第4話 序章の前踏み
少女にせかされ僕は入ってきた通路を辿り受付に向かった、
試験でできた擦り傷がズキズキと多少痛むが、
ワンチャン死んでたことを考えると全然マシだ。
そして僕はエントランスにつき生徒書を受付に提出した、
生徒書と言ってもプラスチック製のカードなのだが。
そしてその生徒書に進校のサインを受付でデート上でもらう形式だ。
受付の人も驚いた顔はしたが逆を言えばそれだげだった、
DGは意識改革で能力者の差別意識を軽減されているそうだ。
まぁそれでも根底的な差別意識はあるらしいけど、
僕は生徒書を受け取りそのまま僕が家に帰ろうとした時。
「幼馴染の試験は見なくていいの?」
音もなく突然背後から声がした、
試験終わりで少し肩の荷が降りたのもあり、
いきなり聞こえたその甲高い声に思わずビクッと少し跳ねてしまった。
ただ後ろの少女は別に揶揄ったりなどせず、
ただ突っ立って僕の返事を待っていた。
「お前背後取るの好きだな。」
「たまたまよ、
それでどうなの?」
「別に見なくていいよ、
僕でも合格できたんだ、
どう足掻いたってあいつは合格する。」
「…まぁそれもそうね、
でも試験くらいみたらどうなの?」
「カマキリが子虫を狩るのもずっと見てると飽きてくるんだよ」
「それ何目線なのよ…」
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場所は変わり先ほど桐幸のいた試験場。
ここでは今まさに天灯試験が行われていた。
ピーーーーーーーーーーー!!
耳を貫く様な音がスピーカーから流れ、
それを聞き終えるよりも前に天灯は右手を前につきだし、
指揮者の様に腕を前に払う様に振る。
その瞬間オートマトンは踏み潰された空き缶みたいにペシャンコなり、
まさに平べったい鉄の盤という表現がぴったりの姿になった。
オートマトンはやはりピクリとも動かずその場に無駄な沈黙が流れた。
「はぁ、
終わったぞー」
天灯はどうせこの映像見てる連中はワーワー沸いてるんだろーなーと、
そんなことをぼんやり考えながら心底つまらなそうに、
たまたま視界に入ったカメラに話しかける。
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場所は変わり控え室。
「ははは!、
秒殺だ!秒殺だ!秒殺だ!」
襲は心底楽しそうに左腕で腹を押さえケタケタと笑い、
右手で天灯の映し出された小さなパソコンモニターを指差す。
「うっせえ、
そもそもCランク上澄を想定して作ったんだから。
Aランク何て瞬殺に決まってんだろ。
て言うか、
あんな奴僕の一軍のメンバーなら秒殺だよ秒殺!」
途輪は頭をかきむしり元々限界のなかったキノコヘアーをさらに壊して、
襲とは対照的に心底不愉快そうに愚痴をこぼす。
「いや生徒は殺しちゃダメだろ…何言ってんだお前」
「こっ……いっ………つっ………まっっっじで……………ヌァーーーー」
襲はいきなり真顔になり心底軽蔑した目で途輪に冷ややかな目線を向ける、
それにより途輪は額にはち切れんばかりに膨れ上がった血管を浮かべ、
天灯の映し出された画面に飛び蹴りをかまし、
そのまま足が画面を貫通して画面に穴を空けたのだった。
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場所は戻りエントランス。
そこでは注目の生徒の試験がピックアップされ映し出される関係上、
大画面で天灯の中継が映し出されていて、
そこに映った天灯の試験映像見ていた記者や、
他の学生たちが天灯の圧倒的な実力に驚愕の声を漏らしていた。
まぁ驚愕というかプロのスポーツ選手の試合を見て驚くみたいな、
元々高かった期待の中で驚きたという感じだ。
「?、何だもう終わったのか」
星来と話しているも中背後から声が聞こえたが、
まぁどうせ天灯の試験が終わったから騒いでんだろ。
別に避けてるわけじゃないが天灯より早く帰るつもりだった僕は、
天灯の試験が想像以上に早く終わったことに他の人とは違う意味で驚いていた。
「流石は天灯!」
そして後ろにいる星来はと言うと目をキラキラと輝かせ、
このまま感動の涙を流すんじゃないかと言う勢いでモニターを見ている。
流石は天灯ファンクラブ会長こんなことで泣きそうになるなんて。
いやそれともこう言うのに慣れてる僕の方がおかしいのかな?
天灯の試験の衝撃にてんやわんやしているからか、
ほとんどの人が気づいていなかったが本来試験を終えた生徒の出てくる場所から、
明らかに生徒と違う女性が出てくるから出てくる。
その女性は一直線に桐幸の方に歩いてきて、
少し桐幸の背後に立ってほんの少しモジモジとした様子を感じさせてから、
桐幸に声をかける。
「………あのぉ、」
いきなり背後から聞こえた声にぼくはほぼ反射的に振り返る。
星来に話しかけられた時とは違う何か悪寒の様なものが、
背筋を走る感触があった。
そして振り返った先にいたのは濁った緑の髪に、
葬式に着て行くような礼服をきた静かな顔の19歳くらいの女性。
この人どっかで見たことあるな、
確かどっかのお偉いさんだった気がする。
て言うかこの人一切の気配がない。
さっき気配がなかった星来と比較しても、
なんかこう気配がないのが当たり前って感じだ。
多分この人には勝てないない気がする。
…?、
勝てない気がする?
