14.設定集(49章時点)追加分
―― 前章から追加された箇所を含む項目を以下に記載します。 ――
●神気と神術について
神の気配を神気と呼び、厳密には個別の神格ごとに別種の神気が存在するとされる。この神気を祈りや精神集中などによって自らの裡に呼び起こし、望んだ効果を得る術を神術と呼ぶ。一般的には祭句を唱えることで発動させるが、必要なものは神気を得る対象である特定の神への祈りであるとされる。
神々への祈りに際しては聖印と呼ばれる印を空中に描く所作が良く行われる。主人公の暮らす世界では十字架を聖印とする文化は無く、ただの丸が聖印とされている。描く者から見て逆時計回りに描く所作を以て聖印を切るとされ、この所作によって神々への祈りを自らに呼び起こすことを目的としている。丸印が聖印とされた経緯は諸説あるがその起こりは古く、失伝している。
神術の発動を略式で行う場合は簡易的に、一人で実施することも可能ではあるし、聖者や聖女と認定される個人は平素よりそのように執り行うことが出来る。だがより成功率を上げるために、一般的には複数人による儀式の形態で行われることが多い。その目的は祈りをささげた対象の神々から、極々微かな現実改変のための奇跡を賜ることを目的とする。神術の目的により祈りをささげる神々には、教義的に適切な権能を持つ相手が選ばれる。
神術の儀式に際して魔法的に危険な状態が予見される場合は、儀式の段階をより深く執り行い、神術を施す対象に疑似的に神性を付与することも行われる。これは神術の中でも奥義に通じる内容であり、密儀とされる。その密儀の本質は神学的に様々な視点があるが、神々の被造物たる人間から、神に由来する性質を増幅し、瞬間的に地上の神としてその場に在らしめることを究極的な目的とする。
お読みいただきありがとうございます。
おもしろいと感じてくださいましたら、ブックマークと、
ページ下部の☆☆☆☆☆のクリックにて応援頂けましたら幸いです。
読者の皆様の応援が、筆者の力になります。




