風呂場
すみません、遅くなりました、、
「ごちそうさまでした!」
俺は茶碗を置き、手を合わせてそう言って台所に食器などを置こうとすると余音さんが。
「あっ私がやるわ」
と言った。
「別に良いですよ、自分は泊まらせてもらってる身だからこのくらいは……」
「そう……少しみない間に大人になったわね大地君」
余音さんは笑みを浮かべてそう口にした。
「そ、そうですか?」
俺は照れてそんな返しをして台所に食器などを置いた。
「皿洗いは私がやるから大地君、悪いけど先に風呂に入っててくれる?」
「あっはい、わかりました……えっと」
「お風呂はここの右から出て真っ直ぐ行ったら曲がり角があるからそこを曲がって正面にあるわ」
余音さんはそう風呂場への道のりを教えてくれた。
「あっありがとうございます……では先に失礼します」
「ええ……それと、その風呂部屋の所に今日の着替えも置いてあるから」
「本当に何から何までありがとうございます」
俺は軽く頭を下げた。
「あっいいのいいの! 私だってここに来てくれるのはすごい嬉しいし、この町の良さとか改めて知ってもらいたしね」
「それでも、こんなに優しくしてくれる人なんていませんよ」
「そ、そうかしら?」
余音さんが珍しく照れて言った。
その姿に俺は一瞬顔を赤くなってしまったが。
「ええ……本当に感謝してます……って何か白けちゃいましたね! すみません」
俺は少し心を自重させてそう謝り。
「……じゃ、じゃあ風呂に入ってきます!」
と言ってその場から立ち去った。
「ふぅ……」
俺は湯船に使い吐息を吐いて天井を見つけた。
少し年季が入っているせいか若干ひびがあったが俺は気にせず今日起こったことを振り返っていた。
「今日はいろんなことがあったな……余音さんや奇蹟との再会、そして葬式………………奇蹟、元気かな?」
俺は途端に奇蹟との昔遊んだ光景を思い出した。
今日行った海辺で両親から帰ると言われても遊びたいと言って奇蹟と一緒に遊んだ光景を。
「……なんで、君があんな目に……」
俺はいつの間にか涙を流していた。
やはり、余音さんのことが気になろうと、俺は奇蹟がまだ好きなんだと俺は再度実感し、その彼女になにもできない自分に苛立っていた。
「一体なにやってんだろうな……俺」
だけど、独り言を呟いていても何も始まらないよな……。
だが、やはり俺には彼女に何もできないんだ……何もできない。
「……そろそろ出るか」
ただ考えていても何も始まらないし、余音さん待たせてるしな。
「……よし」
俺はもう一息つき、風呂場を出た。




