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Mystic Lady ~完結編~  作者: DIVER_RYU
最終章『Mystic Lady』
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『Mystic Lady』

『航海日誌※月×日。あの戦いから三年、この世界は目まぐるしく変わりつつあった。一般人でも海に潜れるようになったことで事実上の特権階級というモノがなくなり、世の中は本当の意味で便利なモノとなりつつある』


「くぅ~ッ! やっぱ潜水作業の後の冷えた体に、カズのやいとは効くねぇ!」


 ハイドロ島にある、カズの家。スーツを脱ぎ、上半身裸になって畳の上に横たわる琉の姿がそこにあった。事件の後、技術の向上により新型のラングアーマーが開発された。それにより一般人でも簡単な訓練を受けることで海底での作業に従事出来るようになったことにより、あの制度は廃止されることとなったのである。


「しかし琉、ハイドロに帰って来るなんて実に三年ぶりじゃねぇか。最近なんだ、そんなに忙しいのか?」


「当たり前だろ! ……ふふん、悪くないぜ、今の暮らしもな」


 しかし琉の仕事が減ったか思えばそうではなく、旧型のラングアーマーを扱えるヒトは貴重ということからむしろしごとは増える一方。海水面は徐々に下降し、海底遺跡の新たなエリアが見つかるようになったためか、ラングアーマー適能者の需要はむしろ増していたのである。


「しかし何で急に舞い戻って来たんだ」


「急でもねぇぞ。前にも連絡したじゃねぇか。……妊娠したってな」


「あぁ、そう言えばアンタ、結婚したんだったな。つうことは遂に童貞卒業か……。あのシャイボーイだった琉に追い越されるとは、ねぇ」


「一言多いんだよ! ……あつつつつッ!?」


「急に動くんじゃねぇ! ……まったくもう」


 その五日後。カレッタ号が、広い広い大海原をもの凄いスピードで走っていた。目指すはカルボ島。琉が目指しているのは、かつてのメンシェ教会のあった場所に建てられた大きな病院である。船を港に付けると、琉はアードラーを呼び出しバイク形態に変えると早速街道のド真ん中を走って行った。


「っと、ここだな! 確か一階だったな」


 いつもの青いスーツに、真っ赤なスカーフ。逆立った黒髪に、高校生ともとれる幼い顔立ち。三年前とあまり変わらぬ容貌の琉は、病院の廊下をマリンブーツを履いたままスタスタと歩いていた。


「ここの部屋だな!」


 琉が見上げた部屋。そこには“分娩室”と書かれている。


「様子はどうなんですか?」


 近くにいた看護師に琉は尋ねた。


「もう少しです。あとは本人の頑張り次第ですね……」


「そうか、俺には祈るしかないか……」


 そう言った琉に、先程の看護師が聞いた。


「あの、弟さんですか?」


「いえ、夫です」




 決戦の直後、ロッサはふらりとその場に座り込むとその装甲が赤く溶け出し、ドレスのデザインは元に戻っていった。そして溶け出した液体はロッサから分離して再び形を成し、やがて一人の美少女の姿となったのであった。


「フローラ!? え、ロッサとくっついてたの!?」


 驚きを隠せない琉。しかし彼には今やらねばならぬことがあった。


「いかん、アイツを蘇生させねぇと! このままじゃ危ねぇ、ゲオ、舵頼む!!」


 そしてこの決戦の時、メンシェ教徒達を突っ込んだザコ寝部屋にはモニターがあり、戦闘中の様子を逐一伝えていた。目を覚ました教徒達は驚くと共にテンタクルの非情さを、まざまざと見せつけられることとなったのである。


「そんな……テンタクル様が教皇様だったなんて……」


「私達、だまされてたのね……」


「そんな、そんなバカなことがあってたまるか!!」


 その会話や様子を見た教徒達の反応は様々であった。信じていたモノが音を立てて崩壊し、その現実を受け入れられぬ者。テンタクルに見切りを付ける者。何が起こっているのか分からない子供達。そして戦いの後、琉は拾い上げたテンタクルをザコ寝部屋に引きこんで心肺蘇生にかけた。メンシェ教徒達が見ている、目の前である。


