第3話 試験開始!
家を出て少しバスに乗りDG育成機関の生徒などのDG関係者のみが行ける、
DGの所有地であり今回の進校審査の試験会場である、
[擬似夢街]と言われる場所についた。
街と名前が付いてる通りまた一つ分くらいの巨大な面積に、
幾つにも区画されたエリアがありその間をまた専用のバスに乗って移動した。
「でっけ〜」
進校審査の会場につき初めにそんな上京した手の田舎者みたいな出た感想がでた。
試験会場の建物は大きさも見た目も僕が住んでいる場所の建物とは、
一線をかくすほどに異様文明の違いを見せつけるかの様な、
くねくねと曲がった歪な形をしており、
僕の住んでいる街も都会のはずなのだが、
こんなに時代を先取りした造形なものは流石に立っていない。
「ふん!
こんなんでいちいち驚いでたら日が暮れるわよ!」
いきなり背後から声がして慌てて振り返ると、
僕の背後に星来がおり両手を組んで突っ立っていた。
流石はお嬢様というべきかこういう建物には慣れてるらしい。
ていうか本当にいつの間に背後にいたんだよ。
「と言うより何のようですか?、
天灯の件でしょうか?」
僕の口調はもはや癖になっているらしく無意識的に丁寧なものになる。
「…しなくていいわよ」
「?」
「別に敬語じゃなくて良いわよ、
むず痒いし…」
「そうか…」
「適応早いわね!」
「まぁまぁ」
にしても驚いたなぁ、
まさかゴジラにやられて「ツン」に「デレ」が微量ながら追加されるとは、
これはゴジラのせいなのかそれとも彼女自身に何かあったのか?
「何よ、そんなにやけた面して」
「?、そんな面してた?」
「え、それ無意識…あんたってもしかして結構キモい?」
「あぁそういうのとんとも前で言わない方がいいよ、
前はんなこと言ったやつが天灯に"タワーブリッジ"されて病院送りにされてたから」
「多分こういう系の小説読んでる人で伝わる人少ないと思うわよ"タワーブリッジ"。…ていうかそれより私がここにいるのは当たり前でしょ!
今日は進校審査なんだから!」
「あ〜そっか!」
そんな事を言って僕と星来は歩いて建物の中へと入った。
建物の中もこれまた外観の形にそる様にグネグネと歪で、
なんかの建築法に引っ掛かってそうなほどであった。
目の前には壁に埋め込まれる様な感じでフロントがあっり、
ホテルのエントランスの様な雰囲気と言えばわかるだろうか?
そしてその隣で何やら大きな人だかりができている。
「何かしらあれ、
記者?」
「あ〜ありゃ真ん中にいるのは天灯だな」
「よく分かるわね」
「なんかイベントがあるたびにあんなんだったから大体察しがつく。
ありゃ天灯の試験の番になって記者たちが退かないと、
近づくこともできないな」
「えー本当ー、
…はぁ、仕方ないパッパと受付して終わらせよ」
星来は少しがっかりとした様子を見せながらトボトボとフロントに歩いていった。
「それじゃあバイバーイ」
僕は手を振って別れの挨拶をしたが完全に無視された。
「まぁそんなもんか…
僕もパッパと受付受けますか!」
僕は少し屯した記者たちを眺めたあと、
受付をするためにフロントへ向かったのだった。
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場所は変わりとある控室、
そこには2人の少年少女と一人の女性がおり。
近くの机には何百枚もの生徒の情報が、
印刷されたプリント用紙が積み重なっていた。
「楽しみだなー、
強い奴にが出てくるとなー」
くるくると回る椅子に逆向きに座りながら少女がそう呟く。
少女はオレンジ色でボサボサなし髪をており、
いたいけな笑顔でできた口からは犬歯を覗かせており、
紺色のマントをつけており服装もそれに寄せるかの様に紺色で統一されたものだった。
こんな子供でもDGに存在する5部門の一角、
軍事力を司る「戦闘局」の局長、
煌亭 襲なのである。
「どーでもいい、
て言うか審査様に破壊前提の"自動兵装人形"を、
200体作れって多すぎだろ!
