第十話:忘れる事は幸せと思えば。
彼女らの関係性を忘れて読むも読まないもあなた次第です。
神様への期待と愚かさは比例する。そして、信仰心の無さと傲慢さは比例する。歴史上の人物、ご先祖様、誰でもいいから誰か、自分ではない誰かを尊敬し想いを寄せる事をお勧めしたい。居ないというのなら旅に出て見識を広めるべきだ。心の旅でもいい、旅をしよう。尊敬するべきは相手が山でもいい、もしかしたらその山も生きているかもしれないから。
身勝手な思い込みと思いやり、忘れる事で訪れる幸せの形を描こう。
不幸は状態であり感情ではない、絶望は感情であり状況ではない。
絶望を苦痛とひとくくりにしてしまう恵まれた環境で息をする怠惰な好奇心の子らに深淵よりの使者を。
忘れる事を忘れて生きよ、経験することで広がるものに善悪は無い。だから子らに教えるのだ、塩梅とわび錆びを。
矛盾などではない、道を見つける為の一歩。それを踏み出す事を嗤わず押しもせず戻って来た時の居場所をいつも通りの居場所で迎えて酒でも酌み交わす酒は美しい。
朝日の香るコーヒーと談笑も美しい。
「このコーヒーまっず!」
「パンの耳を煎って作ったものなんっすから文句言わないでくださいっすよ」あるだけまし、戦場に贅沢な癒しを求めるなっすよ。
「階級は君が一番下、お家をここに持ち込まない」
「 …すみませんでした。」
ざまあぁっすよ、明日戦場に出たら撃ってあげますっすよ名前忘れた君。
「 」日輪お姉ちゃんが無言の圧力をかけてくる、仏の顔も三度と言うし今回は止めておこう。
たぶん。
気が滅入る、四人以上での食事は嫌いだし苦手だ。
戦うよりも嫌いかもしれない。
ここのベースキャンプは男ばっかりだ、四人掛けのテーブルでちっぽけなコミュニティを形成している。
このちんちくりんは仲間はずれで席が無く、度々私達三姉妹の空き椅子に居場所を求めてやって来ている。
うざい。
こちらが分かりきっている事を分かっていない、もっと敏感に感じ取れ。
時間を合わせてきている事くらい知ってんだよ、キモイよまじで。
そんなんだから仲間外れにされちゃうんっすよ、ちんちくりん。
「けつの穴は無事っすか?」
「コーヒーが空で良かったわ」
「下品ですよ」
「痛っ!」ダブルお姉ちゃんチョップは痛い。
「 」
「!」俯き手を腿の下にあてている、泣き顔だ。
「うわぁ… 」
「変なこと聞くからよ」
「御三方のように強くない僕がいけないんです」
「誰にも相談できずにって感じっすね。でも、私達にはあっさり… 、 あ、此処の師団長っすか」
「!!!!!」
「図星ね」
「ショタコンのロリコンのペドフェリアってなかなかね」
「幼女の死体を直属の部下に運ばせてたっすよ」
「ネクロフィリアもなの? うっわぁ… 」
「ぼ、僕は14歳です!そんなに子供じゃないです!」
「下の毛も生えてないちんちくりんなのにっすか」
「二人共子供ね」
「そうね、子供ね」
「あ、ネクショタロリペド師団長に掘られたって、診察してもらった方が良いっすよ。近寄んないでくださいっす、鬱男の奇病がうつったらいやっす」
恐さから自分は子供じゃない発言で場を濁し話をすり替えようとしたちんちくりんに現実を教えてあげる私って優しい。
足で蹴って椅子から落とす。
私って優しい。
「 」
「はぁ… やめときなさいよ」日輪お姉ちゃんが呆れている。
「うわぁ… 」
「こいつ喜んでるっすよ」
「だからやめときなさいって話よ。余計についてくるでしょう、まったく」
「変態ばかりね」
「腐れ変態ネクショタロリペド師団に掘られて腿を撫でて喜ぶってえぐいっすよね」
「私達の席にわざと座りに来る辺り阿保よね、後で馬鹿な男達に殴られるのに。ある意味天才だけどね」
「誰とも付き合う気は無いのにね。近づかないでほしいわ」
「M意味変態っすね」
「ただの変態よそれ」
「変な目で私達を見るな」日輪お姉ちゃんもなかなかだ。たったそれだけの言葉でも重みが違う。
後日、ド腐れド変態ネクショタロリペド師団の私室に戦死した少年兵の遺体として運ばれる事となったちんちくりんは死に化粧をその私室で受ける事となった。
「おお、可愛い私の坊や、ちっちゃな棒や。私に生の時から精の快楽そして死の時までを預けてくれるなんて!任せてくれるなんて!!!最高よ!!!!! 食べちゃいたいくらいにね」
ド腐れド変態ネクショタロリペドカニ師団はお腹を壊して悦に浸っておられたそうな。
ドMド腐れドSド変態ネクショタロリペドカニスカ師団… 長いっすね、ロベルト・ブラウン師団長は薬中だ。
それがばれてクビになった。
世の中変だが、仕方が無い。人間と言う生き物が己を、人間の本質を崇高な生き物だと思っている変態だから仕方が無い。
私はMじゃないから真には分からないけど、自分を良いと思い込めない。
めんどくさい。
戦争もめんどくさい。
でも、魔物達は私達人間を襲ってくるから戦わなければならない。MでもSでもない私には辛い現実だ。
