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虹のカナタ  作者: ユウキ
5/5

2-2

千恵の下へと急ぐ勉!


千恵が絡まれていたという

場所へと急ぐ勉。

極度の心配性は千恵に関することに働いた。

自分に関すること以外でこれが

働くのは初めてのことであった。

少し行ったところで千恵が座っていた。


「大丈夫?」

「あぁ、でも財布の中身持ってかれてもうた」

「そんな」

「しゃーない、いずれはばれるのはわかっとったし」

「・・・足」

「あぁ、ちょっとこけてもうてな」


それを見て勉は自分の背中に

乗るように千恵に促した。

千恵は遠慮したが勉は無理やり千恵をおぶった。

そのまま千恵の家に向かった。


「うちはD棟の501や」

「わかった」

「下まででええで」

「いいよ」


D棟にエレベーターはない

そのため勉は階段5階ぶん千恵を

背負ってのぼったのだ。


「ありがとうな」

「いいよ、別に」

「ちょっとよって休憩していき」

「そうさせてもらおうかな」


勉は千恵の家に入れてもらった。

家の中に物はほとんどなく

必要最低限のものだけがあった。


「茶でえぇ?」

「うん」


千恵は台所でお茶を入れ始めた。

勉は台の上にいくつか写真があるのをみた。

母親と思われる人物と写っているものが多い。

そのなかに一枚とりわけ幼い千恵が写った一枚があった。

写真に写っているのは4人だった。

母親と思われる人と千恵

そして他の写真にはいない男性と男の子が写っていた。

千恵がお茶をもってきた。


「これは・・?」

「あぁ、それかそれはな

 うちの父ちゃんと兄貴やって。

 うちはまったく覚えとらへんけど。

 母ちゃんがこの写真だけずっとかざっとったんや。」

「へぇ」


勉は写真に写る少年を

見たことがあるような気がした。


お茶を飲み終えて勉は

家へと帰っていった。


あの日以来

勉は隅のところへはいっていない。

もちろん電話もなにもしていない。


千恵はせっせとお金をためるために

働いている。

でも、そのペースでは何年かかるか・・・

そんなことを本人もわかってはいた。

それでも千恵はせっせとためているのだ。


ある日

虹のカナタで


「ねぇ、お兄さんの場所のあてとかほんとにないの」

「あぁ、ないわ、たぶんな」

「そうなんだ」

「・・・いや、あるかもしれへん」

「え!?」

「一回だけ母さん宛に手紙が来とったわ」

「その手紙は?」

「わからへん、探してみる」

「行ってもいい?」

「あぁ、ええで」


2人は千恵の部屋へと急いだ。

千恵は母親に関するものを残した

ダンボールを押入れから引き出して

手紙を探し始めた。

勉もそれを手伝った。


1時間後

「これや、これこれ」

「あった!?」



-仙波智子様へ-


お久しぶりです

お元気ですか。

ようやく住所がわかったので

手紙を書きました。


千恵も元気ですか。

僕はあれからいろいろありましたが

元気にやっています。


ご存知かもしれませんが

父は亡くなりました。

でも、1人でちゃんと暮らしてます。

いつかお会いできればいいですね。

それでは


                 G



「Gって・・・」

「わからへんわ」

「住所は?」

「んっとなぁ。おぉ、近いでここらへんや」

「ほんと!?ねぇ、いってみない?」

「えっ?行くってこいつんとこにか?」

「そうだよ」

「行ってどうなんねん、だいたいうちのことなんか・・・」

「そんなのわからないじゃないか。行ってみよう」

「・・・」

「ねぇ」

「わかったわ。行ってみよ」


2人は手紙の住所のところへと歩いていった。

差出人はGとしか書かれていなかった。

そこにまだその人物がいるとは限らない。

しばらくして2人は住所の場所についた。


「えっ、ここ・・・」

「ここって・・・」


2人がたどり着いたのは


「どうかしたんですか」


後ろから声をかけられた


「ご、五郎ちゃん・・・・」

「また金借りに来たんですがその方のために」

「Gってもしかして」

「なんの話をしてるんですかお二人さん」

「お、お兄・・・ちゃん?」

「はい?何を言ってるんです・・・か?」

「あんたが、うちのお兄ちゃん・・・」

「え・・・?どういうことですか」


とまどう3人

3人とも膠着したままである。


「五郎ちゃん、お母さんの名前って・・・」

「・・・智子ですが」

「ほんまに、ほんまにあんたが・・・」

「もしかして、あなたは・・・千恵・・・?」

「せや、うちは千恵や仙波千恵や」

「・・・そんなまさか、あなたが・・・」


衝撃の再会に戸惑う。

勉はとりあえず手紙の住所であった

MONEY LIFEへと入るようにいった。

そとは肌寒かった。

五郎と千恵は落ち着きを取り戻した。


「ほんまにお兄ちゃんやねんな」

「そうです、私の母は仙波智子、あなたの母」

「びっくりやわ」

「それはお互い様ですよ、あなた・・・いや

 千恵は正真正銘僕の妹です。」

「お兄ちゃん」


そこに金貸し隅五郎の姿はない。

千恵の兄・五郎がそこにはいるのだ。

千恵と五郎はお互いに別れてからのことを

話し合った。

五郎は千恵と母の暮らした家を

取り戻してくれることになり

そこで千恵をくらすことになった。


隅はMONEYLIFEを閉めた。


衝撃の再会から1週間後

千恵と五郎が引っ越すことになったこの日

虹のカナタでは3人でお別れ会が開かれていた。


「乾杯!!」

「いや、ほんとによかった」

「ありがとうな、あんたがおらへんかったら

 こうはならんかったわ、ほんまありがとう」

「いや、僕は別に」

「いやあなた・・・勉のおかげです。

 ほんとうにありがとう」

「五郎ちゃん・・・」


そんな会話をカウンターのなかで

真由は聞いていた。


「はいよ、これはサービス」


食べ物のプレートが3人の前に出された。


「ありがとう」



こうして今日も虹のカナタでは笑顔が絶えないのであった。



今回の更新だいぶ遅くなりました・・・


次もこのぐらいあくと思います。

それでもよければ

ぜひ読んでください^^


よろしくお願いします


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