過労死するかと思ったわ。」
もう一人の少年が、
愚痴を漏らす。
少年の見た目は藍い髪色に、
ボサボサに崩れほとんど原形をとどめていないキノコヘアーで、
所々に濃い青色の水玉模様。
服装は襲と同じ紺色で統一されたものだったが、
襲の違いマントを全身を隠す様に巻きつけ、
美容院で髪を切るときの体に髪がかからない様にするためのアレの様な感じだった。
そしてこの少年も、
「技術局」局長、認行 途輪である。
「………………………………」
もう一人の女性はただ沈黙し正しい姿勢で前を向いているが、
どこか過去を見ているような目をしている。
見た目は濁った様な緑色髪色ののロングヘアーに、
葬式に行くような礼服を着ていて頭には顔を隠す様な形で、
半透明な布で過去を隠しており上品に椅子に腰掛けている。
「警務局」局長、柄恵留 世屡
「…………………そろそろ試験のお時間です。」
礼服の女性は立ち上がりそこら辺の空間を見つめ呟くようにいう。
その声に釣られて2人も立ち上がり扉へ向かう。
「さぁーて今日は何人合格するかな?
強いのがいるといーなー」
「はぁ、まぁ別に今回はAランクの人数も、
例年と大して変わらないしお前のお眼鏡に叶うやつはそんないないだろ」
「にしても今回Eランクは1人かー
少ないなー」
「こんなもんこんなもん」
そのように軽口を叩いて3人は部屋を出るのだった。
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この試験には二種類あり、
能力の有用性を示すサポート部門と、
能力の強さを示すバトル部門。
僕の能力はどちらかと言えばサポートなのだろうが、
この能力の有用性示せる自信がなく、
なんとなくワンチャンありそうなバトル部門にすることにした。
え?
雑すぎないかって?
いいんだよ別に落ちてもハーゲ●ダッツなんだら。
それでバトル部門の試験内容だが、
それは至ってシンプル。
推定ランクCランクの自動兵装人形の討伐。
その試験は別室にてDG最高幹部"局長"の3名の監視下の元、
試験が執り行われる。
また気絶、降参、自動兵装人形に捕縛される事が脱落条件となる。
にしても局長が3人もいるとは流石に豪華すぎないか?
局長って案外暇なのかな?
ちなみに今僕がどこにいるのかというと、
ムラなく均一に敷かれたコンクリートの地面の上に楕円状の壁に囲まれた、
小さな国立競技場の様な形と言えばわかるだろうか?
そしてその相対する自動兵装人形が今僕の目の前にいる。
そう、
今僕試験が始まる直前なのである。
オートマトンは3mくらいの巨体で鉄の甲冑にさらに鉄板を貼り付けたみたいな見た目で、
ギリ人の形を保ってはいるがお世辞にも人みたいとは言えなかった。
銀色の光沢を放つ顔の中心には目の代わりに、
一つの光の消えたランプの様なものがついていて、
手は円柱と円柱がいくつも繋がって蛇のようにウネウネと動きそうで足も異様に太かった。
「あーもうだめだなこりゃ、
勝てる気がしない。
て言うかそもそも僕の能力でどうやってこの鉄人形を壊せと?」
なんてゴタゴタ考えていると、
「はーい、それでは審査を開始しまーす!」
なんて係員の女性の声が天井にかけられたスピーカー越しに聞こえてきた。
僕みたいなEランクが誰かの期待を背負って試験に受ける、
本当に居心地の悪いことだ。
「はぁーまぁやるだけやるか」
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試験が始まる数分前別室、受験者控室にて。
試合の会場の映し出された画面見つめるものがいる。
Eランクの試験なんてものを見る物好きは大体は無様にやられる様を見て、
優越感に浸ることが目的の様な輩がたまにいるくらいで、
なかなか見る様な物好きはいないのだが、
彼はそんな目的など持たずその画面を見る。
その画面の先に映し出される少年の勝利を確信しながら。
「桐幸の試験始まったわね」
その男、天灯の後ろから星来は声をかける。
「桐幸呼びとはお前随分と仲良くなったな」
「別にどうでもいいでしょう、
どうせあいつは試験落ちてもう会わないんだから。」
星来は桐幸と自動兵装人形の写しだれた画面を眺め、
ため息混じりにいつも通りの口調で話す。
「おいおいなんで桐幸が落ちる前提なんだよ」
「そりゃーそうでしょ、
歴代のEランクの合格者なんて片手で数えられるほどしかいないのよ、
それに彼の能力だって、
制限が沢山あってあまりにも能力を使った行動が制限されすぎてる。
戦闘にもサポートにも向かない、
あってもなくても変わらない程度の能力よ。」
星来は自分の感想を一切包み隠さず告げる。
「散々な言われようだなぁ!
