14.設定集(45章時点)追加分
―― 前章から追加された箇所を含む項目を以下に記載します。 ――
●魔獣について
〇スライムについて
スライムという魔獣は雌雄同体でありオスとメスの区別がない。そして食べ物が足りている状態で身体が成長すると勝手に分裂して増殖する。どの程度まで成長すると分裂するかは種類や個体差により違いがある。概して外見的特徴はゼリー状であることが多いが、食物により身体の大きさや頑丈さなどが変わってくるという説がある。中には鉱物スライムなど人体に有害ではない種類もあり、その生態の全容は研究の途上にある。
●魔素と魔力
魔力は魔素から構成されることが知られており、魔素に指向性や極性を持たせたものが魔力とされる。魔素には両義性と呼ばれる性質がある。魔力量などの量的な尺度で魔素を捉えるとき魔素は『粒』として振舞う。同時に、個々人の魔力の波長の違いの話をする時のように、魔力の属性や独自性を語るときに『波』として振舞うことが知られる。
魔力の波長には、出身地域や血縁や加護の有無などで似た波形が保存される領域がある。例えば王国出身者、共和国出身者、マホロバ出身者などで共通する箇所があるが、これを魔力波長の保存領域と呼ぶ。
人間の場合、内在魔力を枯渇するまで使い切っても即死することは無い。だが一般的には内在魔力の枯渇によって気絶することが知られており、そのまま意識が戻らず魔力の回復も進まないで肉体が衰弱していくケースも報告されている。
魔力は属性を持つのが一般的ではあるが、波長を有さない魔力のあり方もその可能性が論じられている。具体的には気配などが該当すると論じるものが居り、別の説では気配は属性を獲得する直前の魔力であるというものもあるが、詳細は研究が進められている。
ディンラント王国王立国教会に伝わるところでは、この世界における環境魔力から個人の内在魔力への魔力の流れは、基本的には上から下に向かう流れとされる。逆に広域魔法の発動における魔力の流れは、下から上に向かう流れとされる。これはディンラント王家が使用する竜魔法を調べることで見出されたが、同時に神々の奇跡における魔力の流れでも見られる。個別の事象に照らせば例外はあるものの、『環境魔力は天上の神々のもの、内在魔力は地上の自分たちのもの』などと教示されている。事実、魔神が神になったときの魔力の流れも、上から下方向への流れだったことが観測されている。
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