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Mystic Lady ~完結編~  作者: DIVER_RYU
第十三章『決戦の時』
38/40

『決戦の時』 破

メンシェトゥリスを撃破し、メンシェ教皇と対峙する琉。一方でカズはゲオの助けを借り、本性を現したユウジと決着を付けようとしていた。そしてテンタクルを追ったジャック達はというと……

 対峙する二つの影。片やラングアーマーを変形させたソルジアーマーに身を包む琉。もう片方には両手を広げ、豪奢なローブと奇妙な仮面を付けたメンシェ教皇が立っている。


「行くぞッ!」


 アードラーから降り、パルトネールを構えてじりじりと距離を詰める。先に駆けだしたのは琉、だが教皇のローブを突き破って、クラストアームを思わせる巨大な機械仕掛けの腕が襲い掛かった。間一髪でかわす琉であったが、“腕”は数本に増えている。


「妙にでかいと思ったら……やはり仕込んでやがった! しかしさっきから妙に無口だぜ、余裕がなくなったってか!! パルトネール・チェイン!!」


 鎖分銅に変形させたパルトネールを操る琉。分銅に付いた刃が教皇の“腕”にダメージを与える。一瞬のスキを見つけ、琉はチェイン全体を“腕”に絡ませて教皇の懐へと飛び込んだ。その手はがっちりと、教皇の仮面を掴んでいる。


「さぁたっぷりと話をしようか。素顔を見せやがれぇ! ……ぬなッ!?」




 武器を手に迫り来る二人をムチで牽制するテンタクル。丁寧な口調で中性的な物腰ながら、その威圧感は他の教徒やビショップを遥かに上回っている。更に近づこうとするジャックとロッサに対し、テンタクルはローブを翻した。すると水中から柱を立てつつあの教団兵が姿を現したのである。


「驚きましたかね」


 ヒトどころか4種族を遥かに上回るその力が、ジャック達に襲い掛かる。だがその様子に対し、疑問を持つ者がいた。


「ちょっと待って。教皇直属の教団兵を、何故あなたが使えるの?」


 刃をすり抜けつつ、ロッサはテンタクルに訪ねた。


「ふっふっふ、気付きませんかね?」


「……何? まさか!?」


 不敵な笑みを浮かべつつ、テンタクルはその懐からあの石板を取り出した。


「まぁ良い、どうせ死ぬんですから教えてあげましょう。まずは巨大艦の在り処から……!」


 一方、アヤメとフローラは待機している教徒達を襲撃し、フローラの催眠眼光によって片っ端から眠らせていた。


「ふっふ~ん。楽勝、楽勝! ……でも、何であそこまで怖がるんだろう……」


 ホッと胸をなでおろすアヤメに対し、フローラは自分を見て怯え上がる子供や母親達に対してショックが隠せなかった。


「この子達は私と同じように……きっとフローラちゃん達ヴァリアブールを、とても怖い存在だって吹きこまれていたようね。……って、洞窟で何か起こってる!?」


 彼女らも、洞窟内での変異には驚かずにはいられない。すぐさま洞窟内に駆け寄ると、そこには大量の教団兵がジャックとロッサを追い詰めていた。


「ねぇ、確かコイツらって……!?」


「教団兵!? まずい、すぐに助けるわよ!!」


 アヤメはすぐさま手槍――キラーイリスを組み立て、教団兵の背後から飛び掛かるなり仕留めた。更にフローラが液化し、教団兵達の体を突き抜ける。しかしそんな最中テンタクルの掲げる石板からは凄まじい光が迸り、中から触手を数本生やした巨大な怪物が姿を現した。驚愕する四人。そしてロッサはその姿に見覚えがあった。