まぁでも確かに桐幸の能力が弱いのは否定できないんだよなぁ、
でも多分あいつはいける」
天灯の目に曇りはなくそのことをただ確信していた。
「なんでそこまで言い切れるのよ」
「…俺ってな、
ちょいちょいあいつに無茶振り押し付けてんのよ」
天灯は桐幸と自動兵装人形の映った画面を眺めながら、
昔話をする時の様な懐かしんだ遠い目をする。
「それでは最初はただの悪ふざけで出してたんだけどな、
あいつ、今までの無茶振り全部成功させてんだよ」
「ふぅ〜ん」
天灯は星来の心底つまらなさそうな反応に驚きと不満げな顔をし振り向き星来の顔を見る。
一瞬目があった星来は反射的に顔を逸らす。
「おいおいそこは「ましで!」ってなるところじゃないの?」
「いやだって無茶振りって言われてもよくわかんないし、
それに私的には天灯君以外…どおでも…いいし…」
星来は最後の方は人差し指をつきあいモジモジしながら話す。
「はぁーーーーよくわかんねー」
こんな光景も天灯にとってはいくらでも見てきた日常風景なので、
特段何か感じるものがあるなどはなく興味なさげに、
またモニターへと視線を移す。
がんばれ星来!
負けるな星来!
いつか報われるはずだ!
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「ピーーーーーーーーー!!!」と耳を貫く様な高い音がスピーカーから鳴り響く。
その音を合図にオートマトンの顔のランプが赤く輝き、
ギシギシと音は立てながら動き出し僕に掴みかかろうとする。
僕はそれを後ろに飛んで慌てて躱し、
その後の追撃のつかみも全力ダッシュで距離をとり逃げ切る。
いきなり動き出して焦ったが幸いこのオートマトンは腕の動きは速いが、
移動速度は遅めなので距離を離すことは容易だ。
そもそもこの試験のルールの都合上このオートマトンが、
試験を終わらせる方法は捕縛しかなく、
必然的にこのオートマトンの攻撃は全て掴み攻撃になると思うため、
おおよその行動が読め距離が縮まっても避けやすい。
そしてオートマトンが掴みかかるために手を前に出したタイミングで、
僕が走ってそのオートマトンの背後に回ろうとした時、
その手が綺麗にUターンして僕を掴もうとしてる。
「ヤベッ」
僕は咄嗟に後ろに跳んで下がりその掴みを紙一重で回避する。
そこからさらに間髪入れずつかみの連続攻撃が来たので、
僕は仕方なくオートマトンから再び距離を取る。
「マジでこれどおするんだよこれ、
僕じゃ倒せないんじゃないの?」
ただこのオートマトン流石にこの装甲を破壊しろって、
単純な力だけを図るものじゃない気がする。
そもそもこの歳の学生で鉄の装甲をぶち抜ける能力者なんてそれほど多くない、
だからその場合突破方が単純に力で破壊するだった場合、
逆に生徒が絞れすぎてしまう。
だからどこかに弱点の様なものを作っているのではないだろうか?
