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初めて書くのであまりうまくありませんが
どうか最後までお付き合いください。
ここはとある団地
子供から年寄りまでが住んでいる
そんな団地の中に
このバーはある「虹のカナタ」
1日中あいているこのバー
といっても来るのは
団地の住人ばかり
店の主人はいろいろな事情があり
まだ24歳である彼女
新木真由-アラキマユ-である
カランカラン
「いらっしゃい」
今日もこの虹のカナタへと
客はやってくるのである
「おう、公平じゃない」
やってきた客は
伊野公平-イノコウヘイ-
彼は真由とおなじ24歳
もちろん団地の住人である。
「何する?」
「ビールで」
「はいよ」
いつも彼は昼間にやってくる
なぜ昼間?仕事は?なんて疑問は
もはや真由にはない
もう慣れてしまったからである。
しかし今日は一段とため息の回数が多い
「どうした?今日はやけにため息ばかりじゃない。
なんかあったの?」
「いや・・・まぁ、その・・・」
「なんなのよ、あるなら早くいいな」
真由はわりとずけずけ言うほうである
口調もどちらかといえば男みたいなことが多い
「実はさ、俺ホストなわけ。」
「へぇ、そうだったんだ。
いっつも昼間来るからなにしてんだろって
前は思ってたけど。まさかホストだったなんて」
「そうなんだよ。でもさ、そろそろ潮時かなって」
ホストをしている公平
しかし、最近好きな子ができたらしい。
その子は清楚でとてもきれいで
一目ぼれして話しかけて何度か
出かけたこともあるらしい。
けれども、ホストだということは
その子には言っていない。
さらにその子はホストは嫌いだ!
なんて言っていたものだから
彼はやめようと思いだしたのだ。
「やめた後どうすんのさ?
やめて告って成功したって収入なかったら
どうしようもないでしょ」
「それはそうなんだけどさ、問題はそこじゃないんだよ。」
なんでも彼は
今働いてる店に50万の借金があるらしい。
だから辞めようにも辞められないというわけである。
「そうなんだ」
カランカラン
「いらっしゃい」
「真由~、いつもの~♪
あれ、公平じゃん、どうしたの~
そんな深刻な顔してさ~」
入ってきたこの陽気な彼女は
2人と同い年の浦野理沙-ウラノリサ-である。
流れ的に全て理沙に話した公平。
「へぇ~、じゃあさぁ、50万あったらいいわけ?」
「えっ!?」
「50万あったら、ホスト辞めて告って
そのあともちゃんと生活のために
働くのかってきいてるの~」
「そりゃ、やってみせるさ」
「ふぅ~ん」
それっきり理沙は口出ししなくなり
注文したものを飲み干すと
すぐに帰って言ってしまった。
台風のように過ぎ去った理沙。
いったい何がしたかったのだろう。
そんな疑問を持ちながら公平は
今日も仕事へ向かっていった。
1週間後
カランカラン
「いらっしゃい」
公平は1週間ぶりに
虹のカナタへとやってきた。
「どう?」
「何が?」
「なんか50万のあてみつかったの?」
「あぁ、今俺昼間バイトしてんだ。」
公平はあれから
昼間バイトを見つけ50万を稼ぐために
働いていたのだ。
だからしばらく店にはこなかったのだ。
「まだ全然だよ」
「まぁ、頑張りな」
カランカラン
「いらっしゃい」
「あ~、公平みっけ♪」
「なんだよ」
「はい、これ」
「なんだよこれ」
なんと渡されたのは現金50万円
「なんでだよ、なんでお前が50万なんて」
「え~知らなかったの私実はお金持ちなんだよ~」
こんな団地に住んでいる彼女ではあるが
実は実家は大豪邸。
でも、なぜ彼女が公平の50万を渡すのかは
謎なままである。
「こんなの受け取れないって」
「いいのいいの、そのうちかえしてくれればいいからさ」
そういい残すと
彼女はすぐに店を出て行ったのである。
戸惑う公平に真由は
せっかくもってきてくれたんだからさ
ちゃんと受け取ってあげなよ。
あんたがちゃんと働いて返せばいいんだからさ。
といったのである。
それを聞いて公平は難しい顔で帰っていった。
公平は心の中で感謝した。
ありがとう理沙絶対に返すから
そのままホストクラブに向かい、
借金を返して店をやめたのであった。
「そう、みせ辞めたんだ」
「ほんとありがとな理沙、絶対に金返すから」
「いいよそんなにあわてなくても」
「本当にありがとう、
俺今日彼女に告白しにいくんだ。」
「へぇ、そうなんだ~。
あ、もうこんな時間、私行かなきゃ、
約束があるんだ!じゃぁね」
「おう、本当にありがとう!」
「ふふ、もういいよ~♪」
公平は約束の時間まで
団地をふらふら歩いていた。
「お金返してくれませんかね」
公平は借金返済を迫る
ここら辺では有名な金貸し
