◇旅立ち
僕が正式にアガレスのパイロットになって、一週間たったその間に銃の使い方やサバイバル訓練をさせられ、そのうえ居候も増えハードな一週間だった。
「いってきます、留守番たのむよ」
「はい、いってらっしゃい♪いってきますのキス?」
「そんなのしません!」
毎日こんな感じで疲れる、確かに昔は婚約者だったけど今はただとの友達だと思いたい………はぁ。
「おはようございます〜」
「よぉ、ナツルなんか丹波最高司令官が話があるらしい、10時に集合だ」
鷲尾さんはそれだけ伝えると食堂にラーメンを食べにいった………食べ過ぎだろラーメン。
「よし、こんな所か……そろそろ行くか」
騎体の整備をすませ、格納庫から出る。
「む、来たか……では早速本題はいるかの」
結構なお年だか、軍服を来て背筋を伸ばし厳しそうなおじいさんが立っていた。
「今の軍の現状はわかっているな……戦況は此方の方が少しばかり不利だ」
隣で秘書らしき、赤髪の綺麗な女性がたってモニターに世界地図を映す、所々に赤い色が塗ってある。
「すまん緋口くん、赤い色の領域は【シグマ】の占領した領土だ、やつらはどうゆう訳か此方の寄り、数段上の技術をもっておる……MGの数も此方の寄り多い」
丹波最高司令官はコーヒーを飲み、一息つくと彩華さんに説明を頼み、椅子に座る。
「すまんの……最近腰がのぉ、歳には勝てん」
「では、私から話すぞ、鷲尾 隆章中尉、榎本 夏琉小尉は水陸両々戦闘艦“マルコキニアス”に乗り、戦闘データの採取をし各地に戦闘に出てもらう」
モニターには、巨大戦闘戦艦のデータが出ていた。
「了解であります!」
「あ、あります」
僕は鷲尾さんにつられて敬礼する。
「なお、マルコキニアスには私も搭乗する、榎本小尉!新型の製作作業を私とするように」
何時もと違って真面目な雰囲気の彩華さんに僕は少し戸惑いながらも、返事をし司令塔から格納庫にでる。
「はぁ〜疲れる、アガレス……頑張ろうな」
午後から鷲尾さんの指導で白兵戦のしかたや、レールガンの撃ち方などをミッチリ訓練した。
「うし!上出来……おれラーメン食いに行くから」
「あ、有り難うございました(ラーメン以外の食べ物食べないのか?)」
仕事を終わらせ、何時もどうり帰宅する。
「ただいま〜」
「お帰り♪、私にする?私にする?それとも……」
「お風呂にします!」
一々相手にしていたら、疲れるので先にお風呂に入る。
「いいお湯だった〜、今日はハンバーグかぁ」
「嫌だった?」
「ううん、それよりどうして僕の場所が分かったの?父さんにも教えてないし」
琴乃は食べ物を飲み込み、嬉しそうな顔をする。
「鳴神家の、情報網を甘く見ちゃダメだよ♪」
「そ、そう」
父さんにもバレて居るだろう、琴乃も父さんに頼まれたらしいし。
「で、何時帰るの?」
「さぁ?」
「……………まぁいいけど」
別に居られても迷惑が掛かるかけでもなく美味しい手料理を食べさせてくれるのでどちらでも良かった。
「ふぁ〜明日も早いし、もう寝よ」
「私と一緒に寝る?」
「………無理」
一瞬血迷った、自分を説得し部屋に入って眠りに着いた。
〜〜〜〜〜翌朝〜〜〜〜〜
「よし、揃ったな!では開艦式を始める、搭乗してくれ」
アガレスとフラロウスの格納も済み、出港準備が出来た。
「スゴいや!イジリたいな!」
「ナツル落ち着け、ほらミーティング・ルームに行くぞ」
僕は首を捕まれ回れ右をさせられた。
「鷲尾中尉!榎本小尉!入ります」
ミーティング・ルームには二十人の人が集まっていた。
「では自己紹介を頼む」
彩華さんが仕切り、自己紹介をすませる。
「整備員の五十嵐、小杉、城戸、三国、花道、篠村だ」
続いて、左の軍服の人達が自己紹介をする。
「オペレーターの相川、迎撃システムを管理する森、レーダの国原、指揮管の私、椙本……そして」
相川さんと森さんが道を開け、見慣れた人物が出てきた。
「私が艦長の鳴神 琴乃です♪」
……………えぇえぇえぇえぇえぇ?!
