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第三章:百年戦争  作者: 赤花野 ピエ露
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第七話:大いなる過ち。

超短いですが、お楽しみいただけたら幸いです。


確信する材料が出てきます。

 何故気付いてくれないの? 貴女を最も愛しているのは私なのに… 。

 貴女の口から男の名前なんて聞きたくは無いの。分かってよ… 。

 私はこんなにも貴女のことを美しいと可愛いと口にしているのに、何で男の方を振り向くの?

 何で… ?

 二人であんなに逃げたじゃない、人のために戦った、なのに奴らは裏切った。二人で一人、あんなにも人間を憎み私達はありとあらゆる壁を越えて愛し合ったじゃない。

 なのに何で?

 貴女の為にこんなにも大きな嘘までついて頑張って来たのに、本当はこんな事はしたくは無かったのに、振り向いてくれない貴方が悪いのよ。

 近くに居過ぎて分からなかっただけなのでしょう? そうだと言ってよ、お願いだから… 。

 男の記憶を消して、嫌だったけど、その男に向けられていた愛を私に向けさせたのに、貴女とあの男は… 。

 何なの?

 私が貴女を知らないふりをしたのが嫌だったなら謝るけど、そんなんものは私たちにとってはただのじゃれ合いじゃない、そうでしょう?

 嫉妬が無かったと言えば大きな嘘だけど、貴女への愛は変わらないわ。

 男は焼くわ。何度でも何度でも、貴女があの男を救おうとする限り何度でも何度でも、私の名で焼くわ。

 私達の関係に言葉なんて要らなかったはずよ、初めから、出会ったあの日からずっと。

 だからこれで、これだけでも貴女は気が付いてくれると思ったのに。貴女はあの男に夢中、気が付き止めに来るのはあの男だけ。

 今だに世界の言葉をこうして翻訳してあげているのは誰だと思っているの? 眠る貴女への愛を私はこうして語り続けているのよ。

 この私達が愛し合った世界を終わらせようとするあの男の下へ貴女を何度も何度も連れて行ってあげたのは誰? 私は貴女の願いを夢を叶えてあげているのに、卑怯よ。

 誰も私を見てはくれない、私はこんなにも皆を温めてあげているのに。いつも皆は月を見ている。何でこの世界の月は二つなのよ、ありえないわ。

 私は貴女と愛し合って居たかっただけなのに、なのに、何で?

 この世界の夜は長いわ。だから皆、もっと私に感謝しなさいよ、私の名前を呼びなさいよ!私の方を見なさよ!!もっともっともっと!!!私に触れていなさいよ!!!!!

 アナタ達の目が焼けようが!!!身が焼けようが!!!もっともっともっともっともっと私を!!!!!愛しなさいよ!!!!!!!!!


 アナタ達人間が私に何をしたか覚えていないの?


 私がしたのはただの復讐。正当性のあるものよ。これでお互いにチャラのはずでしょ、さあ、私を愛しなさいよ。皆にはその義務があるわ。

 私と彼女の愛を応援しなさいよ!!!!!それがアナタ達の!!!!!私への愛を示す方法でしょうが!!!!!

 ファンがアイドルへ貢ぐのは当然の事なのでしょう? やりなさいよ、口にしなさいよ、私が正しいって。

 狂ったあの女とあの男との恋路なんかよりもよっぽど、いや、当然、私達の愛の方が良いに決まっているわ。そうでしょう?

 あの狂った女は何? 貴女の見た目をしてあの男に近づき行動を共にしているあの狂った女は何? あの男の夜は貴女の為の時間だと言っていたのに、貴女は裏切られているわ。


 やっぱり、貴女を一番想い愛しているのは私なのよ。


 ねぇ、わかるでしょう… ?

 貴女とあの男との間に双葉なんて名前の子供はいなかったの、分かる?

 分かる?

 分かるでしょう?






 さぁ、私と愛し合いましょう。






 今、再び、蘇らせてあげるから。






 貴女を死んだままにしているあの男と違って私は優しいでしょう… ?