「あぁっ! あの時カレッタ号を襲ったヤツ!?」


 だが驚きはこれだけでは収まらない。怪物化したテンタクルは見る見るうちに触手を体内に収め、なんと巨大な船へと姿を変えたのである。


『驚きましたか。これが貴方達の探していたメンシェの巨大艦の正体です』


「うそ!? 人が船になっちゃった!?」


 洞窟内にテンタクルの声が響く。それを見たアヤメは、いやそこにいた四人は驚きを隠せなかった。いや、驚かぬ者など誰もいないだろう。


『では、秘密を知ったからには貴方達にも死んでもらいます。あの異端者もきっと犬死にしていることでしょう。まさか、メンシェ教のトップは今、私なんかだとは思ってないでしょうから……』


「トップ!? そんな、じゃああの教皇は……!?」




 組み合ったまま、窓ガラスを突き破って飛び出る二人の影。それに続くかのように、ぞろぞろとフードを被った男達が建物から姿を現した。更にそれを追うように、全身を機械仕掛けの装備で固めたトヴェルクの青年が建物から飛び出して来る。


「貴様、まだそんな余力があったのか!?」


「へっ、ハルムと隣り合わせで暮らしていたハイドロ出身の底力を、舐めるんじゃねぇぞ!」


 そんなカズの背後から、メンシェ教徒が襲い掛かる。しかしゲオによる重い一撃が彼を壁まで吹き飛ばした。


「カズ、ザコは任せろ!」


「了解!」


 ゲオは得意のスチールナックルを使い、強烈な一撃を加えては教徒達を失神させていく。さらに脚の装備についたローラーによる素早い動きのため、教徒達は手を出すことすらままならない。元々ヒト族を上回る筋力を持つトヴェルク族だからこそなせる重装備は、見た目とは裏腹の素早い動きを見せていた。


「貴様の腕など斬り落としてくれる!」


「やれるもんならやってみな!」


 これまで以上に猛攻を仕掛けるユウジ。二つの刃を持つバジュラムを操り、カズを斬り捨てんと襲い掛かる。だがその一撃一撃はことごとくカズの釵型のバジュラムによって受け止められ、かわされてゆく。


「さっきはオレの顔にキズを付けてくれたな? 島一番の色男じゃなくなっちまうじゃねーか!」


 刃を鉤に引っ掛け、競り合いに持ち込んだカズ。


「貴様……ふざけるなァーッ!!」


 憤り、叫ぶユウジであったが押すことも引くこともままならなかった。カズはつかさず自分のバジュラムの柄と柄を付けて本来の形に戻し、刃に引っかかったまま思い切り投げるように手放すと後方へと跳び下がった。カズのバジュラムはユウジのそれの刃に引っかかったまま回転し、次の瞬間すさまじい電撃を放ったのである!


「ぎゃああああああああ!?」


 思わず叫び、武器を手放したユウジ。カズのバジュラムから放たれた電撃により、ユウジのバジュラムは完全に大破していた。もう使いモノにはならないだろう。

一通り電撃を浴びせたバジュラムはカズの手へと飛んで行き、再び二つに分かれて釵型へと変形した。ふらつくユウジの目の前で、カズは構えをとり、太陽をバックに高く跳躍した。太陽をモロに見てしまったユウジは思わず目を覆ってしまう。そしてカズの叫びと共に渾身の一撃が今、繰り出されようとしていた!


「必殺・十文字陽炎裂き!!」


 カズの必殺の一撃が額に、続けて胴体に決まった。ユウジはその場で両膝を突き、そのままがっくりと倒れ込む。倒れ込むと同時に、その顔は本来の顔に戻っていき……否、更に数十年も歳をとったかのような醜い姿へと変わってしまった。


