真理子さんと真美ちゃん
真樹と優美が風呂に入っている間に、
真理子さんと真美ちゃんが来た。
…とりあえずリビングに案内する。
「へぇ…けっこう広いわね」
そういえば真理子さんは家に来るの初めてだっけ?
「お兄ちゃん、真樹君…じゃなかった…
…真樹ちゃんの部屋に行っていい?」
「いいよ」
「ありがと〜」
そう言って真美ちゃんは真樹の部屋に行った。
…真理子さんと二人きりになった。
「…ねぇ、元君には真樹ちゃんのコト話したの?」
「近い内に帰るって言ってた…
ショックだったみたい。」
「…そりゃあそうね。
分かっていたとは言え…」
ガチャッ
「お兄ちゃん!
この髪、お姉ちゃんにやってもらったんだよ」
「…真樹…そっか、
よかったな」
真樹はワンピース姿でポニーテールと、誰がどう観ても女の子だった…。
…俺も驚いたが、真理子さんはもっと驚いていた。
「あ、おばちゃん居たんだ」
「…本当に真樹ちゃんなの?」
「うん、そうだよ。
女の子になっちゃったケドね」
「真樹ちゃん〜」
そう言って優美がリビングに来た。
「お母さん早かったわね」
「そりゃあ、真樹ちゃんの一大事だもの。」
「あれ、真美ちゃんは?」
「真樹の部屋だよ」
「そっか〜」
そう言って真樹は自分の部屋に行った…
「びっくりしたわ…だってそっくりだもの」
「そっくり?誰に?」
「…あなたのお母さんよ」
「えっ…母さんに?」
「そうよ」
そう言って真理子さんは一枚の写真を取り出した。
「この子…真樹にそっくりだ…」
「本当に似てるね」
そこには、真樹と同じくらいの歳だろうか…
かわいい女の子が写っていた。
「その子…薫さんよ」
「母さん…」
「薫さんは今の真樹ちゃんと同じくらいの時に女の子になったらしいわ」
そういえば、母さんが父さん達に出会ったのって中学生になってからだよな…
「でも、お母さんが何でその写真をもってるのよ?」
「頼まれたのよ、元君に
『俺の代わりに説明してやってくれ』って」
「そっか…」
(父さんなりに考えてたんだな…)
「この写真、尚樹君が持ってて」
「えっ俺?」
「だって、私が説明するわけにはいかないし…」
「お母さんが説明しても、信じてくれないと思うよ」
…確かに…
真樹に『お前はいつか女の子になるかもしれない』って説明するのも大変だったし…母さんのコトは上手く隠したけど…
「そうだな…。
俺が言うしかないんだよな…。」
(これから真樹が成長するにつれて、
ますます母さんに似てくるだろう…
そうしたら、
もう誤魔化せない。 …父さんも同じコトを考えていただろうしな)
「私も一緒に説明してあげるね」
優美…
「ああ、助かるよ」
「二人共、仲良いわね〜」
真理子さんのその一言に優美の顔は真っ赤になった。
「そっ、そんなんじゃないし!」
「あら、私は仲良いわねって言っただけよ?」