「異端者……そんな、こいつ敵だった者を助けるのか?」


「当たり前だ! 俺は目の前で人が大ケガしてんのが耐えられねぇんだ!! だから助けるのさ、見殺しなんて出来るかよッ!!」


 そう言って琉はテンタクルの仮面をずらすと顎を引き上げ、唇が触れないようにフウッと思い切りかつ器用に吹きこんだ。そして両手を重ねて胸を素早く五回押し込んだ。ガポッ、と口から海水を吐き出してテンタクルは意識を取り戻したのである。


「な、何故……何故助けた……」


「このまま放って置いたら、俺は人殺しになっちまう。俺に前科は不用だぜ」


 その後メンシェ教徒達は警察に引き渡された。その中でも薬物反応のあった者は全員刑務所行きが確定した一方、テンタクルは引き渡す際に生きて警察に捕まるくらいならとばかりに暴れ回り、警官から銃を取り上げると自らの脳に撃ちこみ海中へと没したのであった。


「フリムン(馬鹿者)がぁ……何故死を選んだんだ、お前には一生をかけて償いをしなきゃならなかったというのに……これでメンシェ教結成の真相は闇の中、か」


 残った教徒達は全員女性と子供達であった。このままでは食いぶちがない。琉はその人達をカレッタ号に乗せると、ある島へと向かった。そこはかつて、テンタクルの襲撃により流れ着いた孤島であり、琉が発見したことによりオルガネシア領に組み込まれた場所でもある。この島の発見という功績から、琉は多額の賞金と島の土地を有する権利を得ていたのであった。


「メンシェ教徒にも子供がいる、親を失っては子供は生きていけねぇ。放っておいたら俺達のことを恨むだろうし、何よりメンシェ教の子というだけで社会から疎外されちゃあ、あのテンタクルが言ってたように第二第三のメンシェ教が出来てしまう。だったら俺が預かろうじゃねぇか! 多少ハルムは出るけど食うモノには困らねぇし、旨い水も沸くし。ここに孤児院を建てよう! そしてこの島の湖……ロッサ、ここにコロニーを作ると良いんじゃないかな?」


「コロニー……ここに……」


「あ、そんでもって時々孤児院の子の世話を手伝ってくれるとありがたいな~なんて思っちゃったり!」


 決戦の三日後、早速作業に取り掛かった琉。その間子供や女性はカレッタ号で面倒を見ることにして、琉はカズやゲオ達にも手伝ってもらいつつその五ヶ月後、島の平地には質素かつ大きな白い建物が建つこととなった。


「ああそうだ。島の名前、考えないとな。古い文献によればこの辺りはナイトロ山と呼ばれる山だったらしいのでナイトロ島で良いか。そんでもって孤児院の名前もナイトロ私立孤児院。……ん、別に孤児とも限らんしナイトロハウスでいっか!」


 こうして名無しの無人島、改めナイトロ島の島長となった琉。それからは極めて多忙な毎日が待っていた。子供達の世話、定期的に開かれる島長会議、収入を得るための潜水作業。そうした中でも琉は常に、あの赤いスカーフと赤いサッシュを閉め、いつもの青いスーツを着込んでいた。


「このスーツは作業服であると同時に礼服でもある優れモノさ。まぁでも下にはちゃんと着込むけどな、流石に島長会議でスーツの下は救命ベストとふんどしだけってのは、ねぇ」


 琉に発掘されたことにより行動を共にしていたロッサ。彼女はナイトロ島にコロニーを築くこととなり、フローラと共に孤児院の建設も積極的に手伝った。鉤爪で木材をぶった切って溶かしてしまったりもしたが。