戦争、百年も経てばそれが日常となる。いまだに戦争と言っているのは以前の世界に戻したい思いからだろう、魔物の居なかった頃の世界に。私達には分からないけど。
霧曇三姉妹、私達はひとくくりにそう呼ばれている。本当は私の下に冬美と言う妹がいる、居た、か。居たのだが、幼い頃に両親もろともピエロに喰われて死んでいる。だから、私達は三人だけんも家族、霧曇三姉妹なのだ。
霧、靄、霞、任務上私達に付いているこの別称も半分は姓から来ている。もう半分は見た目から。
私達三姉妹は皆白い。アルビノと呼ばれる体色素の薄い体で生まれてきた。そのせいで家族の数が半分になった。
ピエロはアルビノに憧れを持っている。
ナチュラルな白地の肌と髪を崇めている。ピエロは魔物で人間で狂った教徒、私達三姉妹はピエロが嫌いだ。
敵で仇、魔物との戦争よりもピエロの殲滅戦に参戦したい。
白くない私達の両親と妹をピエロ達は異物として殺して喰った。無益な殺生は嫌いだから正当化するために喰ったのだ。
私はピエロを殺してその死体で遊んでやる。グチャグチャにして遊んでやる。
その為にも魔物を殺すのは利点が多い。まず、生きる為には生存可能圏の確保の為にも魔物は殺さなければならない。そして、殺せば殺すほど昇格しピエロ殲滅戦への道が開ける。お金が入る。蜂蜜も食べれる。
蜂蜜が食べたい。贅沢を言うならば、角砂糖にかけて食べてみたい。幸せな甘味を味わってみたい。
ピエロには分からない贅沢だ。なんせピエロはユーカリの葉を食べるらしいから。証拠だってある。
ピエロの教典より、ユーカリの木。
『糞ったれな世の中へ、
愛だとか希望だとかどうでもいい。一人で生きられる世界であって欲しい。
会社も学校での生活も冷え切った夫婦生活も無くなってしまえ。口の悪いヤツ素行の悪いヤツ金でしか評価がされない危険度も分からない愚か者共。
口が悪いでは済まされない事が有ると知らない奴らが多すぎる。
幼少期のトラウマよりも思春期のトラウマは根深いのだと知れ、社会は常に変動している適応できなきゃ死ぬだけだ。
貴様らは鈍感すぎて考えが鈍い、お前らは敏感なふりをして演じている。
気味が悪い、居心地が悪い、一人で生きれる世界が欲しい。一人にさせられる世界は悲しい。
敷地で狩りをして文句を言われ、飯を食わずに野垂れ死んでも文句を言われる。
言葉は武器だ身にしまえ。
自分の物、そんな価値観と概念が出来たから人は人と争うようになった。人は違いを明確化するようになった、愚者の歴史の始まりだ。
殺人事件、人種差別、迫害、全てはたった一つの概念から産まれたる愚。
知性を持ったまま自然へと帰化する事は出来ないのだろうか?
愚者の歴史は拭えない、どんな文明も崩壊する定め。
世の中から全ての愚か者が消えればいいのに。
薬に手を出し掴んだ栄光をひけらかすな、恥と知れ。スポーツもアートもドーピングして何になる。金になる?愚かしい。
いつまでたっても生身の人間では自然に勝てない道を歩むというのか、阿保らしい。
そんな道を歩むくらいなら、死ぬ道を行く。
写真に勝てない日本人洋画家、そんなタイトルの作品を理解した気で眺める愚者を見たくはない。
愚者と惨めさをわきまえない行きずりは街を遠く離れて身を隠せ、それが現代社会の波行く身の先。
己の世界を最善だと最高なのだと思い込み過ぎるな。妻と夫、最高で最善と思うのは己が家族までにしておくことがいい。そうなるよう尽くす為に。
身内に影で、何の役にも立たないあんな奴生まれてこなければよかった、や、さっさと死ね、と言われるのは無性に悲しい。
ナイフで刺しに来るのも、お箸で目玉を刺されそうになるのも、覆いかぶさられるのも、叩きつけられるのも、いつまでたっても夢に見る。
お前も頑張らないとなお前も捨てられたから、親に捨てらえた子供の就職を撮った番組を見て血の繋がった者に言われる。家を追い出されて久々に響いた言葉はそれだった。
今でもたまに思い出す。
忘れられたらいいのにな。
忘れるのは友ばかり、居たのかどうかも分からない。
名前も人生も性別も容姿も家族も友さえも、すべて忘れて樹になりたい。ユーカリの木になりたい。
虫も寄生植物も焼いて毒して一人で生きれるユーカリの木になりたい。ずっと太陽と月と大地と水に感謝しながら、ずっと。
馬鹿なガキに落書きされるのはごめんだが、夫婦や恋人たちの名前なら喜んで刻まれよう。子供の身長は止めておいてほしい、木だから、伸びるから、正確ではないのだから。雰囲気だけなら別にいい、成長速度の競争でもするかい?
国も宗教も人種も無い、不定期でたまに来る心を淀めてくる黒い日も無い、そんな世界で息をしたい。
私はそんなユーカリの葉を喰らう。』
アルビノのコアラの鼻が赤く塗り潰された画像が添付してある。
ピエロの教典の1ページ、私はピエロが嫌いだ。
死ねばいいのに。
お読みいただきありがとうございます。
次話もよろしくお願いいたします。