授業でほんの少し触れられたオートマトンの情報的に考えて、
弱点にするならオートマトンの中で一番柔らかい、
[起電源核]ではないだろうかという結論に至る。
普通なら装甲の中に隠されてるだろうけど多分どこかに露出しているはずだ。
僕はオートマトンを中心に周りをぐるりと周り良く観察をする。
そうすると頸のところにピンクに光る円球が半分だけ飛び出しているのを発見した。
「あれだ!」
僕は走り幅跳びの要領で大きく跳び、
オートマトンの背中に捕まってゴツゴツとした装甲を足場にして、
首に辿り着き首に足でガッチリと挟み込み自分の体を首に固定する。
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別室にて、
1人の女性と2人の少年少女の3人が今執り行われている、
試験の映し出された大量のモニター中で桐幸の試験を画面越しみ見ている。
「ふーん、
あのEランク僕のオートマトンの弱点に気づけたんだ。
まぁわかりやすいところに置いたし流石に気づくか」
オートマトンを作成した少年は大して興味もなさそうに、
他の試験を受けている生徒の画面に視線を移す。
ただその隣で逆向きに席に座る少女は、
ただじっと桐幸の画面を見つめている。
(……?、魂が2個?いや2.5個か?)
そして少女は美味しそうな獲物を発見した猛獣の様に、
ニヤリと大きな笑みを浮かべた。
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場所は戻り会場、
僕はオートマトンの首にまたがりその体にしがみつく。
オートマトンは手をバタバタさせて何とか僕を掴もうとするが、
ギリギリ腕が曲がりきらず僕に届かない。
多分あえてこの場所を安全地帯にしているんだ明確な弱点にするために。
だからここにいればとりあいずオートマトンの攻撃が届くことはないはずだ。
「…とは言え、
どうしたもんかね」
頸のこの起電源核を壊せばいいんだが、
そう簡単な話じゃない。
「オラァ!!」
僕は力一杯頸の起電源核を殴るが、
それは「ゴン」という淡白な鈍い音を立てるだけでびくともしない。
「痛って!
流石に最低限の破壊力は求めてくるか…」
ご丁寧にこの周りに分厚い強化ガラスが覆う様に貼られてる。
「他にもカメラがあったりする近辺も分厚いな」
こんな装甲勿論何万発殴っても壊れないだろう。
「結局攻撃力か…」
この能力「上昇」が、
Eランクの最大の理由、
それはそのルールの多さ故のできる事の少なさ。
自分で一度かけた能力のON、OFFが切り替えられないのがその大きな理由、
これのせいで自分に能力をかけて上昇、
なんてこともできない。
だって自分が効果範囲内の中心なので、
どれだけ上がっても効果範囲から抜け出せず、
一生上昇し続けてしまうからだ(怖くて試したことないけど)
………ん?
無限に浮遊?
待てよこれ僕がこいつに乗った状態で能力使って上まで持ってって、
その高さを使ってこいつを叩き落としたら、
こいつ落下の衝撃に耐えれないんじゃね?
そう思った刹那、
オートマトンは会場の壁に向い走り出した、
多分背中を擦り付け強引に僕を引き摺り落とそうとしているんだ。
僕はそのことに気づき慌てて首から飛び降りる。
何の準備もなく飛び降りたものだから着地に失敗して体に少し擦り傷ができるが、
まぁあのコンクリートの壁でやすりされるよりかはマシだろう。
たださっきの案は多分僕が思いつく限り一番可能性があるはずだ、
ただ能力はそう連発できるものじゃない、
能力を使えばそれだけ体内のDHを消費する。
DHを消費すれば能力が使えなくなるだけじゃなかって、
全力ダッシュしたときみたいにメチャクチャに体が疲れる、
今この状態でそんなことになったらほぼ確実に掴まれるだろう。
そして多分感覚てきにこのデカいのを、
スクラップにできるくらいの高さまで上げるとなると、
今の僕じゃあできて一回の一発勝負。
上昇中に振り落とされたりだとかそんな失敗をしてしまったらもう終わりだ、
自ずと心拍数がバクバクと上がる。
「全く、失敗しても良いってのに何でこんなに緊張するだかねぇ」
ただ、
失敗しても良いからこそ、
全力でいく!
