」


僕は下で兎崙さんを追っていた男達が急に消えた僕達に戸惑っているのを、

見ながら聞いた。


「それわぁ…」


兎崙さんは下を向きもじもじと言葉を詰まらせる。

あーこれマジであんまり深掘りしない方がいいパターンのやつだ。


「それじゃあ別にいいですよ、

無理して言わなくて。」

「ごめんなさい」


兎崙さんはペコリと頭を下げ謝る。


「じゃあ僕は人を待たせてるのでここで。」


別に誰かを待たせているわけじゃないが、

残念なことに僕のコミュ力ではこれ以上話を広げることができない。

だからここら辺で適当な理由で話を打ち切ることにした。


「あ、それではさようなら」

「…お大事に」


そう言い残し僕は他の人にバレない様に、

こっそりと非常用階段から降りたのだった。


⬛︎⬜︎⬛︎⬜︎⬛︎⬜︎⬛︎⬜︎⬛︎⬜︎


僕が去ってから少しして少女は改めて、

今起こった事態を整理し終えたらしく僕の降りた非常階段の方を見る。


「あの制服って確か…

ふ〜んじゃあ"同級生か"」


そうして少女は天から舞い降りた天使みたいな()()()()()を浮かべ、

その場を立ち去るのだった。


⬛︎⬜︎⬛︎⬜︎⬛︎⬜︎⬛︎⬜︎⬛︎⬜︎


ほのかに暑い夕陽に照らされ体を橙色に染めながらも、

家に着き扉を開けて中に入ると。


「お!、おかえり。

遅かったな!」


当たり前のように天灯が先に座りぽ●ぽたやきを食べている。

やっぱりいやがった。

ていうか相変わらずジジイみたいなお菓子の好みしてるな。


「たっく、

何で当たり前にいるんだよ」

「そりゃぁ、

お前が先に帰るのが悪いんだろ」

「ハイハイゴメンナサイ」

「心こもってねーぞ」

「面倒くさ〜」

「おい!

て言うかお前やっぱり合格したじゃんか!」

「あぁ、

合格しちゃったよ、

ハーゲ●ダッツが食べられなくって残念だ。」

「そこかよ、

それより合格したなら勿論くるよな、

高校。」

「…まぁな」

「いょっし!」

「ほらご飯できたわよ。

天灯君今日夕飯うちで食べてくの?」


母は蛍光灯でギラギラと照らされたキッチンからででくる。

歳に似合わずピンクの派手派手なエプロンをつけており、

正直みてるこっちが恥ずかしくなってくる。


「あぁはい、

どうせ親父帰ってこないだろうし」

「まぁ、冷める前にパッパと食うぞ」


その後母の作って料理を食べたのだが、

とても豪華な品々が並んでおり結局残りは天灯が家に持って帰ったのだった。


次の日、

僕は正直言って学校へは行きたくなかった。

ただそんなこと母に言えるわけもなく仕方なく僕は学校へ向かった。

僕が行きたくない理由は僕が試験に合格したことと関係している。

昨日の試験の合否は学校に張り出されており、

試験を見ていない生徒でもその結果を知ることができる。

だから僕が合格したことは僕のクラスのみんな(Fランクたち)は、

知っているのだろう。

あの試験はCランクレベルの強さが合格のボーダーラインになっており、

それより下のランクで合格したと言うことは、

そいつはそのランクから能力が進化しランクが上がる現象、

[再昇段]が発生した可能性が高い。

基本Eランクは皆虐げられているため、

Eランク同士で同族同士友情が発生する場合が多い。

僕の身近なもので言うとまさにこのE組だ、

Eランク以外に虐げられたものの中から、

Eランクを脱したものが現れたらどのように思うだろうか、

少なくともEランク以外ランクが全て敵の彼等からすれば、

突然仲間が敵になるのは心良くはないだろう。

勿論僕は能力の再昇段なんかなっていない。

ただそんな診断結果あるわけじゃないし、

あぁ〜どうしよう。

学校についた僕は教室までの道を歩いているが、

既に視線が痛い。

これがあの教室の中となれば………

ああダメだ何が起こるかわかったもんじゃない。


僕はできるだけ下を向き視線を合わせない様にしながら歩いていった。

他の学校にあんまりいったことないから他の学校がどうかは知らないけど、

この学校は学年ごとではなく、

ランクごとに教室の場所が分けられていおりEランクが1番上の階にある。

全部で5ランクで一回が職員室とかの事務的な部屋が多いため、

教室に行くまで六階登らなければならない。


(正直これ毎日登るだけで足パンパンになるんだよなぁ…)


僕は一階の階段の前に立ち少し呼吸を整えてから、

階段を登ろうとしたその時ーー


「ーーー桐幸君、」

「うぉ!」


いきなり背後から声がして少し飛び跳ねてしまった。

どうせ後ろを取る奴なんて1人しかいないだろうと思ったが、

声が野太くおじさん声だったので全く心当たりがなかった。

少し恐る恐る振り向くとそのにいたのはところどころが白髪になった茶髪で、

薄茶色の少しダボついた長袖の服を着て、

穏やかな笑顔を常に絶やさない初老の男性。

その見慣れた姿を見て僕は肩の荷が降りた安心感を覚えた。

この男性の名前は次李或 技楽(しきあ ぎら)

「教育局」局長にして、

このDG育成機関の中高の両校の理事長だ。

この人は理事長という肩書きを持ってはいるが、

生徒からの印象はどちらかと言えばノリが良い新任の先生みたいな、

そんな気軽な感じの人でランク関係なく、

全生徒に好かれていると言っても過言じゃない人だ。


「あぁ技楽理事長、

どうかしたんですか?」

「ははは、理事長はつけなくていいですよ、

まぁ好きに呼んでいいですが。

…桐幸君、少々話しませんか?

