君の手に花弁を
世界は…なんて残酷なのだろう…なんて…非情なのだろう…なぜ…すぐに壊れるのだろう…
「お子さんは…もって3日です。」
「そんな…」
私には子供がいた…その子は生まれつき病弱で、ほとんどが病院生活だった…本人も友達を作りたい、遊びたいと言っていたがどれも叶わなかった…
「息子を…助ける方法はないんですか…」
私は涙をこらえ、そう呟く。しかし、
「残念ながら今の技術では…助けることはできません。」
「そう…ですか…ありがとうございました…」
私はその場から立ち去る…目の前が真っ暗だった…生まれて初めて絶望していた…
「ねぇ…あなた…私はどうすればいいの…?」
私は死んだ夫に助けを求める…しかし返ってくるのは返事ではなく沈黙だった…
この日私は知った…世界の残酷さ…そして…人間の弱さを…
「あぁ…お母さん…」
息子は弱った声でそう呟く…私はその言葉を聞いた瞬間…涙が溢れた…私は悲しみに溢れた声で…
「ごめんね…ごめんね…」
とひたすら連呼する…言葉なんて出てこなかった…ただ…謝ることしかできなかった…
「ねぇ…僕…もう死ぬんだよね?」
息子は泣き崩れる私を少し見つめ、
「あのさ…僕、お母さんとお父さんが出会った場所に行ってみたい…」
「え?」
息子は少し笑みを浮かべ、そう呟く…
「その場所だったら…お父さんもいるかもしれないし…最後くらいみんなで過ごしたい…」
私は涙を拭く…そして少し笑い
「わかった…いこ…」
私は先生に許可をもらい、車で夫と出会った場所へ向かう…息子は少し楽しそうに笑っていた…でもその笑顔は…どこか…すぐに消えそうなものだった…
「着いたよ」
「ここが…お父さんとお母さんがあった場所…」
そこは…満開の桜が咲き誇っていた…とても幻想的で…どこか儚い…息子は満面の笑みを浮かべ…
「ありがとう…」
そう呟き…倒れる…私は急いで息子の元へ向かう…顔には無数のあざができていた…
「お母さん…あの木の下に…連れてって…」
私はその願いに従い、息子を木の下に連れて行く…すると息子は優しい笑顔で…
「お母さん…ありがとう…」
と、小さな声で呟く…
あぁ…終わりなのだ…息子の15年間も…家族との…生活も…終わりなのだ…本当なら…雪は…友達を作って…大人になって…結婚して…穏やかに人生を終えるはずだった…でも…それでも…今は悲しみなんて感情沸かなかった…だって…息子は…幸せな顔をしているんだから…




