表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/10

三話 嫉妬

毎日執筆する難しさに打ちひしがれてます(T ^ T)

人間(?)ってなんだ?僕は人間じゃないのか?それにジョブが村人Cって微妙なとこっ!勇者でもないじゃん!!数値もそこまで高くないような気が…


「どうでしたか?勇者様は皆さん高ステータスなので私も羨ましいです」

「え、いや…あの…」

「ん?何か問題でも?」


「普通の人はどのくらいのステータスなんでしょうか…?」

「レベル10程度になると大体全ての能力値が平均して20くらいでしょうか。この世界の人でレベル1はなかなかいないので。レベルによって変化していきますけど、レベル1の勇者様ですと通常50で、凄い方だと3桁いくと聞いてます!」


……え?僕ってこの世界の人と同じくらいじゃない?レベル10になっても上がり幅が少ししかなかったら一般人より弱いかもしれない。勇者と比べるなんて以ての外なんだが。


「ステータスを記録しますのでステータスを見せてください。半透明のステータスは見せようと意識すると周りの人にも見えるようになりますので」

「は、はい…」


僕は渋々可視化できるように念じると半透明なステータスがハッキリと色を帯びてきた。


「えーと……あっ、これはー」


そう言うと記録係の人はちらっと僕の顔を見て、そそくさとエルカの所へ行ってしまった。やっぱりまずかったのかな…


しばらくすると記録係が戻ってきた。


「はい!記録は終わりました!」

「え?もう書いたんですか?」

「もう大丈夫です!」


記録係はにこにこ顔でそう言い放つと行ってしまった。

なんか、雑だったな。


「聖女!剣姫ですって!?」


エルカ王女の大きな声が響いた。

すると周りがまたザワザワし始める。


「これは黄金期の再来かもしれないな」

「ああ、だな」


なんだろう…また、光の勇者のような強いギフトだったのだろうか。


「あなた達も光の勇者様と同じく、このギフトを持つものは、代々光の勇者に寄り添い、共に戦ってきたのです!聖女 結衣様、剣姫 綾香様!」


え!綾香さん!?

あんなに本好きでメガネを付けてる綾香さんが剣姫!?白石さんはどうでもいいにしても、綾香さんはイメージに合わない。


「あ、あのぉ、、何かの間違いかと…」

「私が聖女!?そんな訳ないよ!」


綾香さんと白石さんはぶんぶんと首を振っている。


「いいえ!真実のクリスタルは真実しか出しません。あなた方は本当に聖女様と剣姫様なのです!」


2人はエルカ王女にガチっと手を捕まれている。


「それでは、皆様のステータスチェックが終わりましたので移動しましょう!光の勇者

誠様、聖女結衣様、剣姫綾香様には個別にお話がありますので私についてきてください」


白石さんと綾香さんはそのままエルカ王女に引っ張られて、神崎さんはエルカ王女と並んで歩いていってしまった。


白石さんと綾香さんが俺の方をちらっと見たが、白石さんはともかく綾香さんには何も手助けすることが出来ないのが申し訳なかった。





ステータスチェックが終わると勇者一人一人に個室の部屋が与えられそこで待機させられた。与えられた部屋は綺麗な装飾が施され、でかいベットにテーブルには見たことも無い果物が置いてあり、広さは学生には立派すぎるほどだった。

この部屋がこれからこの世界で暮らす自分の部屋になるらしい。贅沢すぎる。


──コンコン


ん?誰だろう…

俺は扉をちらりと開いた。


「はい、どちら様でしょうか」

「あ、あの…ゆきくん、楠見綾香です」

「ああ、綾香さん、どうしたの?」

「い、いえ!そこまでの用事はなかったけど…ゆきくんと会いたくて…迷惑だった?」


綾香さんは首をこてんと傾ける。

俺はその仕草にドキンとさせられた。


「全然大丈夫!いいよ!入って!」

「お、お邪魔します!」


綾香さんを椅子に座らせ、俺は大きすぎるベットに座った。いざこうしてみると個室に女子と二人っきり。しかも自分の意中の子というのにどぎまぎさせられる。心なしか綾香さんの顔も赤いような気がする。