「薬の副作用……いやリバウンドともいうべきか。社会的にも身体的にも、もうどうしようもないぜコイツは」


 同時にゲオも、取り巻きのメンシェ教徒達を全員戦闘不能にし、建物からあの親子を連れてカズと合流した。


「どうやらこれで全員だったようだな。占領してた割には少なくないか?」


「あぁ、これには理由があってね。ある事情で人が回されちゃったというワケさ。しかしそれよりどうしようか、このままじゃこの二人の隠れ場所が……」


「それなら心配御無用。付いて来な!」




 仮面を剥がされたメンシェ教皇。その素顔はなんと、他の教団兵と同じような導線むき出しの機械だったのである。


「……やっぱ囮だったか! 怪しいとは思っていたが……アギジャベ(くそっ)、本物は何処にいるんだッ!?」


「顔を見たからニハ、シンデモラウ」


 徐々にノイズの入る教皇の声。そのローブの袖から鎌のような刃を出し、琉に斬りかかった。


「ともかく、コイツを倒してジャック達を追わないと!」


 メンシェ教皇を模した機械人形の振りかざす鎌を装甲の付いた腕で受け止め、琉は相手のマシンアームに絡まったパルトネールの本体を持つと、そのまま相手を地面へと引き倒した。そして、


「パルトショック!」


 鎖を介して、強烈な電流が教皇型機械人形を襲う。そのまま鎖を引きずり出すと、分銅に付いた刃が相手の4本の腕を裂いた。だがまだ完全には機能停止してはいない。機械人形はローブを破り捨てるとその腹部から高熱の火炎を吹き出した。


(おぉっと!? ……なるほど、まさかご丁寧に弱点を教えてくれるとは思わなかったぜ!)


 琉はすぐさま距離を取るなり構えを取った。途端に彼の頭部に備え付けられたオセルスレーダーが赤い輝きを放つ。


「オセルスフラッシュ!!」


 再び放たれる炎。その炎の中心を目がけ、オセルスレーダーから赤い熱光弾が3つ続けて、螺旋を描きつつ発射される。相手の炎の真ん中を突き進み、オセルスフラッシュが飛んで行く。やがて相手の火炎放射は、琉の攻撃が到達すると同時にピタリと止んだ。直後、敵の体が炎上を引き起こす。琉の放つオセルスフラッシュが、機械人形の体内の燃料に引火したのだ。


「やった!」


 火が着き、まるでもがき苦しむかのようにふら付く機械人形。かつてメンシェ教皇と呼ばれていたそれは威厳も何もかも失墜し、ただ燃え尽きるのを待つばかりであった。まるで水を求めるかのように海水路へと近付いた人形は、崩れるようにその中へと落ち、沈んで行く。琉はパルトネールを通常形態に戻して腰に差し、メンシェ教皇を模した機械人形の落水した場所へと近づいた。だがその時、油断し切っていた彼の頭を、何と水中から現れた機械の腕が掴んだのである!


「ぐわッ!! 何だコイツ、燃料なら尽きたはずだぞ!?」


 こんな事態を誰が予想出来ようか。燃料が全て燃やされ流出したはずの機械人形は、半壊しながらもまだ“生きて”いたのである。琉の頭を掴んだ強敵は、そのまま彼を地面に叩きつけた。その衝撃でラングアーマーの頭部パーツの一部にヒビが入り、相手が再び陸に上がると同時に琉は投げ飛ばされて建物の壁に激突したことで、右目から頭部に欠けての部分が見事に割れてしまった。ラングアーマーのみならず、琉自身も頭部から赤い血が流れ出ている。


(いってぇ……何で動けるんだコイツァ……んんん!?)


 琉は確かに見た。教皇を騙っていた機械人形の左胸に、ビショップ達が使う石板にはめ込まれているあの宝玉を。炎上して装甲が剥がれたことにより、むき出しになっていたのだ。


(そうか……コイツの動く仕組みはビショップの怪物達と同じだったのか。ならば、アレを奪い取れば今度こそ……!!)


