いまの私
恥じらいもなくあなたを好きだといえるほど私は幼く
まだ愛の感覚をつかむことができていない
心の深いところまで音や言葉が届くとき
それに強く嫉妬するのは 私ですら届かない私のことを
知らない誰か大人のほうがよっぽどよく知っているようだからか
お前はまだ幼稚だと いわれているようだからか ほかならぬ内の私に
あの子ですら先をいくと 大っぴらに見下す自分を見つけて
恥ずかしくて私は 私をごまかしてきた
そして今も同じようにごまかしつづけている
情けなくて
ごまかすように外を見ては何かを拾って
あてつけのように世界に映してみたが
それは私とは関係ない何かにしかならなくて
私自体はじっとりと自分にぬめりつくばかりだ
剝がれてはくれずに
漠然と無視してきた今の私が 私であるなら
今の私への償いは 今の私にしかできない
それがなるとか どうするとか
わからないまま ただ少なくとも
正直であること