「だって、こうすればもっとサクサクいけると思ったんだもん……」


「……まぁ良いや、木材だったらまた切り出せば済む話だし」


 ロッサが築いたコロニーは、ルビーをそのまま液化させたような赤い水をたたえる美しい湖となった。孤児院を建てるまでしょっちゅう顔を合わせていた琉とロッサであったが、一度一緒にハイドロ島に帰郷してから滅多に会えなくなってしまった。というのも、琉は子供達を養うためにも今まで以上に働かねばならなくなり、ナイトロにもハイドロにも滅多に帰って来ることが出来なくなってしまったからである。


「やっぱねぇ、楽じゃないよ今の暮らしもさ。でも、今までよりも充実感が凄いんだ。今俺がやってることは確実に誰かのためになっている、これだよ」


「そうなの……こっちは子供達とわいわい楽しくやってるわ。フローラもよく面倒を見てくれてるし、アヤメも前より笑顔でいることが多くなったし」


「そうか……アヤメがねぇ。代わってくれるかい?」


 メンシェ教の刺客として、何度も琉に挑みかかったアヤメ。自分達の信じるモノを真っ向から否定するだけでなく、軽口を叩く琉を彼女は許せなかったのだろう。だが信じていたモノが崩れ去り、父親までも失ったあの時、彼女は常に半ば放心のまま生きていた。


「琉……あの、その、元気にやってる?」


「あぁ、元気にやってるよ。子供達とは、上手くやれてるそうじゃないか」


「うん! 皆、アタシのことをお姉ちゃん、お姉ちゃんって慕ってくれてるの!!」


「何だ、声まで明るくなってるぞ?」


 今のアヤメに、かつての復讐鬼としての一面は微塵も感じられない。彼女はメンシェ教という呪縛から逃れて初めて、本当の意味での自由を手に入れたのだ。ソディア島での平穏な生活を奪った男が、まさか自分の事を救済するとは夢にも思っていなかったであろう。


「そ、そう!?」


「そうだともそうだとも! 恥じることはないさ、良いことだぜ」



 所変わってここはオキソ島のラング基地。かつて琉と共に訓練を受け、貴重なアルヴァン族の装者となったジャックは、琉の知らぬ所でメンシェ教と関わり、密かに探りを入れて来た。決着の付いた今、彼は基地に戻って次世代の装者達を育てるという仕事に付いている。既に新たなアルヴァンの装者を指導するという予定があっただけでなく、新型のラングアーマーによって潜ることが可能になった一般人の指導も彼は行っていたのである。


「良いですか、まずこの装置にカードを差し込んで下さい。そうすると装置が動きますので、丁度この人型のシルエットに合うように腕を広げ、音声コードを入れて下さい。ではまず僕が手本を見せますね……」


 訓練を終え、ジャックは受付を済ませていた。


「ジャックちゃん、最近頑張ってるねぇ! な~んか前より少したくましい感じになってない?」


「おばちゃん、褒めても何も出ないよ?」


「何か欲しくて褒めてるんじゃないわよ! それと最近、琉ちゃんもかなり活躍してるみたいねぇ。何て言うか、子供っぽい顔だったのが少し良い男になってきたみたいだし……でもまだまだね。ジャックちゃん、男は30超えてからが本番よ! それとあとロッサちゃんだっけ? 最近見かけないわね、元気にやってるかしら?」


「ああ、ロッサさんならこないだ会ったよ。相変わらず元気でね、最近はナイトロで子供達の世話をしてるみたい。……では、今日はこれで」



 琉に力と技術を貸し与えた二人の職人、アルとゲオ。そのためにメンシェ教に目を付けられ家族や職人仲間を危機に晒されたりもしたが、琉やロッサ達を助けつつ戦い抜いた。流石にディアマン族で水を苦手とするアルには出来なかったが、ゲオはハロゲニアで危機に陥った琉のために駆け付けたのである。


「ゲオルク・ハインツェル、只今戻りましたッ!!」


「おかえりぃ~! ニュース見たよ、ついにメンシェ教をやっつけったんだねぇ!!」


 ガタイの良く、何処かいかつい姿をしながら何処かのんびりとした口調で話すアル。メンシェ教徒に対しては勇猛果敢に挑んだこの二人だが、普段は非常に気さくな職人である。ゲオが帰還して五ヶ月後、二人の工房は新型のラングアーマーの開発に成功し、技術者として世の中を変えることとなったのであった。



