キャラクター紹介4(本編ネタバレ有り)
◉武器
【魔剣・コランダム】
ライティエットがサァーラ亡き後に受け継いだ長剣。柄の部分が細長いゴツゴツの骨で出来ており、刀身は白銀に輝いている。よく見れば波のような刃文があり、光の角度によって薄っすらと七色に輝くのだが、薄闇に覆われたフェスティア大陸ではそれを見ることは叶わない。
何重にも封印が施されており、膨大な魔力を注ぎ込まないとその封印を解くことは出来ない。しかし一度封印を解いたならば光を受けずとも七色に輝く美しい刀身へと変貌。半透明に透けて煌めく様は、水のようにも見え、たった一時の間でさえも同じ色でいる事は無い。
まさにそれは空であり、虹そのものなのである。
この剣は伝説の鍛冶師『ラピス』が制作したと言われている。
が、そんな人物はこの世に存在しない。
更に言うとコランダム自体が鉄を溶かすなどして造られた物ではない。
クリエストラとディルクファームが宇宙間トンネルを共同で作っていた時期。まさにその宇宙に小島と施設が造られ、共同実験が行われていた。
それがクリエストラとディルクファームの魔力の融合実験。その実験体となる最初の2人『サファイア』と『ルビー』の成れの果てが『コランダム』である。
正確には2人の粉々になってしまった核を原料にしたモノ。2人の育成を任されていた『ルリア(クリエストラの民)』と『ハリス(ディルクファームの民)』が己の全魔力を注ぎ込んで作ったとされている。
当時のクリエストラとディルクファームでは両大陸同士の婚姻が報告され始めていた。だが世界樹の実から産まれるクリエストラの民と、性交により子を産むディルクファームの民との間では子どもが生まれなかった。妊娠まではするものの、魔力がうまく交わらず、全て死産になっていたのである。
ただ妊娠はするのだからと、徹底した管理のもとで育てればクリエストラとディルクファームの魔力を両方持つ者が生まれるのではないか。そう考えたカラーリアはハインカーシェに協力を仰ぎ、融合実験は始まったのである。
だが、実験は上手くいかなかった。
培養カプセルの中で管理するも、まずなかなか成体まで育たず。どうにか成体まで育ってくれたサファイアとルビーも両大陸の特徴を混ぜた容姿にはなったものの、魔力はそうならなかった。サファイアがクリエストラの魔力、ルビーがディルクファームの魔力をという風に別れてしまっていたのだ。
そんな2人は皮肉にも核が合わさり溶け合った事で正に望まれた両方の魔力、いやそれ以上の力を持つこととなる。それこそ使い手が望む物ならなんでも、世界すら切り壊せる魔剣となったのだ。
ただし、扱いが非常に難しく、膨大な魔力を吸収してくる上に、剣同様にクリエストラとディルクファーム両方の魔力を持っていないと扱えなかったのである。なので本来はクリエストラとディルクファームの者たちが2人で持って使う物である。
故に、現状完全に扱えるのはライティエットのみなのだ。以前の使い手はルリアとハリスになるのだが、この悲劇を繰り返してはならないと小島を破壊することに使ったのみで以降は使われていない。
戦争中はクリエストラへと帰還したルリアが力を封印した状態で隠し持っており、その後、ルリアの里子となったサァーラが仮の所有者として受け継いでいた。
【魔剣・アダマス】
鞘も唾もない、武骨な灰色の曲刀。柄頭に着けられたゴツゴツで無骨な透明の宝石だけが唯一の装飾と言える。
コランダムの詳細で予測はつくと思うがアダマスもサファイアとルビー同様、融合実験体の1人『ダイヤ』の核で作られた魔剣である。
ダイヤは能力としては完璧な成功例だった。
だが、その魔力はあまりにも巨大で、破壊衝動が押さえられずに自我が崩壊。魔力暴走を起こして施設を破壊してしまう。更に小島すら破壊しかねない状況となり、同じ融合実験体であるサファイアとルビーとの戦闘になる。
最終的に魔力をぶつけ合う事での対消滅にて事態は終息するのだが、対消滅に巻き込まれる形となった3人は死亡してしまう。
そんな3人を憐れんだルリアとハリスの手によってサファイアとルビー、ダイヤは魔剣として生まれ変わることになったのだ。
しかしダイヤはもって生まれた破壊衝動が剣となっても健在であり、常に封印状態。特にコランダムが側にいると持ち手が居なくとも暴走し始めてしまう。
更に使い手の魔力を制限なく吸収する悪食の魔剣であり、うまく魔力をあげなければ刀身から魔力が溢れ出て使い手すら傷つける。
