14.設定集(36章時点)追加分
―― 前章から追加された箇所を含む項目を以下に記載します。 ――
●精霊について
この惑星に存在する“精霊”というものが何かという問いは古くからあるが、現在に至るまで正式には「不明である」という答が主流である。その一方で精霊魔法の実践が盛んなプロシリア共和国では魔獣にみられるような精神生命体であるというものが有力説となっている。通常の学術的な難問であれば、この世界では神々に祈祷の類いを行えばヒントを神託で授かる可能性がある。ところが精霊に関しては、有史以来共和国を含め、どの国でも神託を得ることに失敗している。この事から状況証拠的に、精霊という存在は神々の秘密に関わると考えられるようになった。その上で精霊について調べてみると、気配を持っていることに多くの者が気付いた。気配がある時点で動物や魔獣などの生物に近いが、精霊は物理身体を持たない環境魔力の塊である。それゆえ精神生命体という説になった。生き物の精神活動では、意志と感情と知性の働きが通常は存在するが、人類が平素接するような精霊は状況の知覚とか認識などの限定的な知性のみ有する。従い共和国では、精霊とは精神生命体と魔法生物の中間にある存在で、神々の道具として環境魔力に関する働きを担うとされている。なお神々の道具を人間が利用することについては、共和国では人間が神々の作品であるから看過されると説明される。
●成人について
ディンラント王国とその周辺国では、慣習的に十五歳を迎えた時点で成人としている。結婚の年齢的な制約については法的な制限は無いが、成人とされる十五歳を当事者双方が超えていることが教会などでの成婚の条件とされることが多い。地球では成人と同列で飲酒喫煙などの法的制限が行われることが多いが、主人公の世界では酒もたばこも嗜好品であり贅沢なものという扱いがされる。飲酒については文化的な素地があり、水の代わりにエールやワインを飲む地域がある。このためこの世界では、深く泥酔しない限りは未成年が飲酒することは咎められることはない。一般的には未成年は酒ではなく果実水などを楽しむ傾向があり、好んで飲酒をする未成年は少ない。
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