表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/10

四話 訓練

毎日午前6時に更新出来るように頑張りたいと思います。

も、持ち上げられない!


剣の柄の部分を両手でしっかりと持ちもう一度踏ん張る。


「ぐぬぬぬぅ!!」


剣の先の部分が地面と擦れて甲高い金属音を鳴らす。すると周りが訝しげにこちらを見てくる。


周りの奴らは軽々と剣を振り回している。すげーとか言っちゃって興奮してる。それに対して、僕は片手で扱う剣なのにも関わらず両手でも扱うどころか持ててすらいない…


「ああ、そうだった!たちばなゆき!えんどうなおき!さとうみすず!こっちに来てくれ!」


なんだろう?多分あらかたステータスが低い事で呼ばれたのだと思うが、遠藤直己さんと佐藤美鈴さんも呼ばれてる。


遠藤直己さんは、確かバスケ部だった気がする。あまり話したことがないからそれ以外は分からない。


佐藤美鈴さんはと言うと、うちのクラスの学級委員で真面目さが取り柄でキリッとしているイメージだった。彼女ともあまり話したことがない。


……ほら、僕みんなに嫌われてたし、誰のせいとは…言えなくもない!


それはそうと、あのムキムキの教官さん元気なのはいいが声がデカい。あんな呼び方では目立つじゃないか…


僕は注目されるなか、そそくさとムキムキ教官の元に向かった。


「よしっ!来たようだな!お前たちには別メニューをしろとエルカ様から聞いている!」


そうなると、どうやら遠藤さんも佐藤さんも僕と同じくステータスが低かったのだろう。


「もしかしてこの3人はステータスが…」

「うむ!そのようだ!」


遠藤さんも勘づいたようで、ムキムキ教官に問いかけると正解だというように頷く。佐藤さんだけはよく分からないというようにポカーンとしている。


「3人に課せられた特訓は…筋トレだ!」

「え、ええ!筋トレですか!?」

「うむ!そうだ!」


またもや遠藤さんが信じられないとでもいうようにムキムキ教官に詰め寄るが『うむ!』としか返ってこない。


筋トレか…異世界に来てまで筋トレするとは思わなかった。


「筋トレはいいぞ!頑張れば私みたいなパーフェクトボディを手に入れることが出来る!」


ふん!とポージングを取り、白い歯をキラっと輝かせる。正直、気持ち悪い。


遠藤さんも佐藤さんも苦笑いだ。


「では端っこの方で筋トレしててくれ!俺は個別で見なきゃいけない奴らがおるのでな!」


そういうと…神崎さん達のところ、つまり強いギフトを貰った人のところに行った。


遠目から見ると、神崎さん達3人は神崎さんを中心に楽しそうに雑談しているように見えた。


あの人見知りな綾香さんが話してる…

自分だけが仲良く話せていたという自信が崩れていく。なんとも言えない感情が胸にせり上がってくる。これは多分…独占欲だ…


人間には誰しもあるだろう独占欲。自分でも醜く感じる。でもそれを感じずにはいられなかった。


「どうしたの?橘さん」

「うわっ!さ、佐藤さん!?」


考え込んでたもんだからびっくりした。


「あっ、ごめんね…」

「いいや!考え事してたんです。心配してくれてありがとうございます」


僕が頭を下げると佐藤さんが慌てて


「いいのいいの!そんなに頭を下げないで。それに私たち同じクラスでしょ。敬語なんて使わなくていいし、名前も美鈴って呼んでよ。私も雪くんって呼ぶから!」

「う、うん。分かったよ、美鈴さん」


佐藤さん、改め美鈴さんは結構フレンドリーだったんだな。真面目だと思ってたから初めて知った。


「私、実は雪くんと話してみたかったけど結衣さんが近くにいて、話しかけづらい雰囲気あったの。でも今話せたからよかった」


そうだったのか…僕の知らないところで仲良くなりたいと思ってた人がいたんだ。ちょっと嬉しい。


「おいおいー!何二人で話してるんだー?俺も混ぜてくれ!」


遠藤さんにガツッと首に手をまわされて少しよろける。


「今名前の呼び方の話をしてたの。雪くんがよそよそしいから」

「そうなのか。それじゃあ俺のことは『直己』でいいぜ!それで俺は『雪』って呼ばせてもらうな!」

「うん、分かった、直己」

「よろしくな!」


直己がニカッと笑う。親しみやすい性格ですぐに仲良くなれそうだ。


僕達は名前の呼び方が決まって少し距離が縮まった気がしたのだった。




「それで、雪はどんなステータスだったんだ?」

「えーと…ラック以外全部1桁でスキルに1つ雷魔法があったくらい?」

「え!雷魔法!?いいなぁ…俺はなんにもなかったぜ?数値の方はほとんど俺と同じだな」

「私も数字が全部1桁で、スキル?よく分からないけど多分何も無かったと思う」


僕たちは訓練所の端っこで座りながら情報共有していた。思った通り、ここの3人はステータスが低く、僕以外はスキルもなかったらしい。


「私、スキルとかステータスとかよく分からないの…多分ゲーム用語なのかな?そういうのはやったことなくって」

「それは珍しいね」

「大丈夫だ!俺が教えてやるよ!」


美鈴さんはサブカルチャーに疎いらしく、この異世界転生してからというもの、何も分からないままここまで来たそうだ。


「ありがとう。直己くん」

「いいやぁ…どういたしまして!」


直己は美鈴さんに感謝されて少し顔を赤くさせてにへらと笑っている。元気な直己が照れてる。もしかしたら直己は美鈴さんのことが好きなのかな…?


────


僕たちは筋トレをして1週間が過ぎた。結局剣も握らせて貰えなかったが、直己と美鈴さんとも仲良くなれた。


仲良くなった直己と美鈴さんとよく一緒に行動するようになって、綾香さんと話す機会が少なくなった。たまにちらっと見ると神崎さんと話してることが多いと感じた。


そんな時、僕達に新たな訓練が課せられたのだった。

読んでくださりありがとうございます!

ブクマが10いきました。感謝の極みです!


よかったらブクマ、評価をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