担任の先生には私から言ってありますので」

「……?、はい、分かりました」


ヤベェな、なんかやらかしちゃったかな?


「…?、あぁそんなに警戒しなくていいですよ、

ただ雑談をしたいだけなので」


そう言い技楽さんは僕に背を向け歩き始めた。

わざわざ僕になんの様だろうか?


「…まずは試験合格おめでとう。

いやぁね、廊下を歩いてたんだけど、

君色々と噂になってたね。」


なるほど、それが僕と話す理由か。


技楽さんは腰あたりで両手を組み僕の前を歩き続ける。

技楽さんは教室の前をうろちょろしたり、

時々階段を登ったり、

学校中をひたすら練り歩いた。


その最中にもちょっとした雑談をするだけど、

その合間合間に僕へのフォーローが見え隠れし、

改めてこの人が教育者だと再認識する。


「すいませんね、僕のひとりのためにわざわざ時間を取らせてしまって」


会話と会話の間、

その隙間を縫う様に僕はそんな言葉を溢す。


「ははは、そのひとりのためにを1日一回繰り返していたら、

一年で365人、

2学年分位の人を見逃したことになりますからね。

……そういうの、どうにも許せない性分なんですよ」


技楽さんは腰入りで組んでいた両腕を解き、

右手の人差し指を頬へと持っていって頬をかく。


「桐幸君も月に一回でもいいのでやってみてください、

それだけども12人、

10年で120人も救えますので」


背中しか見ることができないけれど、

その顔が穏やかに小さく微笑んでいるんだろうなと、

想像できた。


「…ありがとうございます。」

「いえいえ、あなたたちこそが私の宝物ですので。」


技楽は振り返り僕の方を覗き込む。

やっぱりその顔には穏やかな笑顔が貼り付けられていた。


「…さて、すいませんね、こんなに引き止めてしまって、

まだ授業は始まっていないでしょうし、

ゆっくり歩いて向かってください、

くれぐれも廊下を走らないでくださいね。

まぁホームルームの始まっているこんな時間に、

廊下を歩いている人なんてあまりいないでしょうが」

「ありがとうございます!」


そんな声が少し大きめに言ってしまったせいで廊下にこだまする。


「えぇ、度重なって言いますが試験合格、

おめでとうございます。」


僕は技楽さんの温かい笑みを浮かべながら歩いて自分教室へ向かうのだった。


ーーー「……さてと、」


曲がり角を曲がり桐幸の姿が見えなくなったのを見て、

技楽は教室から話し声が漏れて騒がしいと静かの中間みたいな廊下を歩き、

理事長室の前まで戻る。

そうして扉のドアノブに手をかけ開けようとした時。


「随分あの小僧と話してたじゃないか?」


そんな野太い声が技楽の隣からやってくる。


「…なんだい票、

きてたのかい」


技楽はいつもと変わらない笑みを浮かべ声のした右側を見る。

そこには白い狼の様な被り物を被った、

大柄で屈強な体つきの、

白を基調とした華やかな袴を羽織った男が立っていた。

「医療局」局長、京研 票(きょうけん ひょう)


「たっく、俺がいるのは当たり前だろう。

誰があの試験の安全を保証して、

負傷した生徒の医療監督をやってると思ってるんだ?」


票は被り物のせいで少しこもった声を出しながら、

理事長室の壁に寄りかかる。


「あぁ、なるほど、

報告書か。

それくらいのことならわざわざ君がこなくっても、

部下に任せればよかったんじゃないのかい?」

「まぁ、お前のガス抜きも兼ねてな」

「僕の?」

「あぁ、だってお前はちょこちょこ裏で何かやる癖があるからな。

定期的に俺が聞き出しておかねぇーと、

報告もなしに勝手に案件片付けやがる。」


票は技楽の顔を見ず、いまいましそうな声で吐き捨てる様にいう。


「別にいいじゃないか、終わったことなら」

「…はぁ、悪い癖が出てるぞ。

それでどうだったんだ、あの小僧は?」


票の問いに対して技楽は「どうだったとは?」と、

頭にはてなの疑問符を浮かべる。


「お前がわざわざ個別で呼び出して話したんだ、

何かないわけないだろう。」

「…なぁに、大した根拠があるわけじゃない、

ただの感さ」

「それなら何かあるな」

「…書類は理事長室に置いておいてくれ、

私は少々用事があってね」


そう言い残し、

技楽はニタニタと張られた笑顔とを崩さず、

票に背を向けその場をさるのだった。

えぇーえぇーどうも、そろそろ二つ名に"遅筆"を入れようか本気で検討中のヤック・ヤッグです。

いやぁ投稿頻度が早くなると宣言した次の話で投稿頻度過去最低記録を、打ち出すのはもう才能の類なんでしょうね。

それで今回もなかなか多くのキャクターたちが出で来てくれました、ようやくヒロインの名前公開ということで、5話目にしてようやく登場とはなかなかに遅かったですね。

後あまりに投稿頻度が遅いので予防線を張っておこうと思うんですけど、僕がなろうを失踪する時はアカウントごと消すので、そこのところ覚えておいてください。


作品一言言及のコーナー(開拓中):技楽はガチで優しいよ!


経過投稿日数<5日>

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