第7話 感動のランクアップ!
抑えきれない喜びを噛み締めながら、期待を込めてモヤを見る。
しかし…
先ほどと変わらないモヤがそこにいた。
「なんで〜?」
なぜ、ランクアップしたのに何も変わってないのよ?
少しおねぇになっちゃったじゃないの!
諦めずにステータスを確認する。
「ステータスオープン!」
そこにはこう記されれている。
名前 なし
種族 モヤモヤ(靄靄)
性別 不明
ランク F up
パワー 5 up
スキル 大きくなる New
特性 自由
敵意
粘着質 New
確かにランクアップして、パワーも上がっている。
しかし、Fランクのパワーは5〜10が一般的だ。
そう考えると最低ラインだ。
なんとも言えなさそうなスキルと特性も増えてるな〜。
種族名も適当すぎない?
スキルの確認のため、モヤに触れてみる。
もちっ
両手で掴んでみる。
もちもちもちっ
少しだけ手に吸い付く感じだ。
なんというか少しだけ不快?
そんな気持ちが伝わったのかモヤが不機嫌になる。
「おっと、すまない。たぶん勘違いだ」
勘違いではないけどね。
なかなか鋭いやつだ。
気をつけないといけないな。
あと、スキルも試しておこう!
「モヤ!スキルの大きくなるをやってくれないか?」
そう頼むと、モヤはむむむっと力を入れる。
すると、20cmほどあった体?が2倍くらいに膨らむ。
おおっ!と驚く俺。
しばらく見つめて思う。
これ使い道ある?
とまたしても悩むのであった。
その後二人で色々試してみた。
すると、嬉しい誤算もあった。
1つ目は、大きくなるとパワーが2上がる。
これは頼りになる。
少し強い敵にも挑めるし、最後の切り札になる。
2つ目、大きくなってもダメージを受ける本体の大きさは変わらない。
これは、相手の撹乱になるし、デメリットはないことになる。
3つ目、使用時間は3分。ウ○トラマンと同じだ。
ただし、三分の間なら自由に大きくなったり小さくなったりできる。
クールタイムは10分だ。
長時間の戦闘は厳しいが今の訓練にはなんの問題もない。
そんなこんなで確認は終わった。
はじめに比べると立派に見える。
俺はこいつと旅に出るって言えるだろう。
しかし、まだ入学式まで時間はある。
それで、慢心することなくさらなるランクアップを目指して戦うことを心に決めた。
戦うのはモヤだけど。
ちなみに二度目の名付けは、
「そろそろ名前を…」の時点で拒否された。
なぜだろうか?
何も悪いことしてないと思うのだけど?
その他にもいくつかの変化があった。
粘着質を得たおかげで色々なところにくっつくことができるようになった。
それで、移動中は俺の頭や肩や背中にくっつくようになった。
これは、結構かわいい。
ただし、頭の上の時は髪がねちっとして最悪だ。
おっと、検証に結構時間を使ってしまいそろそろ帰る時間だ。
いつもなら、家に帰るときはオーブに戻すのだが、ランクアップした日はすっかり忘れたままだった。
おかげで親に報告を忘れていたこともあり、家族に混乱を招き、説教された。
ちなみに俺の家族は公務員の父と専業主婦の母、3つ年下の妹がいる。
父は寡黙、母は怒ると怖いが普段は明るいおばちゃんって感じだ。
妹は中学の同級生からすると羨ましいといわれるくらいにはかわいいらしい。
性格には今は語らないでおこう。
だだ、モヤは家族のみんなにはとても気に入られていた。
特に母と妹がかわいい☓2と騒いでいた。
おれのそんなにかわいいかと思ったのは内緒だ。
また、モヤを怒らせてしまう。
おかげで楽しい夜を過ごすことになった。
モヤは家での自由を手に入れた!
タッタラー!!
お読み頂きありがとうございます。
無事、モヤのランクアップまで書くことかとができました。
かわいいと皆さんは思っていただけているでしょうか?
これからも励んでいきますのでよろしくお願いします!