インターミッション 本作の世界観15 ー 法廷編 ー
法廷を主宰する伯爵(右端)と原告たちの姿です。
伯爵は裁判官の帽子を被り、裁きの剣を膝に置いて、現行犯に対する法的措置をとります。ここには省略されていますが陪席シュルタイスと裁判員シェッフェン、そして現行犯Handhaftを目撃した証人も法廷にいます。
次に、婦女暴行を告発する女性たち、泥棒を捕らえて連行した男、そして泥棒。
下が殺人事件の被害者です。
お馴染みSachsenspiegelマンガ版(ハイデルベルク大所蔵)から、トレース加工。
女性は告発はできるが自身が証人になれないので、暴行された自分が証拠物件です。生々しい姿で出廷します。人前で屈辱的な姿を晒さねばならない掟は酷い女性差別だと、みなさん仰います。でも、この被害者さんの顔、なんか嬉しそうですね。
犯人は死刑になります。オルデンブルク写本には線画ですが処刑シーンが描かれています。被害者である女性の指示で斬首。婦女暴行は恥ずべき犯罪なので、犯行現場となった家は汚れたモノとして解体され、現場にいた家畜など全て殺処分されます。自宅で暴行された女性は大変です。この妙な風習の方が、女性を泣き寝入りに追い込みそうです。男性の家ならいい気味ですが。
泥棒も斬首ですが、夜間の泥棒はより不名誉な絞首刑です。盗品を背負わされて法廷に連行されて来ます。被害額が少ないと、手の切断で勘弁してもらえます。人権剥奪は避けられませんが、生き延びることは出来ます。
殺人事件の告発は原則、被害者本人がします。普通死んでいると喋れませんから、寝ていて結構です。手続きは家族や友人などが代行します。縁者も友人もない人は殺され損ですが、公衆の面前で殺人を犯すものは平和破壊の罪で告発され、処刑されるでしょう。
いづれの場合も、被害者はずっと寝ていて結構です。




