痛喰者は再び舞い戻る

この世界では15歳になると、人はみな『魔力』と『能力』を授かる。
15歳の誕生日、神からの祝福であると言われる『魔力』を持たないことが判明した男、リケルは『背徳者』と呼ばれ、凄惨な拷問を受けることになる。
しかし、五年間もの間拷問を受けている中、全世界に同時発生した『反転』という現象により彼の才能は開花した。

彼が得た能力は《痛喰》。
自らが受けた『痛み』『苦痛』を糧に成長するというものであった。
新しく得た力で王国の管理する地下牢から抜け出したリケルはこう呟く。

「────復讐だ」と。