奇跡
男1女1
黒部:
日南:
日南N 私は奇跡という言葉がきらいだ。大嫌いだ。どのくらい嫌いかというとから揚げにレモンを勝手に掛けるやつくらい大嫌い。奇跡なんてものは存在しない。そんなものはただの確率論。ごくごく微小のの確率を引いているだけにすぎないのだ。――だから、奇跡を信じない私の世界はいつだってモノクロだ。
チャイム音
黒部 ひーなみ。
日南 何?
黒部 飯食いに行こうぜ?
日南 嫌。あんた無駄に友達多いんだからその人たちと行けば?
黒部 え~、いこうぜ~? おごるからさー。
日南 私は人から施しを受けたりはしない。それに常に金欠のあんたがご飯を奢るなんて、なんか理由が絶対あるんでしょ。
黒部 ばれたか、いや、次レポートを落としたら単位落とすんだよ。頼む! 同期の留年とか見たくないだろ?
日南 同期なんて何人もいるでしょう? それに、私には関係ない話でしょ?
黒部 た~の~む~よぉ~。留年したら父さんに殺されるんだよー。
日南 完全にあんたの自業自得よ。……はぁ、わかったわ。手伝ってあげる。あんたしつこいからあきらめなさそうだし。
黒部 やったぜ! 持つべきものは親友だな!
日南 あんたを親友と思ったことはないわよ。今レポートの話をしたってことは、稲葉教授のやつでしょう? なら、学食で一番高いのね。
黒部 げ!? マジかよ……。今日はもう何も食えねえな……。
場面 図書館
黒部 伸びをする。
黒部 んん~。おわったー! これで留年回避できる! 助かったよ日南!
日南 別にいいわ。労働の対価は前払いでもらったしね。
黒部 それでも、だよ。ありがとな、日南。……やっぱ持つべきものは親友だな!!
日南