「こ、琴乃なんで居るの?」
「ナツル〜私が艦長だからに決まってるじゃん♪」
僕はワナワナ震えながら、何とか冷静になる。
「次だ、猪狩小尉」
「はっ!猪狩 葵小尉です」
僕より、年上なクールそうな少女が敬礼している。
艶やかな黒髪をしていて、少しつり目だがかなり美少女だ。
「これで全員だな、では今日6時に出港する!遅れるなよ!解散」
彩華さんが絞めて、解散となった。
「驚いた?私が上司だよ〜」
「はぁ、だから僕の居場所が分かったのか」
琴乃は艦長室で仕事をしにいったので、格納庫に行き整備班の人達と彩華さんとで、最新騎体“フォルネウス”の調整をする。
「これは……アガレスにも劣らないスペックだ……」
スペックを調べると、かなりの高性能だった。
「分かるかボウズ!俺達自慢の一品だ!」
「えっと……五十嵐さん?確かに凄いです」
パーツの調整とフレームを装備し、完成体に近くなっていく“フォルネウス”
「これを作るのに一年、かかった……大事に扱って欲しいもんだ……まぁ兵器に行ったってショウがねぇか」
豪快に笑いながら五十嵐さんは、彩華さんの元にいった。
「ほら、ボーっとしないで…エンジンのチェックして」
城戸さんが、僕の頭をポンポン叩きながら頼む。
「了解です」
コックピットに乗り、機動させる。
「出力上昇100、110、120よし、大丈夫だ」
ある程度の整備を済ませ、“フォルネウス”から降りようとしていたら、猪狩さんが“フォルネウス”のもとに来た。
「君は……榎本小尉か」
「ナツルでいいよ!よろしく僕はアガレスのパイロットしてるんだ!」
「ああ、よろしく」
握手をし、席を開ける。
「ふふ、新型のMG!燃える!」
「猪狩さん?」
「葵でいい!うん、やはりロボはいいな」
見掛けによらず、けっこう熱い人だった。
人は見掛けにじゃないなぁ。
「…………くっ!あはは!驚いたか?」
「うん、クールそうなのに、凄く熱血だったから」
葵は苦笑しながら、“フォルネウス”のOSを組んでいく。
「よく、言われるよ……よし、こんなもんか」
作業を終え、格納庫からブリッジに行く。
「うむ、来たなでは出港だ……艦長」
「はい……マルコキニアス発進!」
ズゴゴゴゴゴォォ、マルコキニアスが動き出し海に向かって進路をとる。
「これより、本艦はアメリカ合衆国、テキサスの合衆国本部基地に向かいます」
「了解!」
その場に居たみんなは、琴乃の指示どうりテキパキ仕事をこなす。
「ナツルは私と居るの〜」
「はぁ〜あのね、仕事をしなくちゃダメでしょ!」
早速おバカな命令が来た。
「艦長命令です♪」
「くっ」
仕方なく、琴乃の隣にくる。無視しても良かったが森さんの目線が怖かった。
「そうそう、それでいいのどうせ、3日は暇なんだよ?」
「僕はパイロットと整備士の仕事が有るけど……」
て、聞いてないし……たく、何が楽しいんだ?
「さて、わたしはバクエンガーのDVDでも見るか」
なにっ?!
バクエンガーといえば、チビッコに大人気の熱血ロボットアニメだ。
僕も見たかった………。
こうして、僕は何時もと変わらない日常を艦内で過ごすのだった。後で、葵さんに見せて貰お!
K104ーフラロウス エリゴールの戦闘データとアガレスのスペックを元に開発された最新騎。 武器、ヒート・ブレード×2アーム・ガトリング×1 アンカー×1、十連装ミサイルポッド×2、レールガン×1 全長11メートル