 琉は相手のカラクリを推測した。なおも向かって来る人形に向かい、琉はすぐに腰に装備したはずのパルトネールに手を伸ばしたが、見つからない。パルトネールは相手の背後に落ちていた。気が付いた琉だったが、相手は今まさにこちらに掴みかからんと襲い掛かる。回収するヒマはない。構えも取れぬまま、琉は相手の手を自らの右手で掴み返した。そのまま空いた左手で、右手に付いた装置を起動した。


「ハンディクラッシュ!!」


 途端に琉の右腕が赤い光を帯びてゆく。相手の腕を掴んだまま、凄まじい熱を放つ琉の腕。グッと力を込めたその手は相手の腕をも赤く熱し、煙を上げ、遂にはグシャリと半ば握り潰すかのように捻じ切り、導線ごと引き抜いたのであった。さながら血管にも見える導線の付いた相手の腕を琉は握りつぶし、そのまま拳を開いてパサリと地面に落とし、琉はその紅蓮に染まった5つの指を伸ばしたその直後、赤く輝く神速の貫手が相手の左胸に炸裂した。

 深々と突き刺さる琉の指。割れたマスクから覗く青い目は、相手の心臓部とも言うべき宝玉をしっかりと見定めていた。がっしりと宝玉を掴み、琉の手が引きずり出される。動力源を失った機械人形は今度こそ、完全に機能を停止したのであった。


「今度こそ……今度こそ終わったか……」


 琉は骸と化した人形を見降ろしつつ、手に握った宝玉を見つめていた。


「そうだ、ジャック達を助けに行かねぇと! チェィンジ・マリンアードラー!!」


 そう言うと琉はアードラーに跨り水路を進もうとしたその時、壊されなかった左のアクアイヤーから音が響く。ツマミを調整すると、そこには聞き覚えのある声が響いた。


「琉! オレだ、情報屋のカズだ! 良いか、次の曲がり角を曲がって、そのまままっすぐ海に向かってくれ!!」


「海だな!? 了解!!」


 琉は言われた通りに水路を駆け抜けた。アードラーに付けられた試作のアーマー装置は呼び出すことしか出来ず、解除することは出来ない。装甲を身に着けたままアードラーを疾走させ、やがて街中を抜けた時に広がっていた光景を見た時、琉は思わず歓喜したのであった。




 ジャックの流れるような斬撃が、教団兵達に次々とダメージを与えてゆく。4種族中でも筋肉量の少ないアルヴァン族がまともに打ちあおうモノなら、瞬く間に押し負けて刃の餌食となってしまうだろう。その後ろではアヤメが、その跳躍力で教団兵を強襲しては電流を帯びた手槍で次々に仕留めていた。ロッサとフローラは液化し、目にもとまらぬ速さで飛び回っては教団兵達の体を貫き、腐食させてゆく。更に指を引き延ばすことで出来るムチを叩きつけ、数体の教団兵の機体を引き裂いては破壊していった。

 だが多勢に無勢である。教団兵の数は50近く。特にヴァリアブールの体力は消耗が激しく、徐々にその動きは鈍くなっていった。そして追い討ちをかけるようにテンタクルの触手が襲い掛かる。更にフローラは幼く、あっという間にその体力は減っていった。その様子に気が付いたのかはたまた弱いモノからやれとインプットされているのか、教団兵達はやがてフローラを集中的に狙うようになり始める。


「フローラに……手を出さないでっ!」


 ロッサによる必死の攻撃が教団兵に炸裂する。だがそれをあざ笑うかのように、教団兵達はその機械で出来た手を見せつけるように開いた。鋭い鉤爪が生えており、バチバチと電流が走っている。それを見たロッサとフローラは本能に刻まれた恐怖からすくみ上がった。ヴァリアブールの体は電気伝導率が高く、この爪で突き刺されようものなら大きなダメージを負ってしまう。それでも流石母は強しというべきか、ロッサは戦慄を打ち払い教団兵へと立ち向かった。しかし、体力の限界は刻々と近付きつつあったのである。


