第4話 もやっとしたパートナーの実力
日間ランキング入り目指して頑張ります。
評価よろしくお願いします。
家では何か壊したら大変なので、練習場に行くことにした。
この練習場というのは、練習場型ダンジョンが正式名称である。
普通のダンジョンは入口があり、そこに入ると別次元のようなところにつながっている。
練習場はそれと違って屋外にある。いくつかのモンスタースポットというものが練習場内にあり、そこから弱っちいモンスターが出現する。
そこのモンスターは練習場の外には出ることができない。
ほとんどがGランクでたまにFランクだ。
モンスターが出る場所とは別にだいたい体育館のような施設があり自分のモンスターと訓練したり、体を鍛えたりするためのトレーニング室もあったりもする。
今日行くのは一番近くの阿波第5練習場だ。
荷物を素早く準備して家を出た。
自転車で20分ほどの距離だったはずだ。
不安は多いけどやっぱり楽しみだった。
自分のパートナーは何ができるのかな〜とか考えているとすぐに到着した。
そこには複合施設になっているスポーツジムのような建物と直径1kmくらいの円形の敷地を高さ2mくらいの小さな城壁に覆われた場所があった。
あたりは田畑の混ざる住宅街だから明らかに異様だ。
この城壁を見るだけで男子中学生はワクワクするものだ。
「よしっ」
気持ちを入れ直してモンスタージムと書かれている建物の方のドアをくぐった。
まずは受付だ。
そこにはさえないおっさんが受付をしていた。
小説にて出てくる冒険者ギルドのきれいなおねーさんじゃないんだなーとか思って見ていると、
「初めてならオーブを見せてくれ」
とおっさんが言ってくる。
はいっと、黒色のオーブを見せる。
「…トレーニングルーム?それとも屋外ダンジョン?」
一瞬なにか言いたそうだったけど、そっけなく聞いてくる。
「トレーニングルームで」
と答える。
「100円だ」
おっさんにお金を渡してトレーニングルームに向かうことにする。
きちんと自治体に管理されているためトレーニングルーム100円、屋外ダンジョン200円を取られてしまう。
ランクアップできずに長いこと通うなら結構痛手だなと思ってしまう。
トレーニングルームはいくつかの部屋に別れていて、ダンジョンを想定して内装が違う。的があったり、足場が砂だったりする。
その中の一番ノーマルの体育館みたいな部屋を選ぶ。
ちょうど端の方が空いてたのでそこを使うことにした。
とりあえずモンスターの召喚と装備の装着だ。
「召喚!」
相変わらずのもやっとしたモンスターが現れて、装着が目の前に出現した。
左手に盾を装着して、こんぼうを右手に持つ。
モンスターが何をすることができるかが問題だ。頼むから強い技を使えてくれ。
名前はまだ決めてないから呼び名は種族名のモヤでいいか。
「モヤ!」
モンスターがこちらをみる。相変わらず目つきが悪い。
「これからよろしくな」
友好の印に手を差し伸べる。ネットで調べた情報ではモンスターとは絆が大事らしい。だいたいは初期状態では友好的らしいけど。
しかし、こいつはこちらを一瞥したたたけで変化なし。マジか…
「なんか俺のことが嫌いみたいな気がするがパートナーになったからには何ができるか分かっておきたい。どんな技が使えるんだ?俺に向かって使って見てくれ」
そう言って盾を構える。
仕方ないなという顔して、スーっと人が走るくらいのスピードで近づいて来て盾にタックルした。
コンっと軽い木を叩く音がした。
バットで叩かれたくらいかな?
あれっ、これで他のモンスター倒せます?まずくね?
「もちろん他の技もあるよな?」
焦って聞く。
モヤはうなずいて、俺に近づいてきた。
そして、盾を無視して顔に取り付いた。
「何も見えない…」
ただそれだけ。少し待ってみたけど変化なし。
とりあえずこんぼうを下に置き、頭のモヤを両手で挟んで引き離す。
なんか芯みたいなのがあるな。
そして、挟んだまま自分の顔と向き合わせて聞く。
「マジ?」
モヤはゆっくり頷いた。少しドヤ顔だった。
「他にはあったりします?」
モヤは無言だった。
「オーケー、オーケー。モヤの攻撃はよく分かった、ありがとう。次は防御も試しておきたい。こんぼうで攻撃してみるから対応してくれ」
複雑な顔をしているモヤを離して、さっき置いたこんぼうを手に取る。
ゴースト系の見た目をしてるので、攻撃無効とかあるんじゃないと思いながらこんぼうを振る。
ブンッ スカッ
モヤがふわっと避けたので、黒いもやもやの端をかする。
おっこれは本当に攻撃が効かないのでは?
もう一度試すことに。
ブンッ。
モヤが避けきれず体の真ん中にこんぼうが向かっていく。
ばちこーん!!
モヤは2mほど吹っ飛んた。
ソフトボールを打ったような感覚だった。
あっだめなやつだ。モヤと出会って何回目かの絶望を味わった。
最悪自分で戦おう。ハートが強くなった気がする。
そんなことを考えながら急いで駆け寄るとちょうどモヤも浮かび上がったところだった。
めっちゃ怒ってる。喋れないけど、確実に怒ってる。
「大丈夫か!ごめん」
素直に謝ることにした。
まだ、プンプン起こっている。ちょっとかわいい。
どうしようかな〜と考えて、
「お詫びと言ってはなんだけど、君に名前をプレゼントしようと思うのだけど…」
まだ、名前を言うまえに頭にタックルされた。
「なんで!?」
パートナーになるモンスターは名前をプレゼントすると喜ぶと聞いてたのになぜ??
あと、名前って拒否できるの!?
とりあえずまだ名前はいらないらしい。
いらないというか、つけさしてくれないというか…
前途は多難だ…
初めて1話の文字数が2000字を超えました。
物語が進んできた感じがします。
想像以上に読んでくださって感謝です。
これからさらに面白くしていきますので応援よろしくお願いします!!