◇偶然から始まる物語
この物語の椙本彩華さんは、魔法機械ライフチェンジャーの方と同一人物です。
誰もが羨む用な裕福な家庭望む物は直ぐに手に入り、何の苦労もする必要がない。
「待ちなさい!ワシは許さんぞ!」
高そうなスーツを着こなした男性が少年の腕をがっしり掴む。
「父さん!僕は家を出ます……僕は…自由になる!」
「まて!なつる!」
少年もとい、ナツルは父の腕を振り払い勢い良く走り出してしまった。
「…………ナツル……何が不満なんだ」
〜〜〜三年後〜〜〜。
「よし、整備完了!」
「お疲れ!榎本休んでいいぞ」
家を飛び出してから三年、習い事ばかりで自由のない生活を抜け出し、兼ねてからの夢だった軍の整備士になれた。
「グハハは、坊主!相変わらずいい整備をしてくれるな!」
お頭が僕の頭をグリグリ撫でてくる。
「痛いです、お頭!」
「おっと、すまない」
僕の頭から手をどけ、ファイルを渡される。
「明日の分だ、午後はフリーにしてあるからな!」
「え?いいんですか?」
お頭はタオルで汗をふきながら、第四格納庫の方を向く。
「ああ、いいんだよ……あしたはMG二十騎の整備と収納だくだ」
「わかりました!では自分は帰らさせてもらいます!」
僕は更衣室に向かい着替えを済ませる。
「おっ、来たな…よし帰るか!」
彩華さんが車で僕を待っていてくれた。
車に乗り込みアパートまで送ってもらう。
見慣れた風景がそこに会った、一週ぶりに我が家に帰る。
(久しぶりだなー、早く休みたい…あっ、また走ってる)
僕の目は赤髪の男の子?すこし遠くて分からないが目で追ってしまう。
「ついたぞ、なぁ…ナツル私の家に来てもいいのだぞ?」
彩華さんが誘ってくれるが三年もお世話になる訳にはいかない。
「……大丈夫ですよ!僕も15ですよ?」
そうかと、残念そうに頷いて、来たい時に来ればいいからな、と車で帰ってしまった。
「ふぁー、早く寝よ」
〜〜〜〜〜翌朝〜〜〜〜〜
僕は、彩華さんと共に鳥井第四基地に来た。
「では!行ってきます!」
「ああ、整備は確りな」
彩華さんと別れ第四格納庫に向かう。
格納庫には二十騎の量産騎の“エリゴール”が寝かされいる。
「よし!気合いいれていくか!」
各部品のチェックや武装の不具合はないかを調べる。
「これくらいかな……ん?」
ファイルをチェックしていると、整備とは関係ない紙が混ざっている。
「なんだこれ……“アガレス”?」
僕は少し興味を持ち、第四格納庫から製造ブロックにいく。
「これか?見たことないタイプだ……新型?」
僕は青を基調としたカラーの騎体に近づき、コックピットに乗り込む。
「へえー、かなり最新技術を取り込んでるな…百八十度の視界か……」
僕は“アガレス”のスペックを調べる。
「すごい!量産騎なんか相手にならない性能だ!……しかもかなり高度なOSを組んでるな」
ビービー!
‘総員戦闘準備!繰り返す総員戦闘準備!識別シグマMG数15!’
「て、敵?ヤバい!」
急いで“アガレス”から出ようとするがハッチが開かない。
「嘘?!開かない!」
ドォン!ズドド!ボォヮん!
「もう戦闘が!くそ!」
〜〜〜〜〜司令塔〜〜〜〜
「“エリゴール”四番!五番沈黙!」
「くっ!ヤバいな……椙本博士!“フラロウス”は動くか?」
「…はい!鷲尾中蔚!頼む」
「はい!」
ドォン!ボボン!
『い、いやだ!ぐぁ!』
『や、殺られる!ぐぁー!』
「はっ、やはり機体が良くても腕がなくちゃな!」
ピっ!
『隊長!ターゲットを発見しました!』
「そうか!“アガレス”を奪還する!」
ドゴォーン!バキバキ!
アガレスのメインカメラから敵のMGが映る。
「嘘でしょ?!」
『ターゲット発見、回収する…ん?うゃあ!』
ドゴォーン!
てきのMGのコックピットに穴があき倒れる。
『アブね!まず一騎!』
目の前に現れたのはやはり、見たことのないタイプだった。
「た、助かった」
きがぬけて、まえのめりに倒れる。
『パイロット登録完了……アガレス…メインメモリー起動…』
「な、しまった!ヤバィ!」
アガレスが勝手に起動し、立ち上がる!
グォォォン、ブォン。
『なんだ?誰だ?!アガレスを動かしてるのは?』
通信が入る。
「あ、あなたは!年がら年中ラーメンばっか食べていて!全くやる気の感じられないダメ軍人の鷲尾 隆章さん」
「……ケンカウッテンのか?!それより!早く降りろ!敵がくる!」
パパパバ!ピュンピュン!
『くそ!』
鷲尾がミサイルポットを発射して、一騎倒す。
「あ、あ、」
僕の目の前には、腕が四本着いている、軍のMGじゃない機体が目の前に表れる。
ガォァァン!
普通の騎体より、一回り大きいので、アガレスが四つのアームに捕まり身動きが取れない。
「くっ!僕、死んじゃうのか……って、まだ彼女も作ってないし!遣りたいこともたくさん残ってる?!」
僕はグリップを握り、闘う事を決める。
「信じろ!アガレスの性能を信じるんだ!」