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神世界と素因封印  作者: 茶坊ピエロ
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嵐の前の平穏

初心者の初投稿です。よろしくお願いします。

   いつもより眠たい。

 起床しまだ重たい身体を動かして、学校へ行く準備をする。そしてリビングに顔を出すと普段は家を早く出る叔父さんが新聞を読み、叔母さんが朝食の支度をしている。俺も叔父の隣の席につき朝食ができるのを待つ。テレビがついていなかったが静かなのはあまり好きじゃないから電源をつけた。ニュース番組だ。そしてその内容を聞いて驚く。



『臨時ニュースを申し上げます。本日未明アメリカ軍と帝国軍が戦闘状態に入りました』



 それはこの世界の運命を大きく変える戦争のはじまりを告げるものであった。



 西暦2122年。俺、真壁和澄(まかべかずすみ)は歳は13歳。ユーラシア帝国にあるウェストサンド学園の生徒である。

 


  今から22年前。22世紀に突入と同時に日本はアメリカに対して宣戦布告した。当時日本は天才学者、岡部真理夫により様々な兵器を開発していた。レーザーを発射するライフル、オールレンジ兵器、転移装置など、様々な兵器を開発。近年にユーラシア大陸全土が統一された帝国はともかく、21世紀から規模の変わらないアメリカなら圧倒できると考えた。勝利の確信を持っていた日本政府は国民に何の通達もせずに宣戦布告をアメリカに伝えた。

 


 しかし日本は大敗を喫した――――それも圧倒的な敗北。レーザーライフルは正面から受けとめられ、オールレンジ兵器は一弾も掠ることもなく、転移装置での移動は移動先に予め兵士を配置され、移動してきた兵士達は蜂の巣にされた。

 


 アメリカ軍には天才をはるかに凌駕する化け物達がいた。人知を超越した能力をもつ化け物に日本の虎の子の兵器を持つ精鋭部隊は無力化されたのである。その能力を持つ彼らは因果関係があるわけではないが、それぞれ目に模様があることから魔眼所持者と呼ばれ後に恐れられる。

 


 敗戦国となった日本は植民地となるはずだったが、宣戦布告は政府上層部の独断で行われていたため国民に罪なしと魔眼所持者達の強い要望により、政府上層部の最高責任者のみを処刑し、日本は植民地にはならずに済んだ。

 一方、国のトップを一斉に失い行き場をなくす国民達もいた。そこでユーラシア帝国とアメリカは希望者を集い、移民を受け入れると宣言。日本の国民の半分以上がユーラシア帝国とアメリカに移民した。



 現在、ユーラシア帝国に移民してきた日本人は帝国民として国籍も取得している。移民してきたのは父と母で、俺はこの地で生まれたこの地で育った帝国民だ。だが父と母は数年前に戦場で消息を絶ち現在行方不明。俺は叔父さんと叔母さんの家にお世話になることになった。




◇◆◇◆◇




「まずいことになったな」



 叔父さんが焦るように口にした。

 叔父さんの名前はマーフィー・アルバート。銀髪の碧眼で顔が童顔だが、放つ威圧は虎も裸足で逃げ出すほどだ。それもそのはず帝国軍の初代元帥であり、いまだ現役で衰えを知らない。20年以上帝国軍のトップとして軍を引っ張っているだけある。家では優しいけどね。



「まずいってことは帝国軍にとっては不測の事態?」



 国の最高階級の元帥が戦闘について焦るということはその戦闘は軍があずかり知らぬところでの戦闘。俺はそれについて疑問を問いかけた。



「ああ。アメリカ軍は岡部真理夫、日本の天才学者が帝国に逃亡しているのではないかと疑いをかけてきている話は聞いているな?アメリカの代表はその事実確認のために近日に帝国へ訪問の予定だったんだ」



 その話は教官に先日伝えられていた。かつての日本の天才、岡部真理夫もまた最高責任者同様処刑される予定だったのだが、刑執行日の前夜に脱獄し未だアメリカ軍は、その行方は掴めていなかった。



「疑惑をかけられての訪問前に軍同士の戦闘の発生。こちらの事情はどうあれ戦争をするための大義名分には十分だね」



「その通りだ。今日は和澄の学校にスピーチをしにいく予定だったが、わたしは今から本部にいき事態の把握と今後について話合わなければならない。悪いが校長に今日の演説は中止と伝えておいてくれ」



「わかったよ叔父さん」



 そういうと叔父さんは朝食ができる前に家を出て行った。



「あの人ったら、朝食くらい食べていけばいいのに」



 叔母さんは呆れたように口にした。

 叔母さんの名前は香澄(かすみ)・アルバート。俺の父の妹で、俺を引き取ることを申し出てくれた恩人だ。外見は日本人形のような黒髪ロングの美人。今は退役しているが、ユーラシア帝国設立からのはじめての日本人の軍人で最終階級は少将。日本人特有の黒髪と敵対したものへの容赦のなさから他国からは"黒の女帝(ブラックエンプレス)"と恐れられていた。

 普段の叔母さんを見てるとそんな風に呼ばれてたなんて、想像もできないけどね。


「和澄〜もうちょっと待ってね。あと少しでできるから。あとまだ夢の中にいる寝坊助も起こしてきてちょうだい」



「りょーかい。じゃあ兄さん起こしてくるね」

 


 この匂い。今日の朝ご飯はホットケーキか!

 叔母さんのつくるホットケーキは好きだから嬉しい!

 朝から悪いことばかりでやっといいことがあった。

 俺はウキウキしながら従兄弟の兄の寝室に向かっていった。



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