いやいやいやいやぼく初対面(?)の人相手に何考えてるんだ!?
いつもならこんなこと考えないのに、
ダメだなまだ脳内麻薬が残ってるせいか思考が交戦的になってる。
それよりなんの用件だ?
「何か御用でしょうか?」
僕は癖だと言うのもあるがどこかのお偉いさんだとまずいので、
敬語で話しかける。
「人を探しているのですけれど」
「…?、どのような人ですか?」
「えぇーと、
男性で、
見た目は16歳くらいで、
自己中心的で、
喋り方が変で、
上から目線で、
そのせいでコミュニケーションが苦手で、
結構暴力的な人なんですけど……」
この人何事もないかの様にボロクソに言われてるなその人。
にしてもそんな人知らないなぁ、
そんな老害みたいな16歳あったら忘れない気がするし。
「そのような人は存じ上げませんね」
「………そうですか、
お手数おかけしました。
改めてご進校おめでとうございます。」
そう言って女性はくるりと体を回し元来た通路へと音もなく帰っていった。
なんなんだったんだろあの人、
なーんか変な感じなんだよなー、
会ったことあるわけでもないしでも初対面じゃない感じ。
「何だったのかね?
あの人って確か、
DGの警務局の最高責任者の柄恵留 世屡さんでしょ?」
星来は音もなく通路にさった女性をぼんやりと眺め不思議に問う。
「警務局って……
あぁ〜あの警察とか管理してる局か。
…しらねぇーよ、
そもそも僕もあの人とは初め話した…はずだし。」
「…?、変なの」
それはこっちのセリフだっての。
そんなこんなで僕は少しの疑念を残しながらも、
建物を出て家へ向かって帰った。
ワンチャン星来がついてくるんじゃないかと思ったが、
流石に思い上がりだったらしく天灯を待つらしくって別れた、
まぁこちらとしてもあいつと帰り道話が続く気がしなかったし良かったんだけど。
バスを降り小さなコンクリート製の商業ビルの立ち並ぶ道を歩いていると、
裏路地に通ずる道を見つけた。
道と言っても老朽化し始めたコンクリート製のビルとビルの間に、
たまたまできた様なビルを作って人たちも忘れてそうな隙間で。
その構造もアリの巣みたいに入り組んでいて、
これもその道の途中に割り込む形である道だ。
道とは言ったもののショートカットのコースに使おうにも、
聳え立つビルに邪魔され太陽の光が届かず昼だと言うのに、
薄気味悪い雰囲気を放つ暗い道だ。
ここらへんの道はあんまり使ったことがなく、
こんな薄気味悪い道があるなんて初めて知った。
怖いもの見たさで少し使ってみようかと考えていたその時。
その道の先に一瞬映り込む感じで少女が走ってくるのが見えた。
一瞬しか見えなかったが所々薄紫の混じった紫ショートヘアーが特徴的な僕と同い年くらいの外見の少女。
何だありゃと、
疑問に思っていると、
その少女の跡を追う様に大柄男2人が走っていくのが見えた、
速度は少女とトントンくらいですぐに見えなくなってしまった。
裏路地を走る少女とそれを追いかける男が2人、
それで何があったかは大体察した。
まだたまたま道がおんなじだけという可能性もあったけど、
見えた入り口から微かに「まちやがれぇー」という、
野太い男声が聞こえたのでほぼ確定だろう。
正直僕が助ける理由特にないが、
この後の少女がどうして逃げているのかとか、
もし捕まったらこの後どうなるかとかを考えたら、
目覚めが悪くなりそうだったので助けることにした。
そうして僕は薄気味悪い底なし沼の闇の中へと足をつけた。
どうも、今までで一番早く話を更新したと思ったら、4日たってたヤック・ヤッグです。
いやぁ正攻法じゃまず無理ですね、毎日投稿。YouTubeみてゲームしたら1日消えちゃってますよ。
本当はこの話でヒロインさん出す予定だったんですけど、文字数的に次の話になりそうです、次の話こそは記録を更新したいところ。
この話に関してはあまり話は進みませんでしたが、その分伏線をいっぱい張れたので、個人的には結果オーライなイメージです。
まぁこの作品は僕の中でとっくの大昔に完結してるので、次の話にメインなヒロインさんも来てくれることですし、そろそろ本格的に伏線を張っていきたいですね。
さぁてここで問題、僕は今まで後書きで何回ヒロインと言ったでしょう!
答えは適当な話にコメントしてね!(露骨なコメ稼ぎ)
作品一言言及のコーナー:ちょい見せで終わってごめんねヒロイン!