MONEY LIFEのオーナー
隅五郎-スミゴロウ-であった。
彼のところは返済期限を
必ず守らなければ・・・
そしてそれを迫られているのは
公平の友達
後藤風太-ゴトウフウタ-だった。
「風太!どうしたんだよ」
「公平・・・」
「お知り合いですか?」
「あぁ、風太どうしたんだ借金なんて」
「・・・」
「後藤さん、なんかだまされて
50万とられちゃったみたいですよ。
そんなときにお金が必要になって
うちに借りに来たんですよ。」
「風太・・・」
1ヶ月前
風太はとある商品に大金をつぎ込んだものの
すべて欠陥商品で
商売にはならないわ、それを売ってきたやつは
連絡がつかないわでもうどうしようもなかった。
そんなときに、母親が入院して
どうしても金が必要になり
30万の借金をしたのだという。
その返済期限が昨日で風太は
用意できなかったのだという。
「とりあえず来てもらいましょうか」
「・・・」
「どこつれてくんだよ」
「あなたは関係ないでしょう。
さぁ、行きますよ。」
「風太!」
車に乗せられ風太は連れて行かれた。
公平はあわててとりあえずバーに向かった。
カランカラン
「いらっしゃ・・」
「大変だよ!!」
慌てて入ってきた公平に
驚いた真由
事情を真由に話す公平
「どうしよう」
「わかんないよ、30万だろ・・・」
「俺また店にいってくる」
「店ってホストクラブか?
ダメだよそんなの、せっかくやめられたってのに
それに理沙に借りてやっと返せたんだろ?」
「それはそうだけど・・・
だけど俺・・・どうすれば・・・」
「そろそろあの女の人と待ち合わせの時間じゃないの?」
「そうだけど、それどころじゃないじゃん」
「大丈夫だよ、そっちはなんとかするから。
それに隅のやつだって殺したりするわけじゃないしさ。」
そういわれ公平は風太のことを気にしながらも
待ち合わせ場所に向かった。
待ち合わせは団地からそれほど遠くないところで
歩いてもそんなにはかからなかった。
「公平君」
「あ、佐里-サリ-さん」
「どうしたのなんか顔色悪いけど・・・」
「え、別になにもないよ」
「そう、それならいいんだけど」
すぐに異変に気がつかれてしまった。
彼女はほんとうに美しい
そんなことを公平は再び思った。
「あの、佐里さん」
「はい」
「実は伝えたいことがあって・・・」
「なんでしょう」
ウ゛ーウ゛ー
公平の携帯が鳴った。
「すいません」
「どうぞ」
電話の相手は真由だった。
「公平!?大変!!風太が」
「えっ!?」
「とにかく早く来て!」
そういって電話は切れた。
なにが起こっているのか・・・
公平には嫌な想像しかできなかった。
「すいません、あの、その・・・」
「なにか急用ですか?」
「あ、はいそうなんです」
「そうですか、ではまたの機会ということで」
「すいません」
公平は店を飛び出して
急いでMONEY LIFEへと走っていった。
MONEY LIFEの近くには真由がいた。
「公平こっち!」
「風太は?」
「あの中よ、なんかものすごい
引っ張られてったからやばそうで
電話したの、とりあえずこれ15万」
「どうしたの」
「あたしの金なんだからどうしようと勝手でしょ。」
そういって15万を公平にわたすと
すぐに真由はバーへと帰って行った。
「なんだよ、もう戻るのかよ」
公平は勇気を振りしぼって。
MONEY LIFEへと入っていった。
「どうしましょうか、後藤さん」
「ちゃんと返すからさ。
も少しだけ待ってください。」
「そうは言われましてもね」
「ちょっと待った!」
公平が入っていくと
中には隅と風太だけがいた。
隅はいすに我がもの顔で座り
風太は地面に正座していた。
「どうかしましたか」
「これ、とりあえず半分だけど15万
とりあえずこれで」
「公平、どうして・・・」
「確かに15万ありますね。
しかたありませんね、残りはしばらくまちましょう。」
「ありがとうございます」
公平は風太を連れ出した。
真由が金を用意してくれたことなどを
風太に伝えた。
2人はバーへと向かった。
「2人ともありがとう!」
「いいよ」
「あたしの15万はいつでもいいからさ」
こうして風太はなんとか助かったのである。
残りの半分も期限までに
何とか返して借金の清算は
無事終わったのであった。
真由の話によると
あの後バーに戻ると理沙がいたらしい。
約束があると言っていたけれど
相手のほうにいろいろとあって
早くに帰ってきたらしい。
もちろん理沙も風太と知り合いで
話を聞いて心配していて、
公平と風太がもどってくる少し前に
帰っていったらしい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
続きは出来次第掲載しますので
よろしくお願いします。