戦争中は実戦投入が検討されたがあまりの悪食っぷりに誰もうまく扱うことが出来ず、結局保留のまま使われることはなかった。ディルクファームに戻っていたハリスがその身を持って封印していたが悪食に耐えられず数十年後には死亡。
その後は何人もの人の手に渡るが誰もうまく扱かえず、結局デミルスが強制的な封印を施して預かることに。そうして最終的にルーフェンの下に下賜される。
そのルーフェンとは意外にも波長が合ったのか、それとも魔力の上げ方が良かったのか……何にせよ今までの暴れっぷりが嘘のように大人しく使われている。
コランダムのように持ち主の望むモノを何でも切り壊すことは出来ないが、代わりに吸収した魔力を周囲で旋回させて切り裂いたり、弾丸のように撃ち出したりなど剣でありながら中・長距離攻撃が出来る優れモノである。
◉人名
【ライティエット・グラドール】
本編で名前のみ登場した盲目の吟遊詩人。
彼はフェスティア大陸が闇に覆われた頃に突如として現れ、故郷を壊されて疲れ果てていた人々の心を癒やしていった。
ライティエットはディルクファームの民である。
カラーリアの命でフェスティア大陸に調査に来ていた研究員のひとりであった。彼はクリエストラ大陸と同じくらいに光に満ち溢れたフェスティア大陸の美しさと多種多様な人種が諍いなく暮らしている姿に感銘を覚えた。そしてこの大陸のことを純粋に知りたいと思い、土地の地質をメインに調査を行った。
結果、彼はフェスティア大陸がクリエストラ大陸と性質が酷似していること、そして戦争の時期に当たる地質に含まれる魔力量が少ない事を突き止めた。それはつまり、フェスティア大陸が何らかの方法でクリエストラ大陸に魔力の譲渡を行っていたことに他ならなかった。
彼はこの研究結果をディルクファームに送ることを良しとしなかった。何故ならこの美しいフェスティア大陸がカラーリアの手によって破壊される未来が確定するのと同じだったから。
だが彼の言動はカラーリアに対する裏切りだと言われ、散々に痛めつけられたあとで森の中に放置された。
そんな彼を救ったのは、幼き日のシタヤであった。
ライティエットはそこで手厚い看病と他者の温かさに触れ、感動と同時に恐怖した。
もうすぐ、この大陸は襲撃を受ける。それを言うべきか否か、迷って、迷って………彼はシタヤだけに自分の真実とこれから起きるかもしれない悲劇を告げようと決意した。だが、遅かった。
決意した正にその日。
フェスティア大陸は闇に覆われ、村は壊滅した。ライティエットは絶望したが、生き残ったシタヤとガーフィスを守る為に森を彷徨い、比較的無事であったミネリアの村に彼らを預けて姿を消した。
その後は包帯で鼻から上を巻いて隠し、盲目のふりをして唄を紡いだ。贖罪のつもりだった。
そうして数十年が経過し、あちこちにハンターギルドが作られ、闇は消えずも人々の生活が少しずつ元の姿を取り戻しつつある頃。
ライティエットはハンターとして活躍するシタヤと再会した。その側にはサァーラの姿が……。
彼はすぐに彼女がクリエストラの民だと気がついた。そして2人に泣きながら自らの事を話した。話した上で、どうか自分を殺してくれ、自分の研究結果がこの惨状を招いてしまったのだ、だからどうか殺して罪を償わせてくれ、と懇願した。
けれど2人はライティエットを殺さなかった。自分なりに考えて罪を償っている者を、それこそ友人を、どうして殺すことが出来るのか、と。
ライティエットは泣き、一層心を込めて唄を紡いぎ、人々の心を癒やしていった。
それから更に数年後……サァーラがデミルスによって犯された。その頃のサァーラはカリュシェードの加護も受け、完全にフェスティア大陸の住民として溶け込んでいた。故に魔力の強い母体として目をつけられたのだ。
ライティエットはそうして身籠ってしまったサァーラを守る為に己の全魔力、いや、命すらもかけて封印魔法を施した。そうしなければ母体であるサァーラが死んでしまうと分かっていたから。
おかげでサァーラは死なず、お腹の子に自ら封印魔法をかけられる余力を持って出産にまで望むことが出来たのだった。
そうして死んだライティエットの墓は、実はカリュシェードの、正確には世界樹の根元にある。
フェスティア大陸を愛し、フェスティア大陸を闇から解放する者を守った彼は、正に守護者として相応しい地にて眠りについているのであった。
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