「しっかし驚いたなぁ。あの何処かボーっとした琉が、一つの種族を守って戦い抜いたんだもんな。でも、寂しくなったねぇ……」


 一人、家の中で呟くカズ。琉と共にハイドロ島で生まれ育ち、島にネット回線を引き入れたり情報を仕入れたり、近所の子供に古武術を教えたりといったいつもの生活が戻って来た。しかしロッサがヴァリアブールのコロニーを築いたことにより、フローラはカズの家から離れて暮らすこととなったのである。


「カズニーニー(兄ちゃん)、フローラちゃんは?」


「あの子なら、お母さんの所に行ったよ。一緒に暮らすんだってさ。まぁ、子供はお母さんと一緒に暮らすのが一番だよ。何、また時々遊びに来るってさ!」


 うちわで自分を扇ぎつつ、カズは遊びに来た子供達に言った。


「ねぇカズニーニー、琉ニーニーって昔はどんな風だったの?」


「琉か。アイツは今も昔も何考えてるのかよく分からんヤツだったよ。最も今と昔じゃ大分違うがな、昔はどこかのほほんとしてて、滅多に喋らない大人しいヤツでね。ただ図体がでかい割に身のこなしが速くて……そういや昔からやたらに力が強かったな。あとオレ、釵術以外では何も勝てた試しがないんだよ」


 カズはしみじみと子供達に語った。いつもは大人しい昔の琉だが、いざ銛を握らせると一番大きな魚を捕って来たりといった一面があった。


「そんでね、でっかい魚を捕った時の顔がまた眩しいヤツだったんだ。いつもはポーカーフェイスなんだけどね、ああいう時には誰よりも良い笑顔をしやがる。そのせいかな、オレは不思議と劣等感つうモノを感じなかったんだ。今のアイツはむしろよく喋るし、表情もコロコロ変わるけどね。ただ今度は飄々とした感じになってね……人間大人になると変わるモンだなってつくづく思ったよ」


「ふーん……何か想像つかないや」


「そうかもな。ただ、これだけは言える。アイツの内面は今も昔も変わってねぇ、身近な人間が危機に陥ると真っ先に動くんだ。昔オレが裏の山でハルムに襲われた時、アイツは武器も持たずにそのハルムに突っ込んで、なんと素手で倒しちまったことがある。今もそうだぜ、ロッサ様を守るためにメンシェ教と戦い、最終的にはやっつけた。まぁ“守る”ことが目的だったから逃げることの方が多かったんだけどさ」


「ところで何でニーニーはフローラの母さんのこと、“様”付けで呼ぶの~?」


「え!? あ、それはその、えぇと……良いじゃないかタダだし!! 何かそう呼びたくなっちゃうの!! 分かる!?」




 三年の月日が経った今、琉は分娩室の前でまだかまだかと待っていた。27歳になり流石に中学生と言われることはなくなったものの、まだ子供っぽさが残っている。廊下の壁から壁をうろうろしたり、ベンチに座ったり立ったりを繰り返したり、トイレへ行ったり戻ったり。落ちつかない様子で琉はその時を待っていた。


(がんばれ、がんばってくれ……アヤメ!)


 シャイで女性に慣れておらず、純情な琉のパートナーとなった女性。それは意外にも、かつて命を狙って来たアヤメであった。アタックを仕掛けたのはアヤメの方からで、琉はそれを承諾するような形でゴールインしたのである。そして二人の愛の結晶は今、この世に生誕しようとしていた。