覚悟を決めた僕は僕は背後に回りやすい様にオートマトンを誘導し、
ぐるりと回り込みまた首に飛び乗ろうとするが、
オートマトンは僕を追いかける動作を中断してでも、
強引に僕の方向に体を向け背後を取られない様にする。
(マジか、
学習能力ちゃんとある感じね。
うーん、それなら)
僕はあえてオートマトンの真正面へむかう、
オートマトンもそんな僕と突撃してるんじゃないかという勢いで、
どしどしと豪快な音を立て僕のもに近づいてくる。
そして僕とオートマトンの距離がある程度縮まると、
オートマトンは蛇の様に長い腕を2本クネクネと伸ばし僕を掴もうとする。
僕はそれを一歩下がり避けて、
素早く前に再び走り出しその腕の上を走りオートマトンの首へ向かう。
意外にもクネクネとした腕は大きな鉄の塊なおかげか意外に安定していた、
ギリギリ落ちそうなのを全力で走り誤魔化して着実に向かう。
一瞬小学校の時に体育で乗った平均台の感覚を思い出す。
そうしては僕は肩の辺りにきたところで、
首につかまりながら勢いよく首に飛び乗り、
また壁に擦り付けられない様に即座に能力を発動する。
そうすると、
オートマトンの巨体は水中の卵みたいに浮上していく。
このオートマトンの全長は大体3mくらい、
それに対しに僕の能力の有効範囲は10mだから、
僕がこの首にいる限りはコイツはずっと範囲内にいて、
能力が切れることはない。
ぷかぷかと浮いているオートマトンは、
流石に浮遊への対策はされていないらしく、
水に溺れた人みたいにバタバタともがいている。
僕は振り下ろされそうになりオートマトンの顔にしがみつく、
この高さから落ちたら間違いなく死ぬ。
どんどんと高度は上がっていき試験の建物がどんどん小さくなっていく。
そして100mくらい上がったところで突然走ったときみたいに疲れ息が荒くなる。
「……ヤベェDHが切れかかってる。
本当はもうちょい上まで行きたかったが、
まぁこんなもんでいいだろ。
それじゃ、
あばよ!」
そう言い僕はオートマトンの首を蹴りオートマトンから飛び降りる、
僕が落ち、
オートマトンは上がり続けると、
自ずとオートマトンは効果範囲外に出る。
そうしてオートマトンは手を離されたボールみたいにいきなり落下する。
オートマトンの方が僕より体が大きいぶん空気抵抗を受けやすいので、
僕より落下速度が遅くみるみる僕との距離がひらいていく。
「まぁ即興の割にはうまく行ったかな?
せっかくだから技名が欲しいな…
"無下限上昇"とか良いな…」
この時僕はほぼ試験の成功を確信していて、
あまりの嬉しさに脳内麻薬がドバドバ出ており冷静さなどなかったため、
そんな呑気なことを考えていた。
しかし僕はここである重大な重大すぎるミスに気づいてしまった。
「よしあとは着地して……ん?
着地?あ。
着地のこと忘れてたー!!」
まさかのここで初歩的なミス、
良い案だと思って即決してしまい着地のこと忘れてた。
マジか、
死因これか、
こんな死に方かー
「マジかー」
脳内麻薬がまだ残っているせいかあまり死ぬ実感感がなく、
さほど恐怖は感じなかった。
でもまぁ何の恐怖もなく死ねるだけマシか?
