邂逅の箱 1
(これ・・・・死ぬやつだなぁ・・・・)
正面の扉とガラスに囲まれた部屋。床は白く上からの電灯がより白さを過剰なほどに強調していた。そのせいで気が付いてから目眩が治るまでに結構な時間が立ってしまったが、ようやく状況の把握が出来た。
(いや状況の把握は出来ても何だよこれ訳わかんねーよ。)
ガラスの向こうにはみな眼鏡の白衣姿の連中がずらりと立ってこちらを眺めている。連中の姿とこの場所、そして椅子に固定された自分の体、ここから考えられることはここが研究室であり自分はその研究材料ということであろう。そしてその研究の過程で自分は死ぬことになるのだろうと感じた。白衣姿の連中と自分の間を隔てるガラスにはよく見ると引っ掻き傷や血のような赤や黒が無数に付いていた。
なぜこんなことに…ことの始まりを思い出そうにも記憶が不鮮明だ。
『……ではこれより実験を始める。せ…』
「ちょちょちょっと待って!まっ待たれよ!!」
『………………』
部屋のどこに取り付けてあるのかスピーカーから聞こえる実験が始まるいう言葉が意味するところの自分の終わりが近づくという事を瞬時に理解し咄嗟に声をあげてしまった。だがそれは正解だった、いや言葉使いとかはもう正解とか間違いとかどうでもいいがとりあえずマイク越しの相手はこちらアクションで止まってくれたのだ、一時凌ぎでも…
『んもぉぉぉぉぉぉおおおいきなり喋るんじゃないよッ!驚いちゃうだろうが!こういうのカンペ通りに読むのが好きなんだからさぁ!アドリブとかめっちゃ苦手なんだからねっ!?』
「あっ………はい…すんません…」
「『………』」
(いやいやいやいやちょっと流れに飲まれて謝っちゃったけど違うでしょ?違うよね??これ 周りの眼鏡共もこれは違うよな?よし今笑い堪えてるあの眼鏡は味方だなうん)
『ではこれより実験を始める。せ…』
(こいつ仕切り直しやがったぁぁ!あぁぁしまった心の中でツッコンでもダメだろ俺 まっ間に合わない)
『積極的模倣性質箱もとい仮称imitation Box No.4に対して対人接触実験第4回目を行う。被験者男性。記憶処理済み。・・・んーあとはもういいっしょ。もうめんどいしはよ観たいしレッツゴー実験けんはよはよオープンっ!』
ポチっという音が小さく聞こえて正面の扉が開かれた。
モンスター系の映画とか作品好きでちとテンション高い系キャラ達で愉快な感じで進めていけたらなぁと思ってます。モンスター映画、作品のネタ的なものちとまぜまぜしていきたいっす。