「ロッサさん!? フローラちゃん!? ……まずい、このままじゃ二人とも危ない!!」


 遂にがっくりと膝を突くロッサ。フローラは既に攻撃出来ず、逃げ惑うばかりとなっていた。それに気付いたジャックが駆け付けようとしたその時、教団兵の爪がフローラの背後から容赦なく、突き刺されたのであった。


「きゃあああああああああ!?」


「やめろおおおおおおおおおッ!!」


 ジャックがその教団兵に飛び付き、武器であるメルバオムの刃でその腕を斬り落とした。消滅こそ免れたフローラであったが既に虫の息であり、黒い死細胞が背中だけでなく口から耳からも流れ出ていた。体の中心部をやられたというのが大きかったらしい。


「フローラアアアアアアアアアアッ!!」


 残り少ない体力を押して、ロッサは液化しながらフローラの元へと飛び込んで来た。アヤメとジャックが教団兵からの攻撃を防ぐ中、ロッサは自らも息を絶え絶えにしつつフローラを抱えている。


「おか……あ……さん……」


「フローラ! フローラ!! しっかりして!!」


「もう……だめ……からだ、うごかないよぉ……」


「いやぁッ、いやぁッ! ……もう嫌だ、これ以上、わたしは子供を失いたくない!!」


 ロッサの目から黒い涙が流れる。直接的なケガこそ負ってないものの、体力の急激な消耗は確実に彼女の体を蝕んでいた。


「もう誰も……わたしの子は死なせない……!!」


『いくらでも言いなさい、どうせあと5分ともたないでしょうからね!』


 ロッサがフローラを強く抱きしめたその時、なんと二人の体は非常に眩しい赤い輝きを放ち始めた。背後で起きる変化に驚くジャックとアヤメ。教団兵はというと何か危険なモノを察知したのか、徐々に後ずさりし始めた。


「な、何なの!? ロッサとフローラの体に今、一体何が起こっているの!?」



「……ハッ!? ここは何処……?」


 ロッサが気付いた時、彼女は洞窟ではなく見知らぬ空間に倒れていた。そして目の前には何と、無傷のフローラが倒れている。


「フローラ、フローラ!」


「ん……ここは何処ぉ……? 天国ぅ……?」


「分からない……ここは一体何なの?」


 見渡す限りの白。物体というべきモノは何も見当たらない。壁も天井も、全てがまっさらな謎の場所。ぽかんとする親子の背後から誰かが近付いて来た!


「誰!?」


 そう言って振り返ったロッサの目に映っていたのは、驚くべき人物であった。彼女と同じ赤みかかった黒い髪をタテガミの如くなびかせ、生白い肌には所々赤い隈取りのようなモノが入っている。奥がぼぉっと光っている赤い瞳は、ロッサやフローラと同族であることを示していた。


「ネオ……」


「え、ネオ!? てことは、あたしの……おとうと?」


「……そっか。わたし達はもう、死んじゃったんだ……」


 そう言ったロッサに対し、ネオは静かに首を振った。


「お母さん。お姉ちゃん。まだ、死んでないよ」


 ネオは、生前ではとても考えられなかった穏やかな口調でロッサとフローラに言った。


「ぼくは今、お母さんの第3の目に残った記憶として貴方達に話しかけてるんだ。ここはお母さんとお姉ちゃんの精神世界。どうか、聞いて欲しいんだ。お母さん達が死んじゃったら、ヴァリアブールは本当に絶滅してしまう。でもこのままじゃ二人とも生きられない。だから……お母さんとお姉ちゃんに第3の目に残ったぼくの得た力、命、全てあげます。だからどうか、何としてでも生き抜いて……」


「え、ネオ……?」


 ネオはロッサとフローラの頭に手を置くと、体からまばゆい光を放った。思わず目を覆う二人。そして目を再び開けた時、そこにはジャックとアヤメの驚きに溢れた顔がまず、二人の目に飛び込んで来たのであった。


遂に! 次で!! 決着ですッ!!

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