イヤイヤそもそも死ぬという時点でアウトだし。
でもまぁやり残したことがあるかと言われればないが、
こんなくだらない死に方は流石に天灯も母さんも悲しむだろーなー
そして僕と地面の距離が10mくらいまで近づいて本格的に死を覚悟して、
僕は目を瞑った。
ーーーーーそこから5秒程しても一切痛みを感じず、
不思議に思い目を開けると。
僕は1人の少女にお姫様抱っこをれていた。
「……!?!?」
「ははは、お前凄いな!」
そんなことを言って少女はケタケタと笑う。
僕と少女では明らかな体格差があるはずだが、
その体格差を気にせず抱き抱えるこの絵面は明らかに異常だ。
ていうかこれ今配信されてるんだよな、
それを気にするとばか恥ずくて死にそうなんたげど。
「それでそれで合格おめでとう!
これでお前も晴れて登校生になれるぞ!」
「え!?合格!?着地とか色々考えてませんでしたけど?」
「んぁ?まぁ細かいことは気にするな!
良いじゃないか合格できたんだし!
まぁでもそんな死にかけてまで、
合格しようとするとは思わなかったがな!
最悪、安全保護装置があったとはいえ今後は気おつけろよ!」
「は、はい……」
僕はあまりにも異様なことの連続に困惑しつつも、
僕は少女に雑に降ろされそのまま少女に押し出され受付へと向かわされたのだった。
ーーー「ふぅ、あいつ面白そうだなぁ、
名前なんだっけ?」
「……宮本 桐幸です。」
少女が桐幸の去った会場の外へと向かう入り口眺め、
ふとそんな言葉を呟くと機械の様に冷たい声で桐幸の名前が返される。
「襲ちゃん、
受験者を助けるのは良いですけれど、
落下するこれのことも考えてください。
襲ちゃんだけならなんとかなるかもしれないですけれど、
受験者の子は弱いんですから。」
「ははは!
大丈夫大丈夫、ちゃんと避けてたって。
本当世屡ちゃんはお節介なんだから!」
襲がケタケタと笑いながら振り向くと、
そこには世屡が立っており右手を上げていた。
そしてその右手の掌の上には鉄の塊の様なオートマトンが串刺しにされた人のように、
「ぐたぁ〜」と力無く手足や顔を垂らし重力に従っていた。
「お節介って……、
全くもう…」
どこか呆れた様な吐息を漏らし世屡は、
右手に寄りかかったオートマトンを無造作に横に放り投げる。
「……気に入ったんですか?
あの受験者」
「まぁね、
面白そうだったし、
それこそ世屡ちゃんこそ随分と気になってるっぽいね」
「えぇ、まぁ少し」
「……例の人、見つかった?」
「……さぁ、自分でもよくわかりません。
…襲ちゃんこそ他に面白い人は見つかりましたか?」
「うぅーん、
あいつ以外はまだたいしていないかなぁ。でもまだまだこっからいるでしょ!」
「そうですか、
……にしてもまったく、局長が3人って本当に豪華過ぎますよ」
「まぁまぁ良いでしょ!」
「……それでは私はここら辺で」
「はぁーい、次の試験までには戻ってきてよー」
その言葉を耳にだけ入れ何の反応も示さないまま、
世屡は桐幸同じ通路へと消えていったのだった。
どうも遅筆のヤック・ヤッグです。
1話投稿するたびにか1話ごとの間隔が空いていく、という怪奇現象が起きている今日この頃ですが、どうやら本気で人気を目指すなら毎日投稿が必須らしいです、はい、絶望的ですね、はい。
まぁ次からは文字数を1000文字くらいに抑えて書く予定なので、
少しは色々マシになると思います。
それではそもそも読む人がいるかもわからないこの小説ですが、もしよろしければ今子供ご愛読よろしくお願いします。
一言言及のコーナー:現在3話ヒロインなし!