「綾香さん、ステータスの、どうだったの?」

「あ…うん、なんか、剣姫だったみたい」


2人は緊張からか単語単語でしか話せなかった。でも、この綾香さんと僕との雰囲気だと思うと心地よかった。


「ステータス、やっぱり凄かったの?」

「よく分からないけど、あの記録していた人から貰ったの、これ」


俺はなにか書かれた紙を渡された。


────


楠見 綾香 Lv1 性別 女 種族 人間

ジョブ 剣姫 勇者


HP 500/500 MP 50/50 EXP 0/5

STR 150

VIT 100

DFE 80

INT 50

DEX 90

AGI 110

LUK 60


スキル

言語理解 経験値上昇 全ステータス補正 全属性耐性I 筋力上昇I 敏捷度上昇I 剣術I


────


なにこれチートじゃん…!おれのステータスがゴミのようだ…


「す、すごいステータスだね…」

「うん。自分でも驚いてる。でも神崎さんの方が凄いんだよ。全部の項目3桁いってるんだから」

「それは凄いな…」


神崎さんと綾香さんに少し嫉妬を覚える。それに、綾香さんが神崎さんのことを凄いと褒めているのを聴くと少しモヤッとする。


「ゆきくんはどうだったの?」


綾香さんが興味津々な顔で聴いてくる。話しづらいな…


「実は──」


俺は自分のステータスのことについて全て話した。何故かステータスが勇者ではなく弱かったということを。


すると綾香さんが顔を真っ赤にしながら俺の手を握ってきた。


「だ、大丈夫!私がゆきくんを守るから…!」

「綾香さん…」


俺は弱い自分が少し情けなかったけど、顔を赤くして、プルプル震えながらも手を握ってくれる綾香さんがとても愛らしく、頼もしく見えた。


「ありがとう。綾香さん」

「私、頑張るね…!」





俺は大きすぎるベットの上で目覚めた。何時かよくわからないが時刻を示す鐘が鳴っている。


ぼやけた頭で昨日起きたことを思い出していく。

あの後エルドランド王に謁見して…王様と聞いて緊張したけど、会ってみると威圧感もなくて優しい人だったな…魔王を倒してくれだとかなんだとか…

明日は早速訓練をするって言ってたっけ…


……あ、そっか。今日は訓練する日か。


僕は首を振り一抹の眠気を飛ばして完全に意識を覚醒させる。そして用意された寝巻きから、こちらの世界の服に着替えた。


部屋にあった鏡で自分の姿を見てみると、自分の、女っぽい顔に、煌びやかで貴族みたいな服に着せられているのが映っている。こういう服は日本人が似合うものでは無いな…



──などと思っていたのは何分前のことでしょう?


集合時間に訓練所に向かうと、僕と同様、みんな貴族のような服に着せられていた。


だがどうだ。見事に着こなした神崎誠と白石結衣がいたのだ。それは、誰が見ても眉目秀麗な貴公子と見目麗しいお嬢様の一風景だった。


周りのクラスメイトも2人の美しさに見とれている。

俺も感心しながら見ていると、白石さんと目が合った。僕は慌てて目を背けるが、時すでに遅し。白石さんが近づいてきた。


「ゆきくんっ!おはよう!」

「お、おはよう」


元気よく挨拶された。彼女の眩しすぎる笑顔は目に毒だ。


「ゆきくんその服似合ってるよ!」

「そ、そうかな。白石さんの方がすごく似合ってるよ」

「そう!?」


白石さんはその場でひらりと回転して見せた。その瞬間ふわりといい匂いがした。


「にへへぇ…ゆきくんに褒められちゃったぁ」


白石さんはにへらと口元が緩んでいる。そんなに可愛らしい姿を見せると…


……案の定、周りから一斉に睨まれる。みんなから忌み嫌われるのは毎日のことだったが、この感覚が懐かしくも感じた。異世界に来て忙しかったからな。


だからって本当にやめてほしい。やっぱり白石さんは苦手だ。


「ゆきくん!おはよう…!」


後ろから声をかけられた。声からして綾香さんだったので振り向くとそこには西洋のキラキラした服ではなく、日本の浴衣だった。髪はお団子にして、いつもはロングの髪で見えなかったうなじが艶やかに見えた。


その姿に僕は綾香さんをガン見してしまった。すると綾香さんはみるみる赤くなっていく。


「こ、これは部屋に置いてあって…これしか無かったの…!」

「あ、ああ…いや、すごく似合ってる」

「そういう事を聞いたんじゃ…」


綾香さんは赤くなった顔を隠すようにそっぽを向いてしまった。その仕草に僕も顔が熱くなってきた。


「ゆきくん!なんか私の時と反応違う!」


白石さんがブーブーと口をすぼませ文句を言っている。当たり前だ!好きな人なんだから!


「橘くん、周りの目を気にしようよ。それに結衣、橘くんの迷惑だよ?」


神崎さんがやって来た。ナイスタイミングだ。白石さんを連れてって欲しい。


「ゆきくん、私迷惑かな?」

「い、いいや…」


白石さんが目をウルウルさせて聞いてくる。人間、そんな聞き方されたら「はい」だなんて言えない。


「まぁそんなこと関係なくそろそろ訓練が始まるから行くよ?結衣」

「うっ…分かったよー」


どうやら白石さんと神崎さんの2人は一緒に訓練するらしい。


「それじゃあ綾香さん、一緒に訓練しようよ」

「あ、ゆきくん…えっと…」


俺は綾香さんを一緒に訓練に誘う。

綾香さんが申し訳なさそうにしている。


「ごめんな橘くん。俺たちのような強いギフトを授かった人は別に訓練することになってるんだ。だから綾香さんは俺たちと訓練することになる」

「そういうことなの…ごめんね?」

「そっか…頑張ってね!」


残念だけど、先約があったなら仕方ない。


「綾香さん、行こっか」

「はっ、はい」


神崎さんは白石さんと綾香さんを連れて向こうに行ってしまった。いきなり一人ぼっちになる。そう言えば神崎さん、綾香さんのこと名前で呼んでたな…


神崎さんはルックス良くて、光の勇者とも言われるから恐らく強い。白石さんは別に良いけど、綾香さんが神崎くんのことを好きになってしまったらと思うと…胸の奥がキュッと締め付けられる。


僕もチート能力があればこんな気持ちにはならなかっただろうか。


「注目!!これから君たち勇者には、モンスターと戦う術を学んでもらう!」


僕たちが集まった訓練所は広いコロシアムのようなところだったにもかかわらず、大きな声が響いた。


「今日からお前たちの教育をすることになった、エルドランド王国騎士団第1部隊隊長のアルベルトだ!よろしく!」


筋肉ムキムキで小麦色に焼けた肌。ぞんざいな態度は彼の容姿に合っていた。ぞんざいだが決して悪い気がしないのはニカッと笑った時の白い歯が印象よく見えるからだろうか。


「それでは、ここにある武器から一つ選んでくれ!」


そういうと後ろからメイドが来て箱に入った武器をガラガラと運んできた。そこには、片手長剣や両手剣、刀に弓も入っていた。生徒たちは思い思いに目を輝かせて武器をとって眺めている。


自分も目に付いた片手長剣を持ってみる。………ん?…んんっ…あれ、おかしい…


──重くて持ち上げられない!

読んでくださりありがとうございます!

よかったらブクマ、評価をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