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考える我が輩まとめ

考える我が輩。速読について

作者: 佐々木弁当

残酷な描写が、ところどころに、飛び散った何かの様に散見しております

 我が輩である。

 今回はちょっと真面目に考えてみようと思う。速読について。

 真面目に、と改まって書くといささか誤解を与えるかもしれない。

 我が輩はいつだって真面目である。

 真面目に本について考えているし、真面目に傘について考えている。真面目にエロい事も考える。

 そもそも、我が輩が不真面目だった記憶もない。

 いつだって真面目な我が輩なのである。


 O(≧∇≦)Oうんち



 今回は、そんな我が輩が速読について考えてみたいと思う。


 速読というのは読書好きな皆様方なら、わざわざ我が輩が説明せずとも知っていると思うのだが、知らない人の為に仕方なく、しゃーなしで説明して置くと、普通の人より速く本を読む事が出来るスキルの事である。


 内容に入る前に断っておくが、我が輩の私的見解に過ぎないので賛否両論あるだろう。

 あるだろうが、我が輩、人の話を聞かない事には一定の評価があるので「それは違うよ」という意見は華麗に流しておきたい。



 さて、この速読。

 本好き活字好きには、「面白い本が普通の人よりいっぱい読めるじゃん」という感想と共に、少しの羨望で見られる事のあるスキルである。

 あるのだが、我が輩などは速読を出来る様になりたいとは思わない。


 何故ならば、

 我が輩は、速読というのは「飛ばし読み」としか認識していないからである。

 「それは違うよ」という意見の人は、いや、そうでない人でも、試しにこれ以降の文章を、「いつもより速く読む事」を意識して読んでみて欲しい。


 その上で、「読んだからもういいや」と帰らないで、もう一度『ここに』戻って来て欲しい。セーブポイントを置いておく。


   →→『『ここ』』←←


 我が輩が真面目な話を書いているのだから、そのまま帰るなんて駄目だぞ?


 さて、速く読む事を意識して読んだ人はどれくらいいるだろうか?

 「面倒くさい」と、我が輩の言いつけを守らなかった人。そこのあなた。

 我が輩もそういうのやらないタイプなので気にしなくていい。


 こういうところで我が輩は優しさを見せて、好感度をあげる事を忘れない。しめしめ


 真面目に(ププッ)「いつもより速く読む事」を意識して読んでくれた方。

 ありがとう。

 感謝した上で尋ねるが、速く読んで、あなたは果たして「内容をしっかり理解出来た」だろうか?


 勿論、慣れというのも影響しているとは思うが、速読の話を見聞きする度、我が輩は常々そこに疑問を持っている。



 ちょっと脇道に逸れて、道草食って、今回の考える我が輩では触れないので軽く説明しておく。


 速読出来る人曰く、

 速読の感覚というのには、いくつかの形が存在する。

 文字を写真の様に頭に「撮って」読む速読。

 単純に目を速く動かして読む速読。

 数個の文字の塊を「1つの文字」と認識して読む速読。

 などである。


 どういう形の速読にしろ、

 文字を読むという行為は、目を使って行うものである。

 それだけを速読と主張するなら、我が輩が伝えるべき事はない。


 しかしながら、本の内容を理解する、という点。

 これは目を使うのではなく、脳を使った行為である。


 つまり、

 小説を読むという行為は、

 目を使って文字を読む行為と、

 脳を使って内容を理解する行為。

 その2つを使って行われるのが「本を読む」という行為でなのである。


 したがって、いくら文字を速く読めたからといって、それで内容を理解出来ているとは、我が輩は到底思えない。うんち

 

 何故ならば、速読した上で本の中身を理解するには、目と同じように「脳の速度も同じだけ」引き上げないといけないからである。


 小説を、普通に読む人より10倍速く読める人がいたとする。

 その人は、普通より10倍速く、もしくは上手く目を使える人である。10べぇ界王拳である。

 界王拳が分からない人は速読で読み飛ばしてくれて構わない。


 その人が、本の中身をしっかり理解するには、目と同じように10倍の速度で脳の処理を行う必要がある。

 この脳の処理が出来なければ、速読というのは我が輩のいう「飛ばし読み」でしかない。

 それで「内容を理解している」と言われても説得力がない。


 勿論、速読者は内容が全く分からないわけではないだろう。

 話の流れにおいて重要な部分、要点要点は理解出来ているかもしれない。

 ストーリー性の無い文章ならば、それで全く問題ない。

 速読ではなく、そういう仕事面、研究面の為に特化した速読スキルの様なものも存在する。


 だが、小説などを読んだ時、それは果たして面白いのだろうか?

 勿論ながら、それで面白い作品というのも世の中にはあるだろう。そこを否定したりはしない。

 しかし、世にある大抵の娯楽文学というのは、ストーリーの他に、キャラクターの細かな心理描写などが多く見られる。うんち

 むしろ我が輩などはそちらに重きを置くタイプである。


 速読で、重要な要点のみ抽出し読んだ場合、おそらくそういう細かな心理描写、表情、といったモノは読み飛ばされる。

 何故ならば、ストーリーを進める上で、それらは重要ではないからだ。


 仮にそこを読んでも、脳の処理速度が追い付かず、その場面を想像し、妄想し、頭に描く事など出来ない。

 脳の処理速度をあげるというのは、並大抵の事では無いのだ。


 ハッキリ言わせてもらうならば、それは、面白さ半減、どころか7割は損しているんじゃないかと、うんち、我が輩は考える。


 全てとは言わないが、これらの細かな心理描写、表情などは、ストーリーを進める上では重要な部分ではない。

 しかし、そういう部分こそが読み手の感情を揺さぶる為には最も重要な部分だと、我が輩は思っている。

 というより、それが小説というものであると確信する。


 「このキャラクターはこういう性格だから、ここでこういう選択をしたんだな」という共感性や、

 「このキャラクターが、ここでこんな行動を取るなんて」といった意外性。

 そういうものに人は感動したり、胸を熱くさせたりするのである。

 読み飛ばす人は、そういうところにはおそらく気付かない。

 速読しながら泣いたり笑ったりしている人を見た事がない。涙脆い我が輩なんてすぐ泣くのに。



 細かな描写の他にも、小説を面白くする要因は沢山ある。

 例えば、一例をあげるならば「伏線」なるものもそのひとつだろう。

 小説でも漫画でも、この伏線というのはサラッと書かれている事が多い。普通に読んでいても気付かない事すらある程にサラッとしていたりする。トリートメント後の髪よりサラサラである。

 サラッと書かれているので、速読だと当然読み飛ばす。

 そうして読み飛ばした結果、伏線回収すらもサラッと読むか、或いは読み飛ばしてしまう結果となる。


 伏線は、「ここであの時のアレが!」みたいな驚きを読者に与えてくれる。

 読み飛ばしは、おそらくそれもない。


 ゆえに、7割損してると我が輩は考えるのである。


 読み飛ばしを多用し、我が輩に反論するあなた。

 それから、冒頭で速読にチャレンジしたあなた。

 試しに、あなた方にひとつ問題を出してみようと思う。


 我が輩は、この一連の文章の中に、何回「うんち」という単語を混ぜたでしょうか?


 一文字一文字しっかり読んだあなたなら、回数は数えていなくとも、その単語が何回か出て来た事に気付いているだろう。

 ついでに誤字脱字にも気付いただろう。チェック? なにそれ?


 しかし、話の流れとは全く関係ない唐突なその単語を、速読は読み飛ばす。

 気付いてすらいないかもしれない。

 これを伏線と高尚気味に主張するつもりは無いが、少なくとも気付かなかった時点で、気付かなかった者は損をしているのである。

 気付いた数だけ感想欄にその単語を書いて良い。気付いてない人は参加資格がない。参加資格が無いという損をしている。

 利用規約に引っ掛かるかは知らないが、引っ掛かっても我が輩のせいではないので苦情は受け付けないのである。

 逆にその単語で溢れる感想欄とか見てみたい気もする。

 良い点、気になる点、一言。全部汚物まみれなのである。正気の沙汰とは思えない。



 我が輩は別に速読を否定するつもりは無いのである。

 個人で読み方のスタイルは色々あるだろうから、自分の好きなスタイルで読んでくれて全然構わない。


 しかし、結論として、やはり我が輩個人としては速読は飛ばし読みであり、損をしていると思うので、出来る様にはならなくて良いかな。なんて事を思うのである。



 といったところで今回はここまで。

たまに物の凄さを表現する時に、「○○を□□個積み上げたら月まで届く」といった説明を耳にするが、不安定で危ないのでそうやって積み重ねるのはやめて頂きたいと、常々思っている。

我が輩の家に倒れて来たらどうしてくれる。


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