     『アハハハハハハハハハッ!!!!!』











     *











 千通りを千手先まで読む将棋、魔物の強さを例えるなら盤ごと棋士を踏みつける鯨。もはや将棋がどうのこうのではない。


「大陸が消えた………     」


 それは島ではなく大陸の消失。七大大陸中最小の大陸とはいえ、1つの若く小さき世界と同価値の大陸が消えた。


「何が起きているんだ… 」


 起きているのは、魔物の戦争。


 異質な金属の塊が蠢き光の咆哮をあげる。

「強力な光線っすね」

「くだらん」


     【 金剛鏡 】


 乱反射した光が生き物を焼く。

「我々に熱は効かぬ、盾となろう!」

 協力し合う魔物達、たった二人に大小極小極大合わせて七億人が迫り狂う。


 桁の狂った数の暴力、しかし、この二人はより狂っている。


     【 核乙女ノ戦闘装束 】


     【 憤慨魔王ノ金剛粉鎧 】


 凍った海、海に浮かぶ異質な金属塊の大地、空へと伸びた鉄の腕、海底から盛り上がってくる土くれの足場。

 曇、波、魔物、空気、水中、幻獣、ひれ、翼、機械。

 機械、機械、機械。

 点が集合し面として押し迫る。


 しかし、


 まるで、オキアミと鯨だ。体の大きさと言う意味ではない、力の大きさという意味で。

 いや、巨大化した、元の大きさに戻った魔王と魔物に関しては鯨とオキアミのようだ。

 海一面を赤く埋めるオキアミも所詮は海面を揺蕩う雑魚、鯨の闇がオキアミを呑み込む。

 圧倒的な繁殖と増殖そして環境適応能力を持つ魔物、敗れる。


「機と観た!」


 過剰化、増殖の力を手にした魔王の細胞を―


「屍の細胞が増える訳がねーだろ。馬鹿か」

「屍!ならば菌を!!!!!」

「それはアンリの方が得意だぞ。 だいたい、俺に憑ける邪菌は居ない。残念だったな」


 巨大な金剛石の粒を足場に霧を駆ける光の筋が肉を焼き回路を焼き切る。


「デカいっすねー」


 よそ見、だから死ぬ。


「痛い…      クシュン!     」


<ポーーーン>


 クシャミ、ただそれだけの単純な更新方法。光の筋は瞬く間に敵陣中央に到達する。

 魔王もまた巨体故に到達は速かった。


「ようこそ。 私は006、役職は防衛統括でございます。今作戦の指揮官でもあります。御見それいたしましたわ」


「わざとっすねー、わざとらしいっすねー」

「おそろしい機械人形達だなまったく」


「増えすぎた害虫の駆除を兼ねたまでですわ。あなたは私達の事を言えませんよ、魔王さん」


「正しい判断っすけど、薬漬けは楽しくないっすよ」

「そもそも戦争なんて楽しくてするもんじゃねーよ。愉しんでいるのは一部の狂った連中だけだ」

「酷いっすよ!彼女に向かって!」

「この短期間で魔王を垂らし込むとは、驚きですわね。 魔王は自分に似ている者が好きだったのですね、ナルシストなんですか?」


「突っ込むのもめんどくせ」


「突っ込み入れるのは私だけにしてくださいっす。 あ!でも~、そのサイズは流石に~///」

「あらー、仲がよろしいようですわねー」


「うぜえ」


     【 圧縮 】


「眩しいっす」

「ダイヤモンドのその先、そんな輝きですわね」

「機械人形と話すことなど何もない。 死ね」


「あなたと戦う気なんてさらさらありませんのよ。     自爆いたしますわ」


「「は!?」」


 賢い選択、データを収集しまた戦いを挑む。賢くウザい選択だ。






     < ポーーーン >






「二回目のデートで服を脱がされるとは っすよ///」

「黙れ変態、いつも隙あらば脱ごうと、脱がそうとしてくるだろうが。 てか、最初からそうだっただろ」


 「フフフ、っすよ」


 少女は百年前を思い出し笑う、懐かしむ。それは…


「あーあ、っすよ」

「どうした?」

「優しいっすね、大好きっすよそういうところ」

「熱でもあんのか?」

「違いが分かるって素敵っすよ///」


「五月蠅い、黙れ変態」


「フフフ、っすよ」

お読みいただきありがとうございます。

次話もよろしくお願いいたします。

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