「オギャー! オギャー!!」


 分娩室から響く声。その瞬間、ウロチョロしすぎて疲れたのか半ば眠りかかっていた琉の目がバッチリと開いた。産声が響く中、扉を開けて看護師が琉に伝えた。


「生まれましたよ!!」


 分娩室に入る琉。生まれたての赤子を、アヤメは大切に抱えていた。琉の青く優しい目に、我が子の顔が映る。


「元気な女の子です!」


「アヤメ……よくやった! 俺にも、抱かせてもらって良いかい?」


 感極まってるのか、アヤメは言葉を出さぬまま赤ん坊を琉に渡した。ロイヤルブルーの袖が、生まれたばかりの赤子をその手に抱く。琉がパパとなった瞬間であった。


(親父、御袋……見てるか? 俺も、とうとう父さんになったよ)


 その後、アヤメは退院すると同時にナイトロ島へ我が子と共にカレッタ号で帰還した。


「アヤメ。俺は自分の子を、この船に乗せてやるのが密かな夢だったんだ」


「琉、そんなこと考えてたんだ。ほら、カモメさんですよ~」


 窓の外を我が子に見せるアヤメ。一方の琉は舵を切りつつ、頭を捻らせていた。子供が生まれたからには、名前を考えてやらねばならないからだ。


「女の子なんだよな……そうだな……ミノリ、なんてどうだろ? 実るという時に梨という字で“実梨”。これから先、実り多き人生になりますように、ってね」


「ミノリ……実梨……良いね! 実梨、今日から実梨、だよ」



 ナイトロ島に着いた琉とアヤメ、そして実梨。子供達による歓迎が三人を待っていた。そして建物から出て来た赤いドレスの美しい女性――ロッサ。一足先に母親となっていた彼女は琉の元に駆け付けた。


「おかえり。……ふふ、立派な赤ちゃんね……」


「実梨って言うんだ。良かったら、抱いてみるかい?」


 ロッサはアヤメの腕から実梨を渡され、抱き上げた。ロッサの白い腕と艶めかしい胸の中で、実梨はすやすやと眠っている。その様子を琉は内心、うらやましいとも思っていた。


「ちょっと、さっきから目付きがいやらしいわよ」


 にやりとした笑みを浮かべ、アヤメが言った。


「え、え、別にうらやましいとは思っては……」


 慌てふためく琉。その様子を見たロッサはふふっと笑うと、実梨をアヤメの元に返した。そして何と、


「遠慮しなくて良いのよ……」


 そんなセリフと共に琉の頭に手を回し、むぎゅっと抱きしめたのであった! ふにゅふにゅとした胸の感触が、琉の顔に容赦のない快楽を送り込む。


「ぷはぁッ!? ちょっとロッサ、不意打ちは良くないぜ! 確かに気持ち良かったけど俺は今や妻子ある身だ、それにあとちょっとで、久々に鼻血を吹き出して倒れる所だったぜ」


「ふふっ、抱っことおっぱいが大好きなんて、パパは赤ちゃんと変わらないでちゅね~」


「ちょ、アヤメぇ……」


 ははははは、という笑い声が当たりに響く。これからも琉は、この世界で活躍していくだろう。コロニーを作ることが出来たロッサ達ヴァリアブールも、この世界で受け入れられるのは時間の問題であった。


『……ロッサがコロニーを作ってからほぼ同時期に、海水面は徐々に下降し始めた。まさかとは思うが、彼女らヴァリアブールは特定の場所に水を蓄えるという役割でもあるのだろうか。あくまで推測にすぎず、偶然かもしれない。しかしロッサを蘇らせたことは確実に世の中を変えた。これからも私は潜り続ける。技術者として、この世界をより便利な世の中へ導くために。そして何より、私を慕う子供達と我が妻アヤメ、我が娘実梨の将来のために』


最後まで読んで下さった皆々様、まずはありがとうございます。

今回を持ちまして、琉とロッサの物語はひとたび幕を閉じます。

就活や下宿生活に追われながらも、稚拙な文章ながらも約二年間書き続けられたのは、皆々様の感想と応援のおかげだと感じる次第に御座います。

ではこの挨拶を持ちまして、この物語はひとたび終幕とさせていただきます。

皆々様、最後まで本当にありがとうございました!

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