七話 ダンジョンの餓鬼
毎日更新ってきついですね…週末まで頑張ってそこで書きためたい…!
この世界のダンジョンには難易度によってランクづけされていて、E級からSSS級まで存在している。このランクは冒険者ランクと強さが一致していて、自分が行く事が出来るダンジョンの基準にもなっている。SSS級ダンジョンはこれまで3つ発見されており、その3つの1つとして最深部へたどり着いた者はいないそうだ。
そして僕らが訓練として踏破しようとしているのはE級からダンジョンだ。このダンジョンは通称始まりのダンジョンと呼ばれ、この世界の冒険者が、初めは通る道のようなものだという。
今日だけ召喚された勇者のために、このダンジョンを封鎖し、貸切状態にさせてもらっているらしい。この世界の冒険者に申し訳ない…
始まりのダンジョンは全十階層からなる小規模なダンジョンだ。小規模とは言っても一階層ずつがものすごい大きさなのだ。ダンジョンの入口から異空間に飛ばされるらしく、全然狭そうな地形でも、入ってみると大迷宮でした、ということが多々ある。
既にこのダンジョンは多くの冒険者が訪れるでマッピングはかんぺきになされ、メイドさんが準備してくれたバックの中に地図が入っている。
僕たち低ステータス3人組は今、地図を見ながら木刀片手に歩いていた。
「本当に私たちだけで大丈夫だったのかなぁ…」
「大丈夫だろ!E級ダンジョンは一般人でも頑張れば踏破できるレベルだってアルベルト教官も言ってたし」
直己の言う通り、ダンジョンに入る前に僕たちに教えてくれた。ならば低ステータスの僕らでも一応は行ける道理であるはずだ。
「それにしても…モンスターいないね」
「うん、多分だけど先に行ってしまった人たちが次々とモンスターを倒していったんだと思う」
「あ、そっか。それってポップ、リポップだったよね。覚えたよ!」
ゲーム用語を覚えたての美鈴さんはゲーム用語が使えてご満悦のようだ。
この世界のモンスターは大きく分けて2種類いる。
1つは自然発生のモンスターで、人間や動物などのように生殖を行い、繁殖する。
2つ目はダンジョン産モンスターで、ダンジョン内で産まれてくるが、人間や動物のように赤ちゃんから成長していくのではない。いきなり生まれる(ポップ)するのだ。
大きな違いといえばもうひとつある。それはモンスターを倒した時の演出だ。
自然発生型モンスターは殺すと、そのまま身体は残り、牙や毛皮などを剥ぎ取り素材にすることも可能だ。
だがしかし、ダンジョン型モンスターは殺されると光の粒子となって消え去り、代わりと言ってはなんだが、この世界の通貨を、たまにドロップアイテムを落としていく。
要するに、ダンジョン型モンスターはゲームのような存在なのだ。
モンスターを倒すと経験値が貰える。だからといってモンスターを倒すことだけが経験値を稼ぐ方法ではない。一般的には命を奪うこと全般を指す。
例えば、木材が欲しいので気を切り倒す。これでも木の命を奪ったことになるので、切り倒した人間に僅かだが経験値が貰える。
この世界の人間は、農家の人、漁をする人、女子供ですら毎日僅かながら経験値が貰えることになる。そうなると、レベル1の生物など存在しないのだ。
貰える経験値にも大小がある。道にいる蟻と、ダンジョンにいるゴブリンとは格が違う。蟻を潰してゴブリン1匹とおなじ経験値を得るには約5000匹潰さないといけない。
つまり、ダンジョンのモンスターは普通の生物に比べ、経験値が多く貰えるという訳だ。
冒険者たちはこぞって、エルや経験値のためにダンジョン攻略に勤しむのだ。
「モンスター、一目見てみたいね」
「そうだなー、もし見つけたら俺がズバッと倒してやるぜ!」
美鈴さんと直己は木刀をブンブンと振り回しながら歩いている。もう既に1時間近くダンジョンにもぐっているのだ。ここまでモンスターとも何も会わずに来ると飽きてくるのも自然といえよう。
