14.設定集(27章時点)追加分
―― 前章から追加された箇所を含む項目を以下に記載します。 ――
●地理
〇都市など
アロウグロース辺境伯領
ディンラント王国の東部に位置する。領都はシゲルオセルで、ディンラント古語で『太陽の土地』を意味する。領都周辺に遺跡があり、観光目的で訪ねる者も多い。また、同領には湯治を目的とする温泉保養地がある事で知られる。
●魔獣について
魔獣というのは体内に魔石という結晶状の鉱物をもつ生き物を指す。非常に攻撃的なものが多いが例外も存在する。一般的にただの獣よりも強靭な生命力をもつ。主人公が生きる世界では魔獣ではない獣でも魔法を使える場合があるが、魔獣の方が凶暴であり人間の脅威となっていることが多い。
魔獣にもさまざまな種類があるが、一般的には野生動物に似た四足歩行のものや鳥を思い浮かべることが多い。ただしゴブリンやオーク、コボルドやオーガ、トロールなど、二足歩行をする魔獣がいる。
二足歩行をする魔獣の上位種には人間と同等の知性を持つ者も居り、人間と子を成すこともできることが知られている。このため、そのような上位種とその子孫は人類に含めるべきだという意見が近年主流になりつつある。
魔獣の中には精神生命体と呼ばれる種が存在し、単純な物理身体ではなく魔力によって形成した特殊な肉体を有する者が居る。妖精や死霊、悪魔や天使などが含まれるが、天使については各国の教会から魔獣に含めるべきではないという主張がなされている。
冒険者などから魔獣扱いされているものを含め、天使は神々の頂点たる創造神の御使いを起源とする説が主張されている。このうち、人間に悪徳を考えさせるために一部の個体が悪魔になったと言われている。これらの起源に近い天使や悪魔は名前付きと呼ばれ、その力を人間に一時的に宿す祈祷や呪術が存在することが知られている。
●組織など
光竜騎士団
ディンラント王国の正規軍。第一師団から第五師団まであり、大まかに中央、東、南、西、北を担当エリアとする。
王国中央の防衛を担う第一師団には三つの旅団があり、旅団の中には二つずつ連隊が存在する。
このうち防衛拠点たる王都を二つの連隊で護り、王都の東西南北に位置する地域の都市や街を四つの連隊で護っている。
王都でいえば二つの連隊を用いて王城の防衛と、王都の防衛を隔年で入れ替えて任に当たらせている。
格闘術にディンルーク流体術を制式採用しているが、地球でいうムエタイに近い。
●魔法について
四大属性や四大元素と呼ばれる地、水、火、風の各属性の魔力を主として用いる。
各属性が混ざり合った魔法体系として生活魔法や創造魔法がある。
この他に竜魔法と呼ばれる魔法体系があるが、発動には竜の因子という血の力が遺伝している必要がある。
竜魔法を研究することで広域魔法と呼ばれる魔法体系が生まれた。その魔法の習得に関しては安全保障上の理由から、ディンラント王国に厳しく管理されている。
広域魔法は魔法使用者に内在する魔力以外に、環境に存在する魔力を用いて発動できる。
この他に精霊魔法と呼ばれる魔法体系がある。詠唱も存在せず、念ずるだけで発動できる魔法体系。使用者の精神に様々な影響が出る。
精霊魔法の習得については四段階に分けて行うことが一般的で、環境魔力中の精霊の感知、精霊のイメージ形成と出現、精霊に環境魔力を扱わせる指示、精霊に魔法を使わせる指示に大別される。
四大属性をスキルなどによって融合させると、以下の通り別の性質を帯びた魔力になる。
・地と水:氷、地と火:溶岩、地と風:樹木、水と火:気象、
水と風:分解、火と風:雷、地水火:死、水火風:成長、
地火風:生、地水風:進化、地水火風:始原
三属性以上の四大属性魔力を同時に用いる魔法で、安定した効果が確認されているものは創造魔法と呼ばれる。
四大属性魔力全てを同時に用いる魔法は見つかっていない。
属性魔力をその身に纏わせる場合は、基本的には各属性の性質を引き継いだ効果が引き継がれているとされる。ただし、光と闇と時の各属性魔力は事情が異なる。光属性魔力の場合は『透過』の性質が出るとされる。闇属性魔力の場合は『侵食』の性質が出るとされる。時属性魔力の場合は諸説あるが、『脱離』の性質が出るとされる。
何らかの手段で魔法の発動のタイミングを合わせ、複数の魔法の使い手が同じ魔法を放つことで効果を高めた魔法を合体魔法と呼ぶ。集団魔法と呼ばれることもある。
●神気と神術について
神の気配を神気と呼び、厳密には個別の神格ごとに別種の神気が存在するとされる。この神気を祈りや精神集中などによって自らの裡に呼び起こし、望んだ効果を得る術を神術と呼ぶ。一般的には祭句を唱えることで発動させるが、必要なものは神気を得る対象である特定の神への祈りであるとされる。
神々への祈りに際しては聖印と呼ばれる印を空中に描く所作が良く行われる。主人公の暮らす世界では十字架を聖印とする文化は無く、ただの丸が聖印とされている。描く者から見て逆時計回りに描く所作を以て聖印を切るとされ、この所作によって神々への祈りを自らに呼び起こすことを目的としている。丸印が聖印とされた経緯は諸説あるがその起こりは古く、失伝している。
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