花を両手に
貴方が好きだ。
不器用な私に出来る精一杯を貴方に届けたい。
貴方という花を両手で抱えたい。
それだけなんだ。
私は不器用だから、両手にいくつもの花は抱えられない。それに、目に映る花も、心を奪われる花も、ただひとつしかないんだ。いくつも抱えようと憧れていたのは、たくさんの季節を遡ったあの日まで。
今は、一輪の花を両手で大切に抱えていたい。
その花を私の全てで咲き誇らせたいんだ。
私には不相応かもしれない。
そう不安になるけれど、その不安をなくしてくれるくらいに素敵な花になってもらえたらな。
貴方のおかげで…なんて思ってもらえたらな。
貴方が私の隣にいる日々が頭の中を巡る。
私の隣で素敵に咲いてくれる日々を頭に巡らせる。
貴方の見つめる景色の中に私が映っていて欲しいと、それを強く願う。
貴方もそう思ってくれてたら、それはなんて幸せなんだろう。
そんなことを何度も何度も考えては、勝手に一喜一憂してるんだ。こんな私を貴方に笑ってもらえたら、なんてことまで考えてしまう。
気持ち悪いかなって思うけど、それほどまでに私は貴方に魅せられてるんだ。
私の毎日の隙間に貴方がいる。毎日が満たされて、溢れてさえいる。幸せなんだ。
貴方だけが私の頭の中で踊り続けているんだ。
私の中でひたすらに揺れながら咲いているんだ。
貴方に出逢えた幸せは、私の最高。
これからも、貴方が私の最高を何度も更新してくれたら、なんて期待してる。
期待してるなんて思いながら、期待しても意味がないのかも、なんて思う。
どんなに期待しても、貴方が笑ってくれるだけで、隣にいてくれるだけで、勝手に更新されてしまうんだから。
でも、もしも貴方が私を笑わせてくれたら、涙を拭ってくれたら、それは特別な最高になるかな。
更新されることのない特別な最高に。
貴方という花は知れば知るほど魅力的だ。
その形も、色も、香りも、全てが魅力なんだ。
揺れるように踊る貴方に私は魅了された。
どんな景色の中でも、貴方だけは凛と咲いている。
貴方だけが私を釘付けにする。
それがとても心地よくて幸せに溢れているんだ。
この幸せにずっと溺れていたい。
そんなことを思って頰を緩める。
貴方が好きだ。
大好きだ。