「なぁ雪。雷魔法は使えるようになったのか?」
「いや…それがまだ出来ないんだ」
この世界の魔法はイメージが大きく影響する。魔法が使えるようになる手順は、まず自分の適正のある魔法書をみる。そしてその属性を司る神を深く知ることで魔法が使えるパスのようなものが通る。
魔法を使う時はその神の名を呼び、祈りを捧げながらどう使いたいかのイメージをする。それで発動するのだが、何故か僕は雷属性の魔法書を読んで雷神のことを学んだはずなのに発動しなかった。雷属性の後に(?)が付いてることが関係しているのだろうか。
「ねぇねぇ!あれってモンスターかな!?」
美鈴さんがいきなり立ち止まって指を指す。僕と直己は美鈴さんが指を指す先を見ると、何やら緑色の物体が動いている。だがまだ遠すぎて分からなかった。
「行ってみよう!」
美鈴さんは1人で走っていってしまう。本当にモンスターであったら1人では危ない。僕は直己と顔を見合わせ頷き合うと、美鈴さんを追う。大声で呼んでも聞こえていないようで止まらない。
しばらくして美鈴がようやく止まる。あの緑色の物体が何か分かったからだ。僕らも追いついく見てみる。
あれは……ゴブリンだ。
子供の体型をして、飢餓状態のように腹だけ膨らんでいる。顔は醜悪で、剥き出てくるのでは無いかと思うほど見開かれた眼孔。口には鋭い牙が生え、唾液を垂れ流し、手には錆びたナタのようなものを持っていた。
ゴブリンも僕らに気づいたようで、首だけをこちらに向けてじっと見てくる。
「ひっ…」と美鈴さんが悲鳴を漏らす。その瞬間、ゴブリンがその醜い顔を更に歪ませてニヤリと笑う。
「逃げろ!」
僕は反射的に叫んだが、美鈴さんは動かない。その美鈴さんをゴブリンが襲う。美鈴さんとゴブリンの距離はおよそ25メートル、ゴブリンはものすごい速さで迫ってくる。
一か八か!
「雷神ソヴィオ!頼むお願いだから今だけでも力を貸してくれ!」
俺は天に叫び、祈る。……しかし何も起きない…やはりダメなのか!?ゴブリンが錆び付いたナタを振りかぶる。…とその時、体の中に何か繋がった感覚がした。
まだ……いける!
俺は強くイメージする。雷を纏い自分の感覚を加速させるイメージだ。
だんだんと周りの音が聞こえなくなっていく。そしてゴブリンの動きが遅くなる。…いや違う。僕が速くなったんだ。
僕はゴブリンに向かって走り出す。ゴブリンのナタは着実に怯えて目をつぶった美鈴に近づいていく。辿り着いた!僕は思いっきりゴブリンのナタの横っ腹をめがけて木刀を振り抜いた。
「ぐぐぉぉおおりゃああぁあ!!」
「ギギギッ!!」
ゴブリンのナタはゴブリン手を離れて弾け飛び、カランカランと音を立てて地面に落ちた。
そこで加速された感覚が消え去り、周りの速さが戻った。ゴブリンは僕を脅威に思ったのかわからないがギギギと鳴きながら様子を見ている。
「早く!今のうちに逃げるんだ!」
「う、うん…!」
美鈴さんは逃げようとするが上手く足が動かなくて転んでしまう。
様子見していたゴブリンが、僕らの様子をみて弱いことを悟ったのかニヤリと笑い、僕に腕を振りかぶってきた。
ゴブリンの腕の軌道上に木刀を構える。素手の攻撃だ。一撃なら防げる…!
────ザシュッ…
ゴブリンはそのまま抵抗なく腕を振りかぶった。木刀はあっさりと切られ、カランと無機質な音をたてる。
あれ、おかしい…胸が熱くなってきた…
僕は木刀を持っていた反対側の手で胸を触る。
───ヌチュ…
ん…なんかヌメってる。僕は手を見てみる。その手は真っ赤な鮮血で染められていた。
え、え…?なにこれ…こんなの、知らない…
俺は目の前が暗くなっていって完全に視界から光を失った。
初めての戦闘シーンを書きました。
もっと経験を積んでかっこいい戦闘を表現